◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.181-2013.04.23
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

********************************************************************
【上場会社・上場準備会社グループ経営支援】
エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人は「監査人ではない」会計・
税務専門家として、会社側の視点にたった各種支援を行っています。

◎監査人ではない会計・税務専門家に相談したい等
→経営企画・CFO支援
http://www.expertslink.jp/managementsupport/advice/

◎決算・開示・税務業務の一部を専門家に外注したい等
→決算・開示サポート
http://www.expertslink.jp/managementsupport/finalaccounts/

◎担当者の実力の底上げを図りたい等
→社内勉強会・研修会
http://www.expertslink.jp/managementsupport/study/

◎問題の多い子会社を監査して適切な財務諸表を作り上げて欲しい等
→任意監査
http://www.expertslink.jp/managementsupport/audit/

◎税務顧問の変更をお考えなら
→エキスパーツ税理士法人
http://expertslink-tax.jp/

ご意見、ご質問はこちらまで
info@expertslink.jp

********************************************************************

********************************************************************
【まずは6か月限定ミニマムアドバイザリー契約で】
いきなり、上記契約はちょっとという場合、まずは、紺野等公認会計士税理
士がご挨拶にうかがいまして、最長6か月間は月1万円(税別)のミニマムア
ドバイザリー契約でご質問、ご相談に対応させていただきます。その後、上
記のご契約をご検討いただける場合は、その時点でお見積り差し上げます。
もちろん、その時点で終了いただいても構いません。
ぜひご検討を!
info@expertslink.jp
********************************************************************

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[NEWS]不適切な会計・経理を開示した上場企業
2.[税務]役員賞与
3.[税務]神奈川県の臨時特例企業税は返還されますよ!
4.[税務]問題93
5.[編集後記]

===================================
1.[NEWS]不適切な会計・経理を開示した上場企業
===================================
東京商工リサーチは2012年度(2012年4月~2013年3月)に不適切な会計・経
理を開示した上場企業の調査の結果を発表しました。

http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=335517&lindID=5

「2012年度(2012年4月~2013年3月)に「不適切な会計・
経理」で過年度決算に影響が出た、あるいは今後影響が出る可能性を開示した
上場企業は26社だった。2011年度(32社)より6社減少したが、過
去5年間では3番目に多かった。「不適切な会計・経理」は、会計監査人な
どの審査がより厳格化し、財務や会計を厳しく見直す動きが強まり減少したと
みられる。だが、前年度はゼロだった海外子会社や海外事業での不適切会計が
5社発生。目が届きにくい海外子会社での内部管理体制の不徹底が顕在化した
格好となった。」

とのことです。海外進出する企業が増える中で海外子会社の内部管理体制が十
分でないケースが増えているようです。

海外子会社の運営にあたっては、
・十分なコミュニケーションが図られているでしょうか?
・特定の担当者に権限が集中していないでしょうか?
・内部監査など独立の立場からの牽制がかかる仕組みがあるでしょうか?

担当者が変わった途端に過去の異常点が噴出するなんて話、よくあります。気
になる会社がある場合、内部監査等ご検討されてはいかがでしょうか。もちろ
ん、私どもでも対応をさせていただきます。

===================================
2.[税務]役員賞与
===================================
いかにして役員賞与を損金算入するか。
皆さん、ご存じのとおり、役員賞与は、原則として、届け出期限までに届け出
をして支給する場合に、損金算入が認められます。
この届け出期限は、基本的に次のイ又はロのうちいずれか早い日です。

イ 株主総会、社員総会又はこれらに準ずるものの決議によりその定めをし
た場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開
始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
ロ その会計期間開始の日から4か月を経過する日

しかし、賞与はそもそも業績にみあって決定されるものですから、事前に正確
に予測しろといわれてもなかなか出来ないですよね。それでは、完全にこの届
け出に従って支払わないと損金算入できないのか?少しは柔軟な取り扱いはな
いのか?これについては、次のような取り扱いがありますので、アタマに入れ
ておきましょう。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/11/16.htm

