◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.147-2012.08.21
      
  ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]消費税価格転嫁できますか?
2.[税務]アジア拠点化推進法案成立
3.[最新J-GAAPと税務]自社利用ソフトウェア取得価額の会計と税務
4.[分析]問題58
5.[編集後記]

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1.[税務]消費税価格転嫁できますか?
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消費税は誰が負担するんでしょうか?最終消費者ですよね。

税率があがるのに販売価格に転嫁できなかったら、負担が増えますね。きちん
と転嫁できるのかどうか十分な検討が望まれます。

この転嫁については、政府も検討しています。もっとも「近い将来」の解散が
あればどうなるかわかりませんけど。

首相官邸で、「消費税の円滑かつ適正な転嫁等のための検討本部」という部会
がありまして、

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b036x9w0zj9zavc4ssrCL

「消費税を円滑かつ適正に転嫁しやすい環境を整備することが極めて重要な課
題である」

として様々な対策が検討されています。以下、平成24年5月31日の「転嫁対策・
価格表示に関する対応の方向性についての検討状況(中間報告)」より項目をご
紹介します。

○円滑な転嫁の推進
(1)消費者・事業者に対する広報等
(2)相談窓口の設置
(3)独占禁止法・下請法の更なる対応
(4)事業者に対する転嫁状況に関する調査の実施
(5)転嫁状況に関する監視・検査体制の強化

○価格表示のあり方
(1)価格表示に関する業界内の統一基準の策定
(2)税率引上げ時の総額表示義務の弾力的運用

○財政上・税制上のその他の支援措置等

さらに「週刊T&A master」によると、これら転嫁対策等につき、「政府は、
消費税法の改正とは別に、転嫁対策に特化した法律を創設する意向であること
が本誌の取材で判明した」とのことです。

つまり、消費税を転嫁させないような行為は「違法」になるということですね。

従来、平成元年に消費税が創設されたときは、独占禁止法の適用除外規定が消
費税法の附則に盛り込まれましたけど、平成9年の税率引き上げ時には法令化さ
れませんでした。

今回は、転嫁させないような行為自体、「違法」となる方向のようです。ご確
認を。

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2.[税務]アジア拠点化推進法案成立
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これはご存知でしたでしょうか?

「特定他国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法」、いわゆ
る「アジア拠点化推進法」が平成24年8月3日に公布されています。

これは、

日本で研究開発や、国際的統括事業を行うグローバル企業に
税制等の特例措置や特許料軽減等のインセンティブ措置を講じる

というものです。この「グローバル企業」として認められるには主務大臣の認
定が必要です。

この「グローバル企業」には、以下の特典があります。

(1)法人税特例(認定企業につき5年間、20%所得控除)
(2)所得税特例(親会社(外国企業)が付与するストックオプションに対する課税
の特例)
(3)外国為替及び外国貿易法の特例(投資手続の短縮)
(4)特許料等の特例(特許料・審査請求料を半額に)
(5)中小企業投資育成会社法の特例(資本金が3億円を超える中小企業も支援対
象に)

税制改正は平成23年改正で行われていますので、アジア拠点化推進法待ちの状
態でしたが、これが成立したというお話です。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b036y9w0zj9zavc4ss8p7

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3.[最新J-GAAPと税務]自社利用ソフトウェア取得価額の会計と税務
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夏休み期間でネタが少ないですね。こういうときは例によって勉強しましょう。

