◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.31-2010.06.01
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]退職給付に係る負債(第1回)
2.[IFRS]減損(第3回)
3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
4.[編集後記]

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1.[最新J-GAAP]退職給付に係わる負債(第1回)
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退職給付も変わりますね。まだ公開草案ですが、どういう影響があるのか、ざ
っくりと理解しましょう(といっても、「簡単に」書くの難しいですっ)。

ごく大雑把にいうと、

・退職給付債務マイナス年金資産の全額をBSに「退職給付に係る負債」として
 計上します。
 →このため、未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用、未認識会計基
  準変更時差異相当額も負債としてBSに載ります(「BS即時認識」なんて言っ
  てますね)!

・数理計算上の差異、過去勤務費用、会計基準変更時差異は従来どおり償却し
 ます。
 →未認識部分はどうするかというと、税効果控除後に「その他の包括利益」
  で処理することとなります。

・退職給付債務と勤務費用の算定方法が変わります。

この移行の仕方ですが、例えば3月決算で早期適用しないのなら、

2012年3月31日に現行基準と同様の算定方法による退職給付債務マイナス年金資
産の全額を「退職給付に係る負債」として計上します。現行引当金との差額は
税効果控除してその他包括利益で処理します。

そして、

2012年4月1日に新基準による退職給付債務との差額を利益剰余金として処理す
ることになるわけです。

というわけですので、IFRSの強制適用より早く退職給付債務マイナス年金資産
の額=「積み立て状況を示す額」をBSに計上することになりますね。3月決算な
ら2012年3月末ですから、2年後ですか。

大変な影響がある会社さんもあるのではないでしょうか?

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2.[IFRS]減損(第3回)
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IFRSでは、減損の兆候があるとされた場合、帳簿価額と回収可能価額を比較す
る必要があります。

この回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値、又は使用価値のいずれか高
い方ということになります。使用価値は当然「割引後」キャッシュフローで測
定されます。

日本では、いきなり「割引後」ではなく、まずは、「割引前」キャッシュフロ
ーと帳簿価額を比較して、割引前キャッシュフローが帳簿価額より小さい場合
に、減損損失の認識が必要になります。

割引前で一度テストをしてクリアできる場合は減損損失を計上しませんので日
本の場合は減損が確実な場合に計上される。IFRSではより早期に減損損失が計
上されることになります。

また、日本では予測期間につき、20年を経過した時点以降のキャッシュフロー
も考慮することが可能とされていますが、IFRSでは5年超の部分については、
契約等の客観的証拠に基づき正当化できない限り、経営計画をそのまま使用で
きません。

ですから、日本では、減損損失が計上されていないものが、IFRSでは、計上さ
れることがあるわけですね。

初度適用のとき、IFRS移行日に、この判定を行うことになるわけです。また、
IFRSでは、減損損失の戻入を行う場合があるのです。次回、みましょう。

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3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
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【出版物及びそれに類似するものの購読契約等】
通常号と増大号から構成されている定期購読契約について、増大号の販売価値
は通常号よりも高いと考えられる。しかし、定期購読契約における年間購読料
は増大号についても通常号と同一の単価を基礎に算定している。
このような場合の収益認識方法はいかに?
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定期購読契約、ですからね。僕は、普通に月割で計上して終わりなのでは?と
思ってしまいましたけど、皆様いかがでしたでしょうか?

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【J-GAAP】
「定額で収益を認識することは必ずしも妨げられていないと考えられる。」

ただし、

「定期購読契約期間中の増大号及び通常号の販売価値をそれぞれ合理的に測定
できる場合には、各号の相対的な販売価値に基づき、収益を測定することが適
切と考えられる。」

【IFRS】
「対象出版物が期間ごとにほぼ同等の価値をもつならば、定額法により認識さ
れる。」

「対象出版物の価値が期間により変動するときは、収益は、契約に含まれるす
べての対象出版物の見積販売価値合計に対する送付済みの出版物の販売価値を
基礎として認識される。」

───────────────────────────────────
まあ、確かに!増大号は原価が多くかかりますからね。同一の単価で定額で収
益を計上していれば、増大号では赤字、ということになりかねません。でも、、
大変ですねえ。

次は
出版物及びそれに類似するものの購読契約等の応用編です。
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出版業を営む売手は、各号が同等の価値を有すると判断される雑誌の定期購読
契約において値引きをすることがある。また、類似の取引として、読者の獲得
のため、定期購読契約を締結することで初回のみ無料とする場合もある。
この値引きの会計処理はいかに?
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4.[編集後記]
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粉飾がなくなりません。
公認会計士の運命も粉飾によって大きく翻弄されます。
先日、本屋で書籍を探していて、目にとまった本を思わず買ってしまいました。
「命燃やして~山一監査責任をめぐる10年の軌跡」(東洋出版 伊藤醇)。伊藤
醇先生は僕が中央監査法人に入所したときに監査二部にいらした方で、僕の大
先輩です。当時も今も雲の上の存在で、大法人で、直接の仕事の係わりもなか
ったことから、まともにお話をした記憶もありません。
この本では、「何故、この損失が監査手続によって把握できなかったのか、そ
の理由・実態はどうであったかを明らかにすることは、山一監査を担当した監
査人にとって義務とも思える。これが本書を出版する第一の理由である。」ま
た、「四面楚歌に陥り奈落の底に突き落とされても実施した監査手続に確信を
持って立証を繰り返せば、必ず、苦難を乗り越えられることを伝えたい。これ
が出版を決めた第二の理由である。」としています。
粉飾はすべての関係者を不幸にします。まだ発覚していない粉飾もあるかもし
れませんが、すべての粉飾はいずれ発覚すると信じています。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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