◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.150-2012.09.11
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]キャッシュ・フロー計算書でアタマの体操
2.[税務]消費税の請負工事等に関する経過措置
3.[最新J-GAAP]収益認識はどこへやら?
4.[最新J-GAAP]問題61
5.[編集後記]

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1.[最新J-GAAP]キャッシュ・フロー計算書でアタマの体操
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どうも最近あまり時事ネタがありませんので、また勉強しましょう。

間接法のキャッシュ・フロー計算書の表示ってどうなってますか?

(1) 営業活動によるキャッシュ・フロー
  税金等調整前当期純利益
  減価償却費
  固定資産除却損
  引当金増減
  等
(2) 投資活動によるキャッシュ・フロー
(3) 財務活動によるキャッシュ・フロー
(4) 現金及び現金同等物の増加(減少)額
(5) 現金及び現金同等物の期首残高
(6) 現金及び現金同等物の期末残高

という感じですよね。ここで、(4)は(1)、(2)、(3)の合計なわけです。つまり、
期首の現金及び現金同等物に、増加(減少)額を足して(引いて)、期末の現金及
び現金同等物を出していますよ、ということですが、これってどう作られてい
るのか、もう一度振り返ってみましょう。

二時点のBSを考えます。超単純化します。

(期首)
現金及び現金同等物 C1
その他資産     A1
負債        L1
純資産       E1

(期末)
現金及び現金同等物 C2
その他資産     A2
負債        L2
純資産       E2

ここで、当たり前ですが、
C1+A1-L1=E1  ア
C2+A2-L2=E2  イ
なわけです。

アからイを引きましょう。

C1-C2+A1-A2-L1+L2=E1-E2

ちょっと並び替えます。

C2=C1-(A2-A1)+(L2-L1)+(E2-E1)

つまり、期末の現金及び現金同等物(C2)は、
期首の現金及び現金同等物(C1)
から
資産増加(A2-A1)を控除し、
負債増加(L2-L1)を加え、
純資産増加(E2-E1)を加えたものとして算出できるわけです。つまりBS項目の
増減だけで説明できるのです。

でも、間接法では売掛債権の増加とかもあるけど、税金等調整前当期純利益と
か、減価償却費とか、必ずしもBS項目の増減をあらわすものばかりではないじ
ゃないですか。

実は、これらの項目もBS増減をちょっといじっているだけなんです。

例えば、「税金等調整前当期純利益」と「法人税等の支払額」は、どこからで
てくるかというと、以下のような流れなんです。

BS増減としては
「純資産増減」で表現されている部分を

「税金等調整前当期純利益」
-「法人税等」
±「法人税等調整額」

でいったん分解して表現してやります。配当とかその他包括利益とかなければ
こうなりますよね。

一方で、「未払法人税等増減」がBS増減としてあるわけですから、この「未
払法人税等増減」と上で出てきた「法人税等」とあわせるとどうなります?
「法人税等の支払額」になりますよね(外形標準はないものと考えています。)。

また、「法人税等調整額」はBS増減としてある「繰延税金資産負債増減」と打
消しあってゼロになるはずです。

というわけで「純資産増減」、「未払法人税等増減」、「繰延資産負債増減」
というBS増減は「税金等調整前当期純利益」、「法人税等の支払額」に形を変
えたわけです。

簡単ですよね。減価償却費なんかもこのような流れで考えられます。あとは単
なる増減ではなく、増加と減少にわけてみたりしているだけで、

基本は、BS増減なんですね。

つまり、間接法キャッシュ・フロー計算書は簡単!

C2=C1-(A2-A1)+(L2-L1)+(E2-E1)

ということです。

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2.[税務] 消費税の請負工事等に関する経過措置
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消費税の経過措置。いくつかありますけど、まずは請負工事。確認しましょう。

「事業者が、平成8年10月1日から平成25年10月1日(=「指定日」)の前日
までの間に締結した工事(製造を含む。)の請負に係る契約(これに類する政令
で定める契約を含む。)に基づき、平成26年4月1日(施行日)以後に当該契約に
係る課税資産の譲渡等を行う場合には、当該課税資産の譲渡等(指定日以後に
当該契約に係る対価の額が増額された場合には、当該増額される前の対価の額
に相当する部分に限る。)に係る消費税については、旧消費税法第29条に規定す
る税率(5%)による」

