◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.235-2014.05.14
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[IFRS]ASBJがJ-IFRS草案に向け方針整理
2.[最新J-GAAP]「ASR」って?
3.[税務]「中小企業」の基準見直し
4.[税務]平成26年度税制改正パンフレット
5.[税務]消費税率10%時には軽減税率
6.[税務]問題146
7.[編集後記]

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1.[IFRS] ASBJがJ-IFRS草案に向け方針整理
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ASBJが、いわゆるJ-IFRSの公開草案策定に向けた方針を打ち出しました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140512/556147/?ST=tousei&P=1

J-IFRSって要は、IFRSを一部カーヴアウトするということです。

この方針は、「(ピュアIFRSを)可能な限り受け入れるのが前提。十分な検討
を尽くした上で、基本的な考え方や実務上の困難さの観点から「なお受け入れ
がたい」との結論に達したもののみを削除/修正することが適切であ
る。」
ということです。

この方針のもと、具体的にどのIFRSを削除/修正の対象とするのかについては、
(1)OCI(その他包括利益)のリサイクリング及び当期純利益に関する検討
(2)のれんの非償却
について基準の削除/修正を検討するようです。

より具体的には、
(1)では
(a)資本性金融商品(要するに株式です)のOCIオプション
 「IFRS第9号に従ってOCI処理したものは売却時または減損時にリサイク
  リングする」
  →要は、IFRSでは、株式を時価評価した時点で包括利益に計上されている
わけですから、これを売却して実現した際に当期純利益に振り替えない
(すなわち、リサイクリングしていない)のですが、J-IFRSでは通常の
J-GAAP通り、振り替えるということですね。

(b)確定給付負債(資産)の純額の差異測定
 「IAS第19号に従ってOCI処理された金額について、遅延認識を行う」

(2)では
「IFRS第3号に従って計上されたのれんについて償却」の方向で基準の削除
/修正を検討していく。「毎年ののれんの減損テスト、企業結合で取得した
無形資産の識別、耐用年数を確定できない無形資産」については削除/修正
しない。

とのことです。

また、J-IFRSの構成ですが、
「IFRS英語版をベースにして、削除/修正した基準だけを日本語及び英語で
公表する」ということです。

なぜこのようなことが必要なのかについても色々と意見が出されているよう
です。
「海外でIFRSのエンドースメントを実施している場合、ほとんどがアドプシ
ョン(強制適用)を前提としている。これに対し、日本では既にピュアIFRS
を任意適用しており、さらにエンドースメントされたIFRSを任意適用するこ
とになる。この点について、「理解を得るのが難しいのではないか。『日本
市場は不透明だ』と見られるリスクもある」」
ということです。

「アドプションを前提としたエンドースメントと、任意適用を前提としたエン
ドースメントでは、重みが大きく異なる。8000社がアドプションしている欧
州では、IFRSが会計制度だけでなく社会保障や税、裁判など様々な社会制度
に組み込まれている。こうした国々と同等の発言権を確保するなどと言うと、
欧州から『何だかな』と見られてしまいかねない。意見を打ち出す際に、く
れぐれも誤解を生まないよう気を付けてほしい」

ですよね~!

実際この「J-IFRS」を適用する企業ってどれくらいあるんでしょうか。この
選択をする企業はかなり少ないのではないかと思います。それを議論していく
のもむなしい感じがします。作業完了目標は2014年秋だそうです。

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2.[最新J-GAAP]「ASR」って?
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「ASR」という取引があり、その会計処理が問題になっているようで、ASBJ
の新規テーマになっているようです。
http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/2a03c8904e6f853f492564990021bb43/18229580a6dcd06949257cd2007a481c?OpenDocument

「ASR」とは、Accelerated share repurchase の略で、「加速型自社株買い」
で、「契約を結んだ金融機関から、一度に大量の自社株を取得する方法」だそ
うです。

