◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.73-2011.03.22
      
  ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生してしまいました。
被災者の皆様、また、該当地域に事業所を有する事業者の皆様には、心からお
見舞い申し上げます。
本メルマガでは当面の間、震災に関連する会計・税務情報の伝達に注力したい
と思います。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]税務の取り扱いを理解すれば義援金はもっと出せるかも!
2.[税務]義援金ではなく自社製品を送った場合は?
3.[税務]震災復興支援による税減免
4.[ディスクローズ]震災による有価証券報告書等の提出遅延等
5.[ディスクローズ]日本公認会計士協会も検討中
6.[編集後記]

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1.[税務]税務の取り扱いを理解すれば義援金はもっと出せるかも!
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もう、すでに義援金をお送りになった方も多いのではないでしょうか?

税務上の特典うんぬんではなく、被災者の方々に対する「気持ち」がまずは一
番大切だと思いますが、税務上の取り扱いをしっかり理解すれば、義援金の形
であらわされた「気持ち」をもっと大きく表現できるかもしれません。

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【個人】
個人の方が義援金等を寄附した場合には、その義援金等が「特定寄附金」に該
当するものであれば寄附金控除の対象となります。(所法78)

特定寄附金を支出した場合、

その年中に支出した特定寄附金の額の合計額マイナス2千円の額(寄附金控除)

をその年の所得から控除することが出来ます。この特定寄附金の合計額は所得
金額の40%が限度です。
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所得の40%も義援金を送れる方は少ないでしょうから、限度にひっかかる場合
は考慮外とすると、

「確定申告することにより、義援金として寄附した金額×税率相当額は税金が
減額される」

ということになります。例えば所得が600万円の方の税率は20%ですから、10万
円の義援金を送金すると、寄附金控除により2万円戻ってきます。

特定寄附金に該当するかどうかですが、国又は地方公共団体、日本赤十字社や
「赤い羽根」で知られる中央共同募金会などすでに該当することが明らかな団
体に寄附するのなら確実だと思いますが、それ以外の場合は念のため、最終的
に国又は地方公共団体に拠出されるものなのかどうか、確認したほうが確実で
すね。

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【法人】
法人の場合も同じような取り扱いです。

法人が義援金等を寄附した場合には、その義援金等が「国又は地方公共団体に
対する寄附金」(国等に対する寄附金)、「指定寄附金」に該当するものであ
れば、支出額の全額が損金の額に算入されます。(法法37)
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この「国等に対する寄附金」「指定寄附金」は国、地方公共団体、日本赤十字
社や中央共同募金会が含まれますので、個人の場合と同様です。

つまり、法人の場合も
「確定申告することにより、義援金として寄附した金額×税率相当額は税金が
減額される」

ということになります。

詳しくはこちらをご参照ください。
http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a04r12v08ibjj9tu04

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2.[税務]義援金ではなく自社製品を送った場合は?
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義援金ではなく、自社製品を直接送りたいという場合はどうなんでしょうか?

ちゃんと取り扱いがあります。

法人税基本通達9-4-6の4
法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供
に要する費用の額は、寄附金の額に該当しないものとする。

この他にも阪神大震災の時に作られた通達があります。以下、ご参照ください。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a04r22v08ibjj9tu04

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3.[税務]震災復興支援による税減免
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この他にも、震災復興支援のための税減免措置が多く打ち出されてくるはずで
す。

3月21日の日経新聞によると、政府は以下のような支援策を検討しているよう
です。

(生活支援の緊急対策)
・確定申告や納税期間を延長
・住宅や家財の損失に所得控除を認める

(復旧対策)
・復旧不能なら固定資産税を非課税に
・被災企業に法人税を還付

(復興対策)
・建て替え後に登録免許税など軽減

「特に被災企業に法人税を還付」ですが、3月11日から1年の間に終了する事業
年度に発生する損失について繰り戻し還付が適用されるようです。

つまり3月決算であれば、2011年3月期に今回の震災により損失が発生している
場合に、2010年3月期以前に納めた税金が戻ってくる仕組みが検討されているよ
うです。

詳細はこれからのようですが、注視して有効に活用したいところです。税効果
会計にも影響を与えそうです。

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4.[ディスクローズ] 震災による有価証券報告書等の提出遅延等
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現在、EDINETの入り口に、本震災を踏まえた金融商品取引法上の開示書類の取
り扱いが記載されています。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a04r32v08ibjj9tu04

当該政令による特別措置が適用される会社は、一定期限(平成23年6月30日)ま
で有価証券報告書の提出を行えば、行政上及び刑事上の責任は問われないとい
うものです。

提出直前であったと思われる12月決算の会社さんから、これから提出期限を迎
える会社さんのうち、2月決算の会社さんまでは延長が認められることがある
わけです。一方で、3月決算の期限は通常通りですから、ご注意ください。

又、臨時報告書についても、東北地方太平洋沖地震という不可抗力により臨時
報告書の作成自体が行えない場合には、そのような事情が解消した後、可及的
速やかにご提出いただくことで、遅滞なく提出したものと扱われます。

これを受けて、東京証券取引所は以下のような通知を公表しています。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a04r42v08ibjj9tu04

本震災を踏まえ、各社の実情を考慮して柔軟に対応するというものです。

簡単にまとめると、

・決算発表は、「45日以内」などの時期にとらわれる必要はなく、決算内容が
確定できたところで開示する。

・決算発表が大幅に遅れる場合には、その旨開示する。

・政令による特別措置の適用を受け、有価証券報告書の提出期限の延長が認め
られる場合は、監理銘柄への指定等の措置は、この政令で定める期限を提出期
限とみなして適用されます。

・特別措置の適用を受ける場合は取引所に連絡する。

・本震災により意見不表明等が記載されることとなった場合でも、監理銘柄指
定、上場廃止の措置の対象とならず、開示の対象ともならない。

といったところです。

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5.[ディスクローズ]日本公認会計士協会も検討中
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一方、日本公認会計士協会でも、

地震 及びその後計画停電等により、 会計・監査上の対応について難しい問題
が発生するものと考えており、これらの問題に対する検討も行う予定とのこと
です。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a04r52v08ibjj9tu04

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6.[編集後記]
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年のせいもあると思いますが、毎日、毎日、涙がとまりません。花粉症のせい
でもあるのですが、、、。
9日ぶりの救出劇、次第に明らかになる被災地の被害、避難時の状況、福島第
一原発での自衛隊、東京消防庁の命懸けの活動、復興に向けた力強い支援の声、
等々。
連日の報道をみて、何か、震災前の世界と震災後の世界は全く違ったものにな
るように漠然と感じています。
試練を乗り越え、一致団結する力を強く感じます。この力を、震災前から存在
していた諸問題の解決のためにも利用する位の強さをもってことにあたるべき
だと思います。
言葉は良くないかもしれませんが、「焼け太り」してやろうではありませんか。
僕に出来ることは節電と義援金位かもしれませんが、とにかく、頑張ります。
頑張りましょう!

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a04r62v08ibjj9tu04
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