◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.188-2013.06.11
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]未払賞与について再考
2.[IFRS&最新J-GAAP]今後の我が国の企業会計制度に関する基本的考え方
3.[税務]またもや設備投資減税!
4.[税務]消費税経過措置Q&A
5.[税務]問題100
6.[編集後記]

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1.[税務]未払賞与について再考
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従業員の賞与についてなのですが、決算期末日後、一か月以内に支払った賞与
について、

イ.支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通
知していること
ロ.イの通知をした金額を通知をした全ての使用人に対し通知をした日の属す
る事業年度終了の日の翌日から一月以内に支払っていること

という要件を満たせば、損金算入できる、と考えていると、ちょっと完全では
ないんですよね。

法人税基本通達に以下のようなものがあります。

9-2-43 法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとして
いる場合のその支給額の通知は、令第72条の3第2号イの支給額の通知には
該当しないことに留意する。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_08.htm

法人税法施行令第72条の3第2号イを確認しておきましょう。長いので引用
はしませんが、こちらご参照ください。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40SE097.html#1002000000001000000001000000002000000010000000000000000000000000000000000000000

この取り扱いなのですが、「法人税基本通達逐条解説」より引用しますけど、
以下のようになっています。

「したがって、同条(法人税法施行令第72条の3、筆者挿入)第2号に規定す
るいわゆる決算賞与のような賞与についても、実際に賞与を支払ったものと同
視しうるような状態にあることが求められているところであり、」

「使用人に支給額の通知を行ったとしても支給日までに退職した者に対して
は賞与を支給しなかったケースはもちろんのこと、結果的に退職者がいなかっ
たため通知した金額を全額支給したケースについても、当該通知した支給額に
ついて退職した場合には賞与を支給しないこととしていたときには、当該未払
賞与について損金の額に算入することはできないのである。」

全額支給したケースもダメなんてねえ。そこまで言わなくても、、、。と思って
しまいますけど。

全額支給しなかった場合は、支給しなかった分だけ否認してくれればいいじゃ
ん、なんて思ってないですか。
また、引用しますけど、

「なお、実際に退職者がいたため賞与を支給しなかったケースは、同号ロに規
定する「・・・通知をしたすべての使用人に対し・・・1月以内に支払ってい
ること。」という要件を満たさないことになるから、支給した賞与の金額だけ
でなく、賞与総額全体について未払計上による損金算入は認められない」

ので、ご注意ください。

賞与の規程等、このようになっていないでしょうか。ご確認ください。

このような取り扱いがない場合で、損金算入されている場合は、各使用人から
通知を受けた確認印をもらう等の措置をしておくべきでしょうね。手間ですね。
どうしても損金算入したいなら、もう、決算期中に払っちゃいましょう!そう
簡単にいかないですよね。普通。

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2.[IFRS&最新J-GAAP]今後の我が国の企業会計制度に関する基本的考え方
===================================
経団連では、2013年6月10日、今後の我が国の企業会計制度に関する基本的
考え方という文書を公表しています。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/056.html

詳細は本文にあたっていただきたいのですが、「4.今後の対応」につき、軽
くご紹介します。

**********************************************************************
4.今後の対応
(1)日本基準の品質維持・工場に向けた取組み
(2)IASBとの関係強化
(3)任意適用の継続と円滑な拡大
 1.基準適用に係る現行の枠組みの維持
 2.任意適用の円滑な拡大に向けた施策
(4)IFRSの受入れ手続の明確化
(5)金融商品取引法開示の連結ベースへの一本化
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ですね。さらにいくつか細かくみてみます。

(3)任意適用の継続と円滑な拡大
 2.任意適用の円滑な拡大に向けた施策
  ・ASBJによる機動的な国内指針の作成
「日本基準の会計実務で、IFRSでも適用可能である部分を明確化するな
どの国内指針が必要である。ASBJが主体となって、IFRS適用に係る国内
指針を作成すべきである」
  ・IFRS適用に向けた監査法人の協力
「これまでの実務をゼロベースで改めなければならないといった誤解が生
じ、IFRS適用の障害となっている。」
「監査法人においては、」「低コストで効率的なIFRSの適用に向けた柔軟
な対応を行うなど最大限の協力を要請したい」
  ・IFRS適用実務の共有化
「各社の適用事例を参考事例集としてとりまとめている。」
IFRS 任意適用に関する実務対応参考事例はこちら
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/057.pdf
  ・IFRS適用要件の緩和等

