◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.161-2012.11.27
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]出向者の退職給付は誰が負担するのか?
2.[最新J-GAAP]臨時償却とプロスペクティブ方式
3.[財務のチカラ]固定資産評価損の損金算入?
4.[最新J-GAAP]問題72
5.[編集後記]

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1.[税務]出向者の退職給付は誰が負担するのか?
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出向者の人件費は出向先と出向元のいずれが負担すべきなのか?

通常は出向先が負担すべきと考えられますよね。これは出向者の仕事は多くは
出向先に係ることであることから普通に理解できるかと思います。ですから、
通常、給与や賞与は出向先が負担すべきということになります。ただしいくつ
か出向元が負担することも認められている状況はありますが。

さて、それでは退職金はどうでしょう。出向者も通常、出向しているだけで出
向元の退職金制度により退職金を受け取る権利があります。で、この退職金は
通常勤務期間経過とともに金額が上昇していくわけです。それでは、この出向
者の出向期間に係る退職金増加額は出向先が負担すべきなのではないか?とい
う疑問が出てくるわけです。

これについて、法人税は以下の通達を用意しています。

法人税基本通達9-2-50 出向先法人が出向者に対して出向元法人が支給す
べき退職給与の額のうちその出向期間に係る部分の金額の全部又は一部を負担
しない場合においても、その負担しないことにつき相当な理由があるときは、
これを認める。

相当な理由があれば全部又は一部を負担しないことも認められるということで
すね。

それでは、相当な理由ってなんでしょうか?一般的には、

(1)親会社が経営危機に瀕している関係会社等に強制的に使用人を出向させ、
その業務の監督等をさせることとした

(2)出向期間が比較的短期であるため、退職給与まで出向先法人に負担させる
必要はない

というような場合ですね。

逆にいうとこれらにあたらない場合、負担しないでもいいの?という疑問がわ
いてきてしまうということになりますね。

ご留意ください。

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2.[最新J-GAAP]臨時償却とプロスペクティブ方式
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固定資産の耐用年数を短縮する見直しが必要な事態が生じたとしましょう。こ
れ、どう処理するのでしょうか?過年度遡及会計基準が適用される前までは臨
時償却という考え方が生きていました。

例えば、

取得価額 100,000千円(期首取得)
耐用年数 5年
定額法

で2年経過した決算期末において、残存年数は後3年あるわけですが、後2年に
短縮するとしましょう。
すると従来は臨時償却が出来ましたので

1年目 20,000千円
2年目 通常償却 20,000千円
臨時償却100,000千円÷4年×2年-20,000千円×2年=10,000千円
3年目 25,000千円
4年目 25,000千円

と処理をすることが出来ました。これは2年目において過去から耐用年数4年で
償却してきたのと同じところまで落としてしまうという発想です。ここで追いつ
くわけですから、キャッチ・アップ方式といいます。

しかし、この方式は過年度遡及会計基準後は認められていません。じゃ、どう処
理するのか?

1年目 20,000千円
2年目 20,000千円
3年目 30,000千円
4年目 30,000千円

ということになります。これは、プロスペクティブ方式といいます。つまり、過
去は過去で見直しをしないということです。

誤解しないで欲しいのですが、これは、過去の耐用年数はその時に持ちうる十分
な情報に基づき適切に判断した結果、5年が適切と判断していたということが前
提になっています。これがもし過去の見積もりが誤っていたねという話になって
しまうと過去に遡及する必要が出てきますので、過去に遡及して、

1年目 25,000千円
2年目 25,000千円
3年目 25,000千円
4年目 25,000千円

とやり直すということになってしまうわけです。

なんでこのような改正が行われたか?理由は以下です。

(1)現在、国際的な会計基準では、その採用は認められていないと解釈されてい
る。
(2)キャッチ・アップ方式による処理が適切と思われる状況があったとしても、
その場合には耐用年数の短縮に収益性の低下を伴うことが多く、減損処理の
中で両方の影響を含めて処理できる
(3)そもそも臨時償却として処理されている事例の多くが、将来に生じる除却損
の前倒し的な意味合いが強いのではないか

