◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.257-2014.10.22
      
  ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

********************************************************************
【移転価格セミナーのご案内】
中堅企業のための移転価格税制対策セミナーを開催します!ぜひぜひご参
加ください!

【開催日時】 2014年11月25日(火) 13:30~16:30
【場所】 株式会社トアイアンフ セミナールームA

[JR恵比寿駅西口から徒歩5分]
東京都渋谷区恵比寿南1-20-6 (電話03-3719-8411)

【講師】 飯田清和 エキスパーツ税理士法人 税理士 東京税理士会国際部委員

メーカー、金融機関等での勤務を経て、グラントソントン太陽ASG税理士法人
にて移転価格コンサルティングに多数従事。特に中堅企業のアジア地域進出
に伴う移転価格税制対策、中国進出企業に関する移転価格同期文書化プロジ
ェクト、日米APA、日本へ進出している外資系企業のための移転価格文書化に
関与。2014年3月より現職。

【定員】 20名様
【受講料】 8,000円(税込)

詳しくはこちら
http://www.expertslink.jp/seminar/20141125/
********************************************************************

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]シークレット・コンパラブル
2.[税務]アイルランドの税制優遇措置廃止
3.[税務]美術品等の見直し
4.[税務]所得税は所得控除よりも税額控除で
5.[最新J-GAAP]問題168
6.[編集後記]

===================================
1.[税務]シークレット・コンパラブル
===================================
 また、国際税務担当の飯田の記事です。セミナーも予定していますので、
ご興味のある方は是非ご参加ください。上記ご参照ください。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
今回は先日お話できなかった「シークレット・コンパラブル」(課税庁側のみ
が知りうる比較対象企業の情報)について解説します。

移転価格の税務調査において、移転価格に関する文書(「国外関連取引の内容
を記載した書類」及び「国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するための
書類」を言います。)を遅滞なく提出できない場合には、税務当局は推定課税
(同業者の利益率等を独立企業間価格と推定して更正すること)を行うことが
でき、また、同業他社に対して質問検査権を行使できることが規定されていま
す。この質問検査権を行使して得られた比較対象取引をシークレット・コンパ
ラブルと言います。
移転価格税制の推定課税とは、課税当局が再三にわたり納税者に対して移転価
格に関する情報提示を求めてもこれに応じない場合、課税当局が独自に独立企
業間価格を算定して、それをもとに課税することです。
 
課税当局は守秘義務の観点から、推定課税の算定基礎となったシークレット・
コンパラブルを具体的に開示しないため、推定課税が行われると、納税者にと
っては反論の余地がなくなります。
実際に推定課税が行われるケースは少ないと考えられますが、移転価格に関す
る文書を作成していないと、移転価格の税務調査の際に納税者側で十分な対応
がとれずに、調査自体が課税当局主導により一方的に行われるリスクが生じま
す。

推定課税を回避するためには、移転価格に関する文書を作成し、納税者側で移
転価格の妥当性を主張できるようにすることが重要です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

===================================
2.[税務]美術品等の見直し
===================================
法人税基本通達の一部改正につき、パブリックコメントが募集されています。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410260041&Mode=0

美術品等の取扱の見直しです。

「時の経過によりその価値の減少しないもの」は減価償却資産から除かれて
います。

従来、美術品等については、一種の外形基準として
「いわゆる美術関係年間等に登載されている者は一応プロの作者として通用
するものとみなし、その者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等は、原則と
して減価償却資産には該当しない」

「取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号2万円)未満であるものにつ
 いては減価償却資産と取り扱うことができる」
ことになっています。

しかしながら、この通達から30年が経過し、この基準がそぐわないケースが
出てきているようです。

改正案(1)
「古美術品、古文書等といった歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のな
 いものについては、「時の経過によりその価値の減少しないもの」である
 ことが明らかであることから、従来の取扱いを変更することなく、減価償
 却資産には該当しない」

改正案(2)
・年鑑基準の廃止
「著名な作家であっても美術関係の年鑑等に掲載されていない者が多く存在
 すること」

「いわゆる愛好会の会員等についても年鑑等に掲載されている」
→必ずしも年鑑等に掲載されているかどうかにより判断することが妥当とは
 言えない点もある。

・取得価額20万円(絵画は号2万円)基準を100万円基準とする
「近時の取引の実態に照らせば、金額基準として低すぎるのではないかと
 いった指摘もあった」
「新鋭作家のデビュー作が1点60万円~80万円で取引される実態にあるこ
 と」
「市場による一定の評価を得ることができる作者かどうかは一般に作品の
 価格が100万円を超えるかどうかで評価することができるといった専門家
 の意見等」
→今回の改正案では取得価額が1点100万円以上のものについて、原則と
 して減価償却資産には該当しないと整理する。

「作品の価格については、必ずしもその作品の大きさに応じて決まるもの
 でない」
→号当たりの基準を廃止して他の美術品等と同様、取得価額が1点100
 万円以上かどうかで判断することとする。

一方で、
「取得価額が1点100万円以上のものでも、「時の経過によりその価値の減
 少することが明らかなもの」については、減価償却資産として取り扱う」
とされています。