(4)IFRSの受入れ手続の明確化
「ASBJを中核とし、開示を含めた基準の内容を精査の上、市場関係者による議
論を経たうえで、基準ごとに受入れの可否を判断するといった仕組みが必要
 である。」

大変参考になる意見だと思います。エンドースメントについても言及していま
すね。個人的にはこの点については今一つ理解しきれないのですが。

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3.[税務]またもや設備投資減税!
===================================
安部総理も大変ですよね。かなりの疲労がたまっているのではないでしょうか。

首相は7日、日本経済新聞のインタビューで、企業の生産設備の更新や事業再
編を促す投資減税を実施する方針を表明しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXDASFS0703V_X00C13A6MM8000/

皆様ご存じのように、すでに

生産等設備投資促進税制が、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの
間に開始する各事業年度に適用されています。
また、
環境関連投資促進税制も、適用されています。
また、
中小企業には、商業等活性化税制も適用されています。
これらは、こちらをご参照ください。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei13/03.htm#02

安部総理によると
「企業の活力を引き出す狙いで、具体案を今秋に決める。」

とのことで、更なる減税策は歓迎すべきことかもしれませんが、適用する側か
らすると、今期投資しようと思っていたものを来期にまわしたほうが得かもし
れない、などと考えないでしょうか。あまり小出しにせずにドカンと一発のほ
うがよいと思うのですが、それとも、重複しない分野なのでしょうか。

経団連の米倉会長も「投資減税だけでは設備投資は動かない。成長戦略が工程
表に沿って着実に実現することが必要だ」とおっしゃっているようです。

しかし、経済のために政治ができることって基本的に公共投資か税制になりま
すからね。安部総理も大変です。それはわかります。

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4.[税務]消費税経過措置Q&A
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国税庁から、平成25年3月25日、「平成26年4月1日以後に行われる資産の
譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈
通達)」のQ&Aが出されています。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/2191.pdf

引き続きご紹介します。かいつまんで記載しますので、実際の適用にあたって
は上記本文を参照してください。

(問20)
工事の請負等に関する税率等の経過措置の適用を受けようとする場合、当該工
事については、施行日前までに着手しなければならないのですか。

【答】
指定日の前日までに工事の請負契約を締結したものであれば、施行日前に着手
するかどうか、また、その契約に係る対価の全部又は一部を収受しているかど
うかにかかわらず、この経過措置が適用される。

(問21)
受注した建設工事の全部を下請会社に発注し、当社が受注した建設工事につい
て、経過措置が適用される場合、下請工事についても、この経過措置が適用さ
れますか。

【答】
その契約の締結時期や工事内容が、この経過措置の適用要件を満たす場合には、
経過措置が適用される。

(問20)などは意外ではないでしょうか。このQ&Aあなどれないと思います。関
係しそうなところは目を通しておくことをおすすめします。

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5.[税務]問題100
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[問100]
役員報酬を損金算入するためには、基本的に定期同額でなければなりませんが、
いわゆる臨時改訂事由に該当する場合は定期同額給与とされる定期給与の額の
改訂として取り扱われます。次のうち、臨時改訂事由にあたらないものはどれ?

[答]

a.社長が任期途中で退任したことに伴い副社長が社長に就任する場合
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.会社やその役員が不祥事等を起こした場合に役員給与の額を一定期間減額す
る場合
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.一時的に資金繰りが厳しくなったことから役員給与の額を一定期間減額する
場合
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はcです。

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6.[編集後記]
===================================
DJポリス。良かったですよね。あの語り口はいいなと思いました。ネットで拾
ってきましたが、
「この良き日に、お巡りさんも怒りたくはありません。
日本代表のユニホームを着ている皆さんは、12番目の選手です。
日本代表はルールとマナーを守ることで知られています。
そういう行動はイエローカードです。
怖い顔をしたお巡りさんも心の中ではW杯出場を喜んでいます。」
こんな感じ。いいですよね。何がよかったんでしょうね。
まず、規制される側と同じ目線に立っていると感じさせている部分ではないで
しょうか。規制される側も分かっていて、騒ぎすぎてはいけないなという気持
ちはみんなどこかに持っているんですよね。それをアタマごなしに「静かにし
なさい!」なんて言われたら、イヤですもんね。そもそも聞きたくもない。こ
の共感があって、でも、やっぱり、いけないことはいけないんだよ。と言われ
るのと、「お前らは敵だ。」みたいな雰囲気で言われるのとでは、全然違いま
すよね。私たちの仕事にも通じる部分もあるように思いました。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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