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3.[財務のチカラ]固定資産評価損の損金算入?
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実務に浸かっているとこの取り扱いは忘れてしまいそうです。

法人税法第33条第2項は、
災害その他の政令で定める事実が生じた場合においては、損金経理により評価
損を計上した場合、帳簿価額マイナス時価の金額に達するまでの金額は、損金
の額に算入する旨定めています。

で、このその他政令で定める事実として

法人税施行令第68条第1項は、
(1)物損等の事実
(2)法的整理の事実
を定めています。

この、(1)は、棚卸資産、有価証券、固定資産、繰延資産ごとに定めた「事実」
が生じたことにより当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなったもの
をいいます。
(2)は更生手続における評定が行われることに準ずる特別の事実をいいます。

で、(1)のうち固定資産の「事実」ですが、
イ 当該資産が災害により著しく損傷したこと。
ロ 当該資産が一年以上にわたり遊休状態にあること。
ハ 当該資産がその本来の用途に使用することができないため他の用途に使用
されたこと。
ニ 当該資産の所在する場所の状況が著しく変化したこと。
ホ イからニまでに準ずる特別の事実

とされています。また、ホについては、法人税基本通達9-1-16で取得から1年以
上事業の用に供されないため、当該固定資産の価額が低下した場合が例示されて
います。

これにあたるケースもあるのではないでしょうか?「1年以上の遊休」とか?た
だこの「1年以上の遊休状態」というのは、いったん事業の用に供された固定資
産が、その後何等かの事情によって長期にわたる遊休状態に陥り、減価償却が認
められないような状態になっていることを意味しているとされています(法人税
基本通達逐条解説 税務研究会出版局)のでご注意ください。

また、法人税基本通達9-1-17においては、評価損の計上ができない場合の例示が
ありますので、これも注意してください。

(1)過度の使用又は修理の不十分等により当該固定資産が著しく損耗しているこ
と。
(2)当該固定資産について償却を行わなかったため償却不足額が生じていること。
(3)当該固定資産の取得価額がその取得の時における事情等により同種の資産の
価額に比して高いこと。
(4)機械及び装置が製造方法の急速な進歩等により旧式化していること。

まあ、遊休しているものについても1年以上経過すれば償却しているのと同じ額
まで落とせますよという位のことかもしれませんけど、検討してみてください。

ちなみにこれらを適用して土地の評価損を計上することはダメなんですよ。

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4.[最新J-GAAP]問題72
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[問72]
次のうち、消費税が課税される取引はどれでしょう?

ア.建物売買契約において、売主が買主から受領した固定資産税の未経過分
イ.土地に係る不動産売買仲介手数料
ウ.株券方式のゴルフ会員権譲渡対価

[答]
a.イ
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.ア.イ.
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.ア.イ.ウ.
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はaです。

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5.[編集後記]
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「役所の経理的発想で防衛費をGD(N)Pの1%」などという発言がありましたが、
この話自体は、防衛費をGD(N)P比で1%という他国と比較してかなり少なめな枠
にはめることにより、防衛予算の膨張を抑えるとともに、戦後日本は軍事大国
化しないというメッセージを他国に伝えるという重要な役割を果たしてきたの
ではないでしょうか? それが中国の台頭等により世界のパワーバランスが大き
く変容し、この枠も時代に合わなくなってきているという話ですよね。なんか
この余計な「役所の経理的発想」という言葉に、経理を小馬鹿にしているよう
なニュアンスを感じてしまってちょっと気になってしまいました。しかし「経
理的発想」大いに結構じゃないですか。「経理的発想」がなければ結局、組織
の目標も「絵に描いた餅」になることがあるわけですよ。経理は嫌われること
もあるかもしれませんが、間違いなく、組織の要です。頑張りましょう!

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)
  ・ディスクロージャー上級実務士  紺 野 良 一
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