◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.180-2013.04.16
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]決算直前!消費税95%ルール廃止のおさらい
2.[IFRS]任意適用の要件って?
3.[最新J-GAAP、税務]税務上の貸倒引当金制度廃止のおさらい
4.[税務]問題92
5.[編集後記]

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1.[税務]決算直前!消費税95%ルール廃止のおさらい
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このメルマガでも何度もご紹介してまいりましたので、もう既にバッチリとい
う方がほとんどと思いますが、「実は、まだ、、、」という会社さんも、ある
かもしれませんので、概要書いておきます。そんな会社さんありましたら対応
急ぎましょう。

そもそも、
【適用開始時期】
平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。ですから3月決算
の場合、この平成25年3月期からですね。

【概要】
当課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、個別対応方式又は一括比
例配分方式のいずれかの方法により仕入控除税額の計算を行うこととされま
した。
今までは課税売上割合が95%を超えていれば個別対応方式や一括比例配分方式
により算出する必要はありませんでした。つまり、課税売上により預かった消
費税額から課税仕入により支払った消費税額を全額控除し、その差分を支払っ
たり、還付を受けたりしていたわけです。端数処理はありましたが。
これが、預かった消費税額から課税仕入により支払った消費税額を全額控除す
ることが出来なくなったということです。この差分については、決算的には、
以下の仕訳を入れることになります(納付が生じる場合)。

仮受消費税等 ××× / 仮払消費税等 ×××
租税公課   ××× / 未払消費税等 ×××

従って重要性にもよりますが、基本的には申告書作成時にやればいい話、では
ないわけです。基本的には決算確定までにすませるべきなのです。

【個別対応方式とは?】
その課税期間における個々の課税仕入れの全てについて、次の3つの区分が明
らかにされている場合に適用できる計算方法です。
(1)課税売上対応分
(2)非課税売上対応分
(3)共通対応分

仕入控除税額=課税売上対応分に係る消費税額
+(共通対応分に係る消費税額×課税売上割合)

この3者の区分をどうするかが結構厄介な場合もありますので早めに取り組ん
でおきたいところなのです。簡単にいえば課税売上を生むためだけに発生する
課税仕入は課税売上対応分、非課税売上を生むためだけに発生する課税仕入は
非課税売上対応分、その他は共通対応分ということになります。受取利息は非
課税売上ですから、非課税売上がない会社なんて基本的にはないということに
なるはずです。

【一括比例分方式とは?】
仕入控除税額
=その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額の合計額×課税売上割合

【要するに何やればいいの?】
(1)課税売上割合が適切に算出されているか確認する。
 本来課税売上とすべきものが課税仕入のマイナスで処理されていたり、非課
税売上とすべきものが非課税仕入のマイナスで処理されていたりしないでし
ょうか?これらを見直さないと、きちんとした課税売上割合は算出できませ
ん。
 (例)従業員から徴収している社宅や寮の家賃を非課税売上となります。
   有償支給材料も支給する側では基本的には課税売上となるはずです
(但し、消費税法基本通達5-2-16)。

(2)個別対応方式と一括比例配分方式を比較、有利な方を選択する。
個別対応方式では、課税売上対応分、非課税売上対応分、共通対応分に区分
する必要があります。売上は全て課税売上であれば原価区分の課税仕入は通
常課税売上対応分になるでしょうし、土地を売却したときの仲介手数料は非
課税売上対応分になるでしょう。こういった区分をする必要があります。

(3)(2)で選択した有利な方の納付金額を未払消費税等とし、又は還付金額を未
収消費税等として差額を租税公課に計上する仕訳を計上する。

ということですね。

詳細はこちら
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/201109.htm

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2.[IFRS]任意適用の要件って?
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楽天や双日など、IFRSの任意適用を表明する企業もポツポツ出てきています
が、現在の日本の開示制度でIFRSを適用することが出来るのはどのような企
業なのか、おさらいしてみましょう。

任意適用の要件は連結財務諸表規則の第一条の二に記載があります。概ね、以
下のような内容です。正確には本文あたってください。
a.上場していること
b.有価証券報告書において、連結財務諸表の適正性を確保するための特段の取
組みに係る記載を行っていること
c.指定国際会計基準に関する十分な知識を有する役員又は使用人を置いており、
これに基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制を整備して
いること
d.会社、その親会社、その他の関係会社又は当該その他の関係会社の親会社が
次の要件を満たすこと
・外国の法令に基づき、当該法令の定める期間ごとに国際会計基準に従って
作成した企業内容等に関する書類を開示していること
・外国金融商品市場の規則に基づき、当該規則の定める期間ごとに国際会計
基準に従って作成した企業内容等に関する書類を開示していること
・外国に資本金が20億円以上の連結子会社を有していること

b.c.ですが、どういう体制をいうのか。日本板硝子さんのケースを抜粋してみ
ました。平成24年3月期の記載です。

「連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づい
て連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について