「1)金融機関がX社株式100万株を貸株で調達、
2)4月1日、X社が金融機関からX社株式(自社株式)100万株を時
価で取得し対価を支払う。同時に、X社と金融機関との間で、4)を
行う契約を締結、
3)金融機関は、その後の6ヵ月間に市場より100万株を取得、
4)9月30日に2)と3)の価格差相当額をX社と金融機関で現金または
X社株式で決済、5)金融機関は貸株を返済。」

「会計上の論点は、2)の自社株式の取得と4)の差額の決済を1つの取引と捉
えるか、または2つの取引と捉えるか。また、2つの取引と捉えた場合、4)
を損益で処理するか、資本で処理するか、が考えられる。」

とのことです。

色んな取引が現れるものですね。自己株式を時価評価するようなこともあるので
しょうか?

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3.[税務]「中小企業」の基準見直し
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現行の「中小企業」は資本金1億円以下ということですが、政府税制調査会で
これを見直して優遇の対象を減らす案が浮上しているようです。

http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/2a03c8904e6f853f492564990021bb43/0a5b67d7d2839e3449257cd5007b40de?OpenDocument

「高所得の中小企業が特例措置を受けているという会計検査院の指摘(平成
22年10月)」があったそうで、また、「今後、法人課税においては税率の引下
げが大きな焦点となるが、基本税率(25.5%)を引き下げる場合、現在の
軽減税率についても必要性が再検討される。」ということで、税率引き下げの
代替財源としての意味もあるようですね。

「同族会社の留保金課税は、中小企業も適用対象とすべきとの案が示された。」

この動き、要警戒ですよね。減資必要かもしれませんよ。本当に。

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4.[税務]平成26年度税制改正パンフレット
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財務省のHPに平成26年度税制改正パンフレットが掲載されています。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei14_pdf/P03-09.pdf

ご参考まで。

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5.[税務]消費税率10%時には軽減税率
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軽減税率、実現する感じですね。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0802V_S4A510C1EA2000/?n_cid=TPRN0006

自民、公明両党の税制調査会が軽減税率導入の制度設計に着手します。

複数税率を定めた場合の経理の方法や対象品目について議論されます。

経理の方法については、自民党や財務省は「納税額を正確に把握するためイン
ボイスの採用が前提」と主張していましたが、公明党が「中小企業の納税事務
負担が増える」という観点から、議論が進んできませんでしたが、このままで
は「軽減税率自体が見送られかねない」との懸念から公明党が方針を転換、容
認したようです。

対象品目については、公明党は「酒と外食を除く食料品全般」としていました
が、「生活必需品に限定」とする自民党に歩みよったようです。

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6.[税務]問題146
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[問146]
賞与を6月15日に支給します。支給対象期間は12月から5月までの分という
ことになります。3月31日付で海外子会社への3年間の出向を命じられ、同日
に出国する予定になっているAさんについても6月の賞与については日本の本
社から支給します。課税はどうなりますか?

[答]
a.他の賞与支給者と同様に算出して源泉徴収する。

b.賞与に占める国内勤務期間に対応する部分について20.42%(復興所得税分を
含む)の税率で源泉徴収する。

c.非居住者なので源泉徴収の必要はない。

[前回の解答]
前回の正答はcです。

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7.[編集後記]
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税制の方向性は、全体的に税率を下げるけど一方で、課税ベースを拡大すると
いう感じです。税率が下がるのはいいのですが、一方で、固定資産の定率法を
認めないで定額法一本にする、とか、事業税の外形標準を中小法人にも、とか、
事業税の損金算入を認めない、とか、今日の記事のように中小法人の概念自体
見直して本当に小さな企業にしか認めない、とか、留保金課税の見直し、とか、
代替手段として色んな案があがっています。
場合によっては、大企業で大きな利益を上げているところは税率低下のメリッ
トが大きくでて、一方で、赤字にしていた中小企業は外形標準などで課税され
るという結果になってしまうかもしれません。ちょっと要注意ですね。これは。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士 紺野良一
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