このケースでは、以下のような説例が使われています。
「当社(年1回3月決算の同族会社)では、X年6月26日の定時株主総会において、
取締役Aに対して、定期同額給与のほかに、同年12月25日及びX+1年6月
25日にそれぞれ300万円を支給する旨の定めを決議し、届出期限までに所轄
税務署長へ届け出ました。この定めに従い、当社は、X年12月25日には300万
円を支給しましたが、X+1年6月25日には、資金繰りの都合がつかなくなった
ため、50万円しか支給しませんでした。」

この場合、
「X年12月25日に届出どおり支給した役員給与については、損金の額に算入し
て差し支えありません。」
とされています。つまり12月分はOKなわけです。

一方で、「3月決算法人が、X年6月26日からX+1年6月25日までを職務執行期
間とする役員に対し、X年12月及びX+1年6月にそれぞれ200万円の給与を支
給することを定め、所轄税務署長に届け出た場合において、X年12月には100
万円しか支給せず、X+1年6月には満額の200万円を支給したときは、その職
務執行期間に係る支給の全てが定めどおりに行われたとはいえないため、そ
の支給額の全額(300万円)が事前確定届出給与には該当せず、損金不算入とな
ります。」ですよね。

ですから、このケースでは、とにかく12月は満額払っといたほうがいいとい
うことですね。後者のような払い方をしてしまうと丸損です。

この前者のケースは参考になるのではないでしょうか。賞与の額を業績に連
動させているケースで、事前に正確には決められないにしてもある程度は予
測できるというような場合、届け出をしないよりは、このような届け出をし
ておけば、少なくとも12月の賞与は損金算入されるわけですから、全額否認
されるよりはマシですよね。全額自己否認していた会社さんもご検討されて
はいかがでしょうか。

===================================
3.[税務]神奈川県の臨時特例企業税は返還されますよ!
===================================
最高裁判所は、3月21日、神奈川県が定めた臨時特例企業税条例は、地方税法
に違反し、違法・無効だとする判決を下しています。

これは、平成21年3月31日以前に終了する事業年度分までについて適用され
ていたものですが、欠損金の繰越控除を適用した事業年度が対象となっていま
した。ただし、事業年度終了の日の資本金の額または出資金の額が5億円未満
の事業年度および清算中の事業年度を除きます。

臨時特例企業税の概要はこちら
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/kenzei/p13811.html

なぜ、違法・無効とされたかというと、課税事業年度において、法人の事業税
の課税標準である所得の金額の計算上、基本的に、繰越控除欠損金額を損金の
額に算入しないものとして計算した場合の所得の金額に相当する金額を課税標
準としていたため、欠損金の繰越控除を実質的に一部排除する効果を生じる内
容のもので、法人事業税に関する地方税の強行規定と矛盾抵触することから、
地方税法に違反するとされたためです。

まるで今の繰越欠損金の利用制限と同じような形だったわけですね。国がやる
ならいいけど、地方ではだめですよということなんでしょうね。

というわけで、これを納めていた神奈川県の約1,700社の皆さんにはこれが返
還されるわけです。

これに係る法人税の取扱を確認しておきましょう。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f470039/

1 返還納付済額の取扱い
(1) 税額
税額の返還金は、その納付した事業年度における所得の金額の計算上、損金の
額に算入されているため、益金の額に算入します。

(2) 延滞金及び加算金
延滞金、過少申告加算金及び不申告加算金の返還金は、その納付した事業年度
の所得の金額の計算上、損金の額に算入されていないため、益金の額に算入し
ません。

2 納付済額に加算する額の取扱い
還付加算金に相当する額であるため、益金の額に算入します。
なお、この金額は、経済的な性質が利子に準ずるものであるため、法人事業税付
加価値割の純支払利子の算定上、受取利子に含めます。

3 収益計上の時期
返還金等(上記1(1)及び2)は、その返還の確定した日の属する事業年度の益
金の額に算入します。
(注)上記の「返還の確定した日」とは、通常「入金のあった日」をいいます。
なお、企業の判断により、本県から平成25年3月25日付けで送付した「臨時
特例企業税返還のお知らせ」が到達した日とすることも差し支えありません。

