◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.16-2010.02.16
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準及び税制の改正、IFRSの強制適用など、上場会社及び上場準備会社
の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これら
のエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に軽くど
うぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、皆様が普段の決算・経理・税務実務のなかで、疑問に思ったことを是非
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP&税務] 資産除去債務の税務
2.[IFRS]有形固定資産の測定(第二回)
3.[最新J-GAAP&IFRS&税務]収益認識
4.[J-SOX]J-SOXと内部監査
5.[編集後記]

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1.[最新J-GAAP&税務]資産除去債務の税務
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資産除去債務の税務にも触れておきます。単純に資産に計上した除去費用の償
却を否認するのかと思っていたのですが、そうではないようです。

【除去費用】
法人税法上、償却資産の取得原価は

1.資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税(関
  税法第2条第1項第4号の2(定義)に規定する附帯税を除く)その他当該資産
  購入のために要した費用

  と

2.当該資産を事業の用に供するために直接要した費用

の額の合計です。

除去費用は上記のいずれにも該当しないので、法人税法上は資産計上が認めら
れないものであります。従って、申告書上、「固定資産過大計上額」等として
減算処理が必要となります。

その後は、ご想像のとおり、減価償却超過額部分を加算することにより、上記
部分が解消されていきます。

【債務】

債務のほうはですね。法的に確定した債務ではありませんので、申告上は「債
務未確定未払費用」として加算処理が必要となります。

このため取得のときは上記の「固定資産過大計上額」と「債務未確定未払費用」
が同額となり、影響はないということになります。

一方で、その後の時の経過に応じた利息費用相当額は「債務未確定未払費用」
の増加額として加算調整されることになります。

これ税効果どうなるのでしょうか。考えてみました。

【検討】
・当初設備取得10,000
・耐用年数5年
・除去費用見積1,000
・割引率3%

●×1年4月1日
 有形固定資産 10,863 / 現金預金 10,000
資産除去債務(*1) 863
 *1 1,000/((1.03)の5乗)=863

●×2年3月31日
 費用(利息費用) 26 / 資産除去債務(*2) 26
 *2 863*0.03=26

 費用(減価償却費)(*3) 2,173 / 減価償却累計額 2,173
 *3 10,000/5+863/5=2,173

税務上、
(別表四)
(加算)
債務未確定未払費用(当初認識分)     863
債務(利息費用分)             26
固定資産過大計上額(減価償却超過額)   173
      計             1,062
(減算)
  固定資産過大計上額(当初認識分) △863

(別表五(一))
 固定資産過大計上額        △690
債務確定未払費用          889

ということになりますね。従って税率を40%とすれば、

固定資産過大計上額相当分
法人税等調整額(*4) 276 / 繰延税金負債 276
*4 690*0.4=276

債務確定未払費用相当分
繰延税金資産(*5) 355 / 法人税等調整額 355
*5 889*0.4=355

なお、繰延税金負債は資産除去債務の計上区分に従い、流動と固定に振り分け
られ、繰延税金資産は当該固定資産と同じく、固定資産に計上されることにな
るはずです。金額のシミュレーションまでは省略しますけど。

ややこしいですね。

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2.[IFRS]有形固定資産の測定(第二回)
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つづきです。IFRSにおける当初認識時の測定は、以下のとおりでした。
——————————————————————-
(ア)値引及び割戻控除後の購入価額(輸入関税及び還付されない取得税を含む)
(イ)当該資産の設置費用、及び経営者が意図した方法で稼働可能にする上で必
要な状態に整えるための直接付随費用
(ウ)当該資産項目の解体及び除去費用、及び敷地の原状回復費用、取得時又は
特定の期間に棚卸資産を精算する以外の目的で当該有形固定資産項目を使
用した結果生ずる債務の当初見積額
——————————————————————-

次は(イ)。
これについても前回と同様、J-GAAPでは正当な理由がある場合には、付随費用
の一部又は全部を加算しない額をもって取得原価とすることができますが、
IFRSではこのような限定はありません。

そして(ウ)。
いわゆる「資産除去債務」なので、2010年4月以降は日本でも導入されている
わけですが、一部異なります。

・割引率は日本では無リスクの税引前の利率ですが、IFRSでは各報告日におけ
 る市場実勢とその負債に特有なリスクを反映したものでなければなりません。

・利息費用は日本では減価償却費と同じ区分ということになりますが、IFRSで
 は支払利息で処理します。

・J-GAAPの敷金の償却に関する規定はIFRSにはありません。どうなるんでしょ
 う?