「平成27年10月1日からの10%引上げに係る「平成27年指定日」は27年4
月1日。25年10月1日から、27年指定日の前日27年3月31日までの間に締結
された契約に基づき、27年10月1日以後に譲渡されるものの消費税率は8%
が適用される」

ので、経過措置も二段階になってますのでね。ご確認ください。

税理士報酬が請負の場合もありえます。また、監査契約は請負ですよね。

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3.[最新J-GAAP]収益認識はどこへやら?
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IFRSの導入議論は停滞しており、会計基準の改正の話もストップしているもの
が多いように思います。

収益認識なんかもそうですね。

日本では平成23年1月に「顧客との契約から生じる収益に関する論点の整理」
が公表されていまして、そのなかでは「我が国における収益の認識及び測定に
関する包括的な会計基準の整備に向けた検討を続けていく予定である。」とさ
れていましたが、その後、動きがありませんね。これはIASBとFASBで同基準を
共同開発しており、最終的に完了していないため、日本でも具体的な動きにつ
ながっていないものと思います。

「顧客との契約から生じる収益に関する論点の整理」はこちら
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b0nzxlw0zjlqvzvf8d9x4

でも、ですね。過去何度もお伝えしてはいるのですが、日本公認会計士協会の
会計制度委員会研究報告第13号「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報
告)」というものが出されています。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b0nzylw0zjlqvzvf8dZRA

この内容は、上記の「顧客との契約から生じる収益に関する論点の整理」にお
いても整合すると考えられていると思います。

この「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)」のなかでも、会計方針
の変更の「「適時性」を判断する上で、本研究報告の公表が背景の一つとなる
のではないかとの意見がある」とされていまして、実はこれを契機として収益
認識の会計方針を変更している会社さんもあります。

最近では、伊藤忠食品、カカクコム、日本碍子などが売上の認識方法を変更し
ています。

Edinetで「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)」で全文検索すると、
これらの会社さんが出てきます。ご参考ください。

つまり、収益認識の包括基準を制定するという話はなくなったわけではなく、
遅れている状況と考えるべきということでございまして、以前ご紹介しました
内容については、J-GAAPのもとでも、引き続き準備が必要と思っています。再
度ご確認ください。

「顧客との契約から生じる収益に関する論点の整理」においては、

収益の総額表示と純額表示
製品保証及び製造物責任
カスタマー・ロイヤルティ・プログラム
工事契約
損失リスクを伴う製品出荷
ライセンス供与及び使用権
返品権付きの製品販売
資産の販売及び買戻し
更新オプションを伴う保守サービス

が挙げられていますから。ご注意ください。

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4.[最新J-GAAP]問題61
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[問61]
キャッシュ・フロー計算書の表示区分で正しいのはどれ?

ア.外形標準課税所得割と地方法人特別税
イ.支払利息
ウ.リース債務支払(通常の売買取引に準じる。利息は区分していない。)

[答]
a.ア.営業活動によるキャッシュ・フロー「その他」
 イ.財務活動によるキャッシュ・フロー
 ウ.投資活動によるキャッシュ・フロー
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b0nzzlw0zjlqvzvf8d8rK

b.ア.営業活動によるキャッシュ・フロー「法人税等の支払額」
 イ.財務活動によるキャッシュ・フロー
 ウ.投資活動によるキャッシュ・フロー
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b0nz0lw0zjlqvzvf9dSqO

c.ア.営業活動によるキャッシュ・フロー「法人税等の支払額」
 イ.財務活動によるキャッシュ・フロー
 ウ.財務活動によるキャッシュ・フロー
→ http://k.d.combzmail.jp/t/2732/b0nz1lw0zjlqvzvf9dx5V

[前回の解答]
前回の正答はbです。

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5.[編集後記]
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このメルマガもとうとう150回を迎えました!
我ながら良く続いているものですが、最近、特に会計・税務関係の改正の動き
が停滞気味ですので、正直ネタに困っています。IFRSはアメリカのスタンスが
後退してしまいましたので、日本もしばらく大きな動きはなさそうですし、税
務は、消費税は動きましたが、その他の改正は政権が流動的ですからね。どう
なることやら。こういう場合はより理解を深めていただくべく既存の基準など
の勉強的な記事をいれているつもりではありますが、ちょっと煮詰まることが
あります。なにかリクエスト等ございましたら、お伝えください。
もっともっとお役に立ちたいと考えています!使ってください。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)
  ・ディスクロージャー上級実務士  紺 野 良 一
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