今回は自社利用のソフトウェアを考えてみます。会計の取り扱いと税務の取り
扱いは結構違っていますよ。今一度ご確認ください。

「会計」
・そもそも、ソフトウェアの制作費でも「そのソフトウェアの利用により将来
の収益獲得又は費用削減が確実であることが認められる」ものだけが資産計上
されて、それ以外は研究開発費であるということが大前提。
・「資産計上の開始時点は将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認めら
れるよう状況になった時点であり、そのことを立証できる証憑に基づいて決定
する(「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針12」)。」
・「資産計上の終了時点は、実質的にソフトウェアの制作作業が完了したと認
められる状況になった時点であり、そのことを立証できる証憑に基づいて決定
する(「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針13」)」
・「自社で過去に制作したソフトウェア又は市場で販売されているパッケージ
ソフトウェアの仕様を大幅に変更して、自社のニーズに合わせた新しいソフト
ウェアを制作するための費用は、それによる将来の収益獲得又は費用削減が確
実であると認められる場合を除き、購入ソフトウェアの価額も含めて費用処理
する。将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められる場合には、購入
ソフトウェアの価額を含めて当該費用を無形固定資産として処理する(「研究
開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針15」)」

という感じです。ソフトを導入することで顧客に提供するサービスで対価がと
れる、とか、自社の業務が効率化されて間接人員が削減できる、とかいうこと
が確実でない限り、資産計上しちゃいけないんですよね。ここ、再度ご確認く
ださい。

「税務」
じゃ法人税務はどうか。

購入、外部委託製作、自社製作の別によって処理方法を区分することなく、そ
の取得に要した費用を原則的に減価償却資産(無形固定資産)として資産計上し
ます。

自社製作した場合は、
(1)そのソフトウェア製作に要した原材料費、労務費、及び経費の額
(2)そのソフトウェアを事業供用するために要した費用の額

としていますので、範囲は広いですよね。直接製作に携わった社内人件費もふ
くまれてきます。

ソフトウェアの取得価額に算入しないことができる費用も定められています。

法基通7-3-15の3
(1)自己製作に係るソフトウェアの製作計画の変更等により、いわゆる仕損じ
があったため不要となったことが明らかなものに係る費用
(2)研究開発費
(3)製作等に要した間接費、付随費用等で、その費用の合計額が少額なもの

(2)があるから、会計と税務一緒なのでは?と思われるかもしれませんが、こ
の場合の「研究開発費」は、自社利用のソフトウェアについては、その利用に
より将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかなものに限ります。
会計は逆ですよね。将来の収益獲得又は費用削減が確実なものだけが資産で、
それ以外が研究開発費です。

ですから、自社利用ソフトウェアの取得価額は会計と税務で変わってくる可能
性があるわけです。

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4.[分析]問題58
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[問58]
前回の続きです。
出荷が毎日一定量、発注も一定期間で一定量行われているとします。
Q:1回の発注量[個]
T:期間の日数[日]
D:1日の出荷量[個/日]
P:在庫1個1日あたりの保管費用[円/(個・日)]
H:1回の発注費用[円]

最も経済的な発注量Qは?

√はカッコ内すべてに及んでいると考えてください。うまく表示できません
でした。

[答]
a.(PQ/2)+(HD/Q)
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b036z9w0zj9zavc4sseD1

b.(√2HD)/P
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b03609w0zj9zavc4tsvC3

c. (√2HP)/D
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b03619w0zj9zavc4tshho

[前回の解答]
前回の正答はaです。

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5.[編集後記]
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大英博物館古代エジプト展を見てきました。不勉強でしたが、グリーンフィー
ルドパピルス「死者の書」を見て、古代エジプトの死生観に触れてきました。
「死者の書」というのは、言ってしまえば冥界のガイドブックということなの
ですが、このグリーンフィールドパピルスは37mもあります。オシリス、イシ
ス、ホルス、アヌビスなどお馴染みの神々もシンプルに可愛らしく描かれてい
て楽しめました。僕は特に死者として描かれているネシタネベトイシェルウの
カー(聖霊。鳥の姿をしています。)が好きでした。面白いのは、「罪の否定告
白」。42個ありまして、これが生前守れていないと、心臓を怪物アメミトに食
べられてしまいます。

42個これです。
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b03629w0zj9zavc4tsBlF
クリアできる人なんて、、、いないのでは?

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)
  ・ディスクロージャー上級実務士  紺 野 良 一
*URL: http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b03639w0zj9zavc4tsUHY
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