というわけです。基本的に事業税の取扱と同様です。

これ、平成25年3月25日付でお知らせが発送されているため、3月中には皆様のと
ころに届いていますよね。恐らく。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/130402/kng13040219010004-n1.htm

↑この記事によると、この税額は約480億円、還付加算金は約150億円とのことで
す。いすゞさんなどには早々に返還したようですね。

しかし、これ、裁判でも「国税や法定地方税が広く課税対象を押さえているため、
矛盾抵触を避けて法定外税を創設することは大変困難な実情にある」とのコメン
トがあったようですが、東京の金融機関向けの外形標準課税といい、自治体が独
自に課税を定めるのは大変困難といえますね。

とにかくこの還付加算金はどうしてくれるんでしょうか?どうにもならないんで
しょうね。まったく県民にしてみれば一体何だったんだという話ですよね。

さて、3月決算の場合、3月末までに還付されている場合もあるでしょうけれども、
未収の場合もあるのではないでしょうか?その場合、

「還付されることが確定しているもの及び還付額を合理的に見積もることが可能
な還付税額のうち未収額については、重要性が乏しいと認められる場合を除き、
「未収還付法人税等」等、その内容を示す適当な科目で表示する。」
とされています(諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い2(1))
ので、重要な場合は未収計上すべきだと思います。

また、PL上は、「過去の誤謬に起因するものでない場合には、損益計算書上、
「法人税、住民税及び事業税」の次にその内容を示す名称を付した科目をもって
記載する」(諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い2(1))という
ことになると思います。

神奈川県に事業所のある対象企業の皆さんはご確認くださいませ。

===================================
4.[税務]問題93
===================================
[問93]
給料(毎月支給)と賞与(計算期間は6か月、年二回支給)につき、その計算期間
の中途で海外勤務者として出国し、居住者から非居住者になった者に対して、
その非居住者となった日以後に支給期の到来するものを支払う場合、正しいも
のはどれ?

[答]

a.給料、賞与いずれも日数按分により、国内勤務分と海外勤務分に区分し、国
内勤務分については我が国において課税する必要がある。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.給料、賞与いずれも区分の必要はなく、我が国において課税する必要はない。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.給料は区分の必要はなく、我が国において課税する必要はない。賞与は日数
按分により、国内勤務分と海外勤務分に区分し、国内勤務分については我が
国において課税する必要がある。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はcです。

===================================
5.[編集後記]
===================================
税金の課税標準には基本的に人々の「妬み」が現れているという話を聞いたこ
とがあります。確かに、多くの利益を上げていたり、高価なものを購入したり
している人には我々はそれぞれ少しずつ「妬み」の気持ちを持つでしょう。こ
の気持に報いているのが税金なのでしょうね。
スターバックスコーヒーがスイスやオランダの関連法人を利用することで英国
での所得を圧縮し、法人税を軽減していることにキャメロン首相が怒っていま
す。
http://diamond.jp/articles/-/34503

この件は違法ということではないにしても、道徳良心を欠いているとして欧米
で批判が高まっているようです。アマゾンやグーグルなどもたたかれています。
このあたりは難しい問題ですね。タックス・プランニングによる節税は我々税
理士のなかでは、腕の見せ所というところでもあり、これが否定されると我々
もつらいなという感じがありますが、一方で、確かにスターバックスのような
巨大企業が約4500億円の売上に対し約12億円(媒体によって数値が違うような
感じもありますのでご注意ください)の税金しか払っていないということです
と、「妬み」の感情は起きるでしょうね。表面的に法を守って、自分さえよけ
ればいいのか?といったところでしょうか。

info@expertslink.jp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
 →決算・開示サポート、内部統制、会計に強い税理士をお求めならこちら
*E-mail: <info@expertslink.jp>
 転送はご自由に!
*解除はこちらから
 → http://www.expertslink.jp/mailmagazine/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~