当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っており
ます。その内容は以下のとおりであります。

(1)会計基準等の内容を適切に把握し、連結財務諸表等の適正性を確保できる
体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、会計基準
の変更等の情報を逐次受けております。また、公益財団法人財務会計基準
機構が行う有価証券報告書の作成に関するセミナー等への参加を行ってお
ります。

(2)IFRSの適用においては、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや
基準書を随時入手し、最新の基準に関する情報の把握を行っております。
またIFRSに基づく会計処理については、IFRSに準拠したグループ会計方針
を制定し、年度末決算に関する説明会の開催等を通じてグループ企業への
周知を図ることにより、グループで統一的な会計処理が行われるよう努め
ております。 」

実際始まったらこのような体制は当然とらなければいけないのでしょうね。

で、d.の「資本金20億円以上の外国子会社」ですが、これはハードルが高いと
いう指摘があるようです。そうですよね。これがあるとかなり限定されますよ
ね。資本金20億円以上の外国子会社というとそれなりの規模ですよね。

というわけで今のところ任意適用のハードルは高いです。

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3.[最新J-GAAP、税務]税務上の貸倒引当金制度廃止のおさらい
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こちらもちょっと忘れがちな気がしませんか?税務上、貸倒引当金制度は、平
成24年4月1日以後開始事業年度から(すなわち、平成25年3月期から)、対象法
人を(1)中小法人、(2)銀行、保険会社等、(3)一定の金銭債権を有する法人に
限定し、いずれにも該当しない法人については、原則として貸倒引当金の適用
が廃止されます。

(1)中小法人とは、資本金の額が1億円以下の法人、公益法人等又は協同組合等、
人格のない社団等
(2)銀行・保険会社等とは、銀行、保険会社、銀行持株会社、保険持株会社等
(3)一定の金銭債権を有する法人とは、ファイナンス・リース債権を有する法
人、一定の金融債権を有する法人

ただし、激変緩和措置として改正前の繰入限度額を四分の一ずつ縮小していく
経過措置も設けています。

平成24年4月1日から平成25年3月31日までの開始事業年度は四分の三
平成25年4月1日から平成26年3月31日までの開始事業年度は四分の二
平成26年4月1日から平成27年3月31日までの開始事業年度は四分の一

ただこれ、
平成24年3月期の繰入限度額が100
平成25年3月期の改正前の繰入限度額が100
平成26年3月期の改正前の繰入限度額が150
平成27年3月期の改正前の繰入限度額が120
という場合、
平成25年3月期の繰入限度額は75(100*3/4)
平成26年3月期の繰入限度額は75(150*2/4)
平成27年3月期の繰入限度額は30(120*1/4)
ですからね。単純に改正前の100が75,50,25となるわけではありませんので、
ご注意ください。

従来、会計上100%貸倒引当金を計上していて、税務上も100%なり、50%なり
貸倒引当金を計上しているという場合、税務上だけでこれを取り崩すことに
なるわけですから、税効果上考慮が必要ということになりますね。現状では
会計と税務で一時差異がなかったのに、一時差異を認識していかなければな
らないということになります。

この一時差異に乗じる実効税率はどうなるのでしょうか?一瞬、復興期間に発
生する分と復興期間後に発生する分で税率が違うのかななどと思ってしまいま
したが、あくまで一時差異の解消年度を見積り、当該年度の実効税率を用いる
ことになるはずですね。スケジューリング不能なら復興期間後の税率で算出す
るはずですね。ご確認ください。

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4.[税務]問題92
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[問92]
寄附金のうち、正しい記述はどれ?
a.完全支配関係法人に対する寄附金は支出法人の資本金等の額及び所得の金額
を基礎として計算した金額以内の金額に限り損金の額に算入される。

b.国外関連者に対する寄附金は支出法人の資本金等の額及び所得の金額を基礎
として計算した金額以内の金額に限り損金の額に算入される。

c.一般の寄附金、すなわち国等に対する寄附金や指定寄附金、特定公益増進法
人等に対する寄附金に該当しない寄附金については、支出法人の資本金等の
額及び所得の金額を基礎として計算した金額以内の金額に限り損金の額に算
入される。

[答]
a. http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b. http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c. http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はbです。

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5.[編集後記]
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これは確かにそうなんですよね。前回も触れた「食えない税理士・会計士」で
すが、「しかし近年、税理士顧問料の相場は大きく崩れており、月額数千円ど
ころか、「月々の顧問料は不要」をうたう税理士も出てきた」この原因として
インターネットによる検索等が挙げられています。しかし、月々数千円ではバ
イトの入力者が行う一日の作業分位にしかならないことは「買い手」側も用意
に想像がつくのではないでしょうか。顧問料は税理士が顧客にとっていかに有
利に進めるかを日々検討するために支払う対価を含んでいると考えていただき
たいなと思います。つまり、数千円というのは明らかに専門性に対する対価を
含んでいません。プロの仕事はできないということです。これは一方で顧客の
側で持つプロの仕事に対する不信感の表れでもあると思います。税理士の側で
も専門性を十分に理解してもらう努力を怠らず、顧客と税理士の間で理解が進
み、専門性に対する正当な評価が行われるようになるよう願っています。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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