「例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用す
 る場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取
 得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されること
 が明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその
 設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないも
 のが含まれる」
とのことです。

「例えば、ガラスケースに収納されている等、退色や傷が付かないように展
示されているものについては、通常、他の用途に転用すると仮定した場合
にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれ
ないものとは言えないことから、「時の経過によりその価値の減少するこ
とが明らかなもの」には該当しない」
とのことです。

適用時期ですが、

「法人税基本通達7-1-1については、平成27年1月1日以後に開始する
事業年度において法人の有する美術品等について適用します。

したがって、以前に取得し現在非減価償却資産として管理している美術品等
について、改正後の通達案に従って判定した結果、減価償却資産と取り扱う
ことができるものについても、平成27年1月1日以後に開始する事業年度か
ら減価償却資産として償却をすることが認められます。

(注) 連結納税基本通達6-1-1については平成27年1月1日以後に開始す
る連結事業年度において連結法人の有する美術品等について、所得税基本通達
2-14については平成27年分以後の年分において個人の有する美術品等につ
いて適用します。」

従来償却できないとしていたものについて平成27年から償却できるというこ
とですので、確認が必要ですね。

===================================
3.[税務]アイルランドの税制優遇措置廃止
===================================
かなり知られるようになってきましたかね。

「ダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチ」。

この前提となるアイルランドの税制が変わるようです。

日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM1402B_U4A011C1FF2000/

「アイルランド財務省は14日、2015年の予算案を発表し、多国籍企業の法人
税の支払いを軽減するために認めてきた優遇措置を廃止すると発表した。企業
が関連会社への利益移転などを通じて法人税率よりも低い税金しか負担してい
ないことに国際的な批判が強まっていることに対応する。米グーグルなど優遇
措置を利用してきたハイテク企業に影響が広がりそうだ。」

「ヌーナン財務相は14日、アイルランド議会で演説し、「アイルランドに拠点
のある企業は国内で課税対象になる」と述べ、一部で認めてきた非課税措置を
取りやめる方針を示した。15年以降に新規設立する企業は優遇措置を利用でき
ず、優遇策を受けている企業も20年末で猶予期間が終わる。」

ということですね。とうとう、前提が崩されます。

この対策をとることにより、これらの企業が受けた利益は莫大なものでしょう
けれども、社会的に冷ややかな目で見られるというマイナスのイメージによる
影響も大きいのではないでしょうか。

===================================
4.[税務]所得税は所得控除よりも税額控除で
===================================
企業会計というわけではありませんが、万人に関係することなので、いれて
みました。

東洋経済記事
http://toyokeizai.net/articles/-/49751

所得税改革は「配偶者控除だけではない」ということですね。具体的には、

「税負担を軽減するなら、何も所得控除という方法を使わなくても、もっと効
 果的な方法がある。

それは、税額控除である。税額控除とは、いったん算定された所得税額から直
接的に差し引くことで負担額を軽減するものである。わが国の所得税制では、
税額控除は約0.7兆円しか適用されていない。このことからもわかるように、
わが国の現行所得税制では、圧倒的に所得控除が用いられている。

では、所得控除と税額控除は、どんな違いがあるか。結論から言えば、所得控
除よりも税額控除の方が、所得格差是正効果が大きいことである。」

確かに格差是正のためには、所得控除よりも税額控除の方が効果的でしょうね。
ただ、あまり声として大きく聞こえていないように感じます。

===================================
5.[最新J-GAAP]問題168
===================================
[問168]
言葉の意味を表す算式の組み合わせとして正しいのはどれ?

ア.流動比率
イ.PER
ウ.在庫回転率
エ.損益分岐点

A. 売上原価÷棚卸資産
B. 固定費÷(1-変動費率)
C. 株価÷一株当たり利益
D. 流動資産÷流動負債

a.ア-D、イ-C、ウ-A、エ-B
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.ア-C、イ-A、ウ-D、エ-B
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.ア-C、イ-A、ウ-B、エ-D
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[答]
[前回の解答]
前回の正答はa。

===================================
6.[編集後記]
===================================
今回も国際税務担当の飯田の記事を載せさせていただきましたが、いかがでし
ょうか。エキスパーツリンクでは、今後、国際税務分野もフォローしてまいり
ますので、なにかご相談等ございましたらお気軽にご連絡ください。その活動
の第一歩として、今後はセミナーを連続して行ってまいりたいと考えておりま
す。第一弾は、11月25日に行います。まずは入門編として「移転価格文書化に
備えるべきこと」を行います。いずれ何等かの対応をしなければならないんだ
ろうなあと漠然とお考えの方、是非、ご参加ください。
http://www.expertslink.jp/seminar/20141125/
ご同業の方も、よろしければご参加ください。少しでもお役にたてれば幸いで
す。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
 →決算・開示サポート、内部統制、会計に強い税理士をお求めならこちら
*E-mail: <info@expertslink.jp>
 転送はご自由に!
*解除はこちらから
 →http://expertslink-tax.jp/mailmagazine/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


税理士法人エキスパーツリンク > ニュース > accounting journalバックナンバー > 【Weekly accounting journal】vol.257~シークレット・コンパラブル~