(つづく)

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3.[最新J-GAAP&IFRS&税務]収益認識
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先週の設例
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【ポイント引当金】
小売業で顧客に永久ポイントを付与し、顧客はそのポイントを商品と引き換え
ることができるというポイント制度を採用している場合があります。この場合
にどのように会計処理を行うべきでしょうか。
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つづきです。今回はポイントの税務についてです。

基本的には、ポイント引当金を計上した場合、基本的には、損金に算入するこ
とはできない(法人税基本通達9-7-2)のですが、

法人が商品券の金品引換券付販売をした場合において、その金品引換券が販売
価額または販売数量に応ずる点数等で表示されており、

かつ、

たとえ1枚の呈示があっても金銭または物品と引き換えることとしているもの
であるとき

は、

1枚または1点について交付する金銭の額×その事業年度において発行した枚
数または点数分の損金算入が認められます(詳細は法人税基本通達9-7-3をご参
照ください。)。

つまり、ある一定のポイントが蓄積されないと景品、商品券等と交換されない
ようなものではなく、即、利用可能なものについては上記の形で損金算入が認
められることがあるということになります。

これは翌期に益金算入されますので洗い替えられることになります。

さて、ポイントはこの辺で終わりにします。
次回はちょっと趣を変えましょう。

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【受取配当金】
受取配当金の計上方法についても、J-GAAPとIFRSでは異なります。どのように
異なるでしょうか。
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(つづく)

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4.[J-SOX]J-SOXと内部監査
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COSOでも日本の内部統制の実施基準でもよいのですが、フレームワークは結構
しっかり出来ています。このフレームワークに従って内部統制が構築されてい
るかどうかを、内部統制の目的とされる四つのすべて(業務の有効性・効率性、
財務報告の信頼性、コンプライアンス、資産の保全)をカバーする内部監査を
行うことができれば、不正発見の可能性は高まると思いますし、事業継続を阻
害するリスク要因に対して適切な対応を図っていくための機会を提供してくれ
るのではないでしょうか。

しかしながらJ-SOXは「財務報告に係る部分」にスポットを当てています。こ
のため、内部監査部門の活動のための時間がJ-SOXにかなり費やされてしまっ
た場合、その他の業務の有効性・効率性、コンプライアンス、資産の保全の部
分に十分にスポットが当たっていない可能性があるのではないでしょうか。

要するにJ-SOXは「財務報告」に偏りすぎている可能性があります。例えば、
返品が正当な承認を経て、受入処理も、経理処理も返品調整引当金も含めて適
切になされていればJ-SOX上は有効なのでしょうけれども、想定した返品率よ
りも多くなってしまっているような場合に何故このような返品が生じてしまっ
ているのかについての反省等の部分に十分なスポットがあたっているのでしょ
うか。

これは全社的統制のモニタリングの部分や情報と伝達の部分が該当するので、
J-SOXでも制度上、カバーされているといえるのではないかと思いますが、実
際の運用では財務報告に偏るあまり、このあたりのフォローに不安が残ります。
財務報告はもちろん重要なのですが、その他の目的も(というより「その他の
目的こそ」)十分に達成していないといけないのではないでしょうか。財務報
告が完ぺきでも事業が継続しなければ意味がありません。当たり前ですが。

僕は、その会社の業務を知り尽くした方に、内部監査を行っていただいて、こ
のような「財務報告」に偏らない勘どころをしっかりと押さえていただくこと
が重要なのではないかと思っています。

会社のOBの方々にご活躍いただいてもよいのではないでしょうか。まだまだ元
気なOBの方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。このような「御隠居」
様にもう一度見ていただいて、「財務報告」以外の部分についてご意見いただ
きながら、さらに現場の改善を図る。こんなことが必要なのではないでしょう
か。

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5.[編集後記]
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最近、「流用」「横領」「粉飾」「着服」等の不正、多いですねえ。やはり景気
低迷の影響もあるのだと思います。未発覚の不正も結構あるのではないでしょ
うか。

・急に生活が派手になったひと
・逆に人と接しようとしないひと
等、いないですか?

あまり面白いことではありませんが、こういうこともたまには気にしないとい
けませんね。

不正のトライアングル。ご存知ですか。「機会」「動機」「正当化」です。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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