◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.155-2012.10.16
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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税務専門家として、会社側の視点にたった各種支援を行っています。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]資本連結アタマの体操
2.[時事]オリンパス、公認会計士が指南?
3.[時事]会計士協会会長所感「税理士法に関する改正要望書について」
4.[税務]消費税事業者免税点制度の適用要件について
5.[税務]問題66
6.[編集後記]

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1.[最新J-GAAP]資本連結アタマの体操
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連結修正仕訳って、難しいですよね。なぜ難しいんでしょう。

それは連結財務諸表の作成プロセスに起因します。連結ってどうやって作るん
でしたでしょうか。

本当におおざっぱにいって

個別財務諸表を合算する
連結修正仕訳をいれる

というプロセスをたどりますよね。このときに入れる連結修正仕訳ってどうや
ってつくりますか?

「連結だったらこうならなければいけないはず」というあるべき姿をイメー
ジして、「そうなるように個別財務諸表の合計を修正するような仕訳を生み
出す」、ということですよね。

この連結修正仕訳をいきなりイメージしようとするから難しいんですよね。

僕は、まず、「連結だったらどうなるか」を整理して、それと個別との差を考
えるようにしています。

ここでのコツとしては、

「直接的に連結財務諸表を思いうかべる」

ということかな、と思っています。

例えば、

“連結子会社の株式を一部売却して持分比率が80%(連結)から60%(連結)になっ
た場合”

「連結財務諸表における資本連結に関する実務指針」の設例5では、以下のよ
うな説明をしています。
______________________________________________________________________
(前提)
P社はS社株式の20%(簿価300)をX4/3/31に360で売却し、株式売却益60を計
上した。売却後の持ち分比率は60%(簿価900)である。

→ですから、個別での持分売却仕訳は、
現金預金 360 / S社株式 300
         株式売却益 60
ということになります。

このときの売却前の少数株主持分は売却前(すなわち20%相当)で300、のれんの
未償却残高は80であった。

(説明)
S社のX4年3月期の修正後貸借対照表に基づき、P社のS社株式(一部売却簿価)
と売却した株式に対応するS社の資本及びのれん未償却額の合計額とを相殺消
去し、当該差額を株式売却益から控除する。

S社株式300 / 少数株主持分 300
株式売却益20/ のれん 20
______________________________________________________________________
わかります?

僕はいきなりここにいかないで、「連結だったらどうなるのか」、をまず整理
するようにしています。

連結財務諸表、特に連結貸借対照表をイメージしましょう。

S社株式の一部売却の前には少数株主持分は20%相当額の300だけ計上されてい
る状態です。

ここで、連結子会社の持分を売却したときのルールを抑えておきたいのですが、

一部売却で連結にとどまるのであれば、
(借方)
キャッシュ↑
のれん↓

(貸方)
少数株主持分↑

となるはずです。S社株式は登場しませんし、S社の資産負債は一切動きません。

つまり、

「個別」では、「子会社株式を売却してキャッシュを受け取った」と考えるわ
けですが、

「連結」では、連結にとどまるのであれば、
「親会社持分(少数株主持分の裏返し)を売却してキャッシュを受け取った」と
考えるわけです。

ここで「親会社持分」は「S社純資産-少数株主持分+のれん」と定義され、

「親会社持分を売却する」といったときには、
「S社純資産」は不変で、「売却相当分の少数株主持分が増え」かつ「売却相当
分ののれんが減る」

ということになるわけです。

で、
「売却相当分の少数株主持分」は20%ですから、300ですよね。
「売却相当分ののれん」は20です。これは80×20%/80%で出します。

ですから、連結上のあるべき仕訳は

現金預金 360 / 少数株主持分 300
      / のれん     20
       / 株式売却益  40

ということになります。これと前述の

現金預金 360 / S社株式 300
        株式売却益 60

との差をとりましょう。

S社株式300 / 少数株主持分 300
株式売却益20/ のれん 20

となりますよね。このように連結での仕訳を直接イメージすることは、経理マ
ンにとって大事なことだと思います。連結修正仕訳の型を覚えるというのは、
試験対策としてはいいかもしれませんが、連結財務諸表がどう動くかイメージ
しづらいように思います。ある事象が生じたときに連結ではどうなるのか、個
別ではどうなるのか、思い描くようにしましょう。

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2.[時事]オリンパス、公認会計士が指南?
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また会計士が悪さしてたんでしょうか?

オリンパス事件で、第三者委員会の調査報告書にもあがらなかった公認会計士
が不正隠ぺいに知恵をつけていたのではないか?という記事が出ていますね。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121012/biz12101209310004-n2.htm

どこまで本当かわかりませんが、本当なら倫理規定違反がないかどうか、きち
んとした調査が必要だと思います。

これ以上、公認会計士の信用を失墜させるような行為は出てこないでほしいも
のです。

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3.[時事] 会計士協会会長所感「税理士法に関する改正要望書について」
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例の能力担保措置について、会計士協会の反論です。
http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/jicpa_pr/news/files/kaicho-shokan-20121011.pdf
紹介だけにとどめます。

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4.[税務] 消費税事業者免税点制度の適用要件について
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個人的に少し意識が足りなかったかなと思ったので書いておきます。

消費税の事業者免税点制度の適用要件が見直されましたよね。

当課税期間の前年の1月1日(法人の場合は前事業年度開始の日)から6か月間の
課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間において課税事業者となり
ます。

ここで、僕が意識が足りなかったかなと思ったのは、
「課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる」
ということです。

これは、平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度から適用されます。

例えば12月決算(資本金1千万円未満とします)で、平成23年度の課税売上が
900万円だった場合、従来であれば、平成25年度は免税事業者だったのですが、
今後は必ずしもそうではありません。

では、平成24年の1月から6月の期間において課税売上高が1,000万円を超え
た場合はどうなるか、この場合でも、これだけで平成25年度が課税事業者に
なるとは限りません。給与等支払額により判定することができるからです。
給与等支払額で1,000万円を超えていなければ給与等支払額により免税事業者
と判定することができるわけです。

ご確認ください。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/h23kaisei.pdf

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5.[税務]問題66
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[問66]
以下のうち、本当にあつた税の組み合わせはどれ?
ア.ソフトクリーム税
イ.ソフトドリンク税
ウ.カエル税
エ.ムカデ税
オ.ひげ税
カ.まゆげ税

[答]
a.ア、エ、カ
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.イ、エ、オ
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.イ、ウ、オ
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はbです。

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6.[編集後記]
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私が監査法人を出てからもう7年経とうとしています。この間、監査人ではな
い会計士税理士はもっともっと企業様のお役に立てる!と信じて、決算開示実
務の支援をしたり、CFOや経営企画のご相談に応じたり、任意的に監査を行っ
たり、経理部門の勉強会を行ったりしてきており(詳細は以下ご覧ください)、

http://www.expertslink.jp/managementsupport/

徐々に拡大してきていると思いますが、もっともっと皆様のお役に立てる局面
は多いのではないかと感じています。
監査人ではない会計士税理士であれば、企業様にとって以下のような利点があ
るように思います。
・セカンドオピニオンが聞ける
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・監査法人に話す前に相談できる
・気軽になんでも相談できる
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・会計、内部統制だけでなく、税金も相談できる
「エキスパーツでこんなことできないかなあ」とかいうことがありましたら、
ぜひ、
info@expertslink.jp
までお願いします。皆様のご意見ご要望お聞かせください。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)
  ・ディスクロージャー上級実務士  紺 野 良 一
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