◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.243-2014.07.09
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

********************************************************************
【上場会社・上場準備会社グループ経営支援】
エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人は「監査人ではない」会計・
税務専門家として、会社側の視点にたった各種支援を行っています。

◎監査人ではない会計・税務専門家に相談したい等
→経営企画・CFO支援
http://www.expertslink.jp/managementsupport/advice/

◎決算・開示・税務業務の一部を専門家に外注したい等
→決算・開示サポート
http://www.expertslink.jp/managementsupport/finalaccounts/

◎担当者の実力の底上げを図りたい等
→社内勉強会・研修会
http://www.expertslink.jp/managementsupport/study/

◎問題の多い子会社を監査して適切な財務諸表を作り上げて欲しい等
→任意監査
http://www.expertslink.jp/managementsupport/audit/

◎税務顧問の変更をお考えなら
→エキスパーツ税理士法人
http://expertslink-tax.jp/

ご意見、ご質問はこちらまで
info@expertslink.jp

********************************************************************

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]生産性向上設備投資促進税制のQ&A
2.[税務]法人税の改革について
3.[税務]国境を越えたネット役務提供の消費税課税の制度案了承
4.[税務]問題154
5.[編集後記]

===================================
1.[税務]生産性向上設備投資促進税制のQ&A
===================================
経済産業省は2014年7月1日、生産性向上設備投資促進税制に係るQ&Aを公
表しています。
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo/q_and_a.pdf

結構、対象広いと思いますので、是非検討してみてください。いくつか、目に
付いたものを記載しておきます。

(A-3)
輸入した設備(海外メーカー製)の扱いはどのように考えればよいか

(答)
最新モデルであること、生産性向上の要件を満たしていることについて、それ
を適切に説明する仕様書等があれば、輸入品も対象になります。

(A-12)
自社製作したものは、産業競争力強化法上の生産性向上設備等に該当しないの
か?

(答)
該当します。最新モデル要件は~(中略)~この趣旨は、導入する設備が、最新
モデルであること、旧モデルと比較をして生産性向上が図られていることを確
認するためのものであり、その趣旨から、自社製作した設備も対象になると考
えられます。その場合、販売開始日を製作を開始した日と読み替えていただく
ことになります。

(B-13)
一連の設備投資において、すでに一部の投資が完了している場合申請すること
は可能か

(答)
完了した投資分を除いて、設備投資の効果を適切に算定できる場合は可能です。

(B-14)
設備稼働後、計画した投資利益率を達成できなかった場合、税制措置の取戻し
は行われるのか。

(答)
いいえ。税制措置の取戻し等の規定はありません。

達成できなくてもいいんですね、、、。少しでも可能性があれば、適用可能性
は検討してみてください。

===================================
2.[税務]法人税の改革について
===================================
政府税制調査会は、6月27日の総会で、「法人税の改革について」を決定し
ています。

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2014/__icsFiles/afieldfile/2014/06/27/26zen10kai7..pdf

法人税改革の趣旨は大きく、以下の二点です。
(1)立地競争力を高め、わが国企業の競争力を強化するため
(2)法人税の負担構造を改革する

(1)は諸外国が行っているような税率引き下げを日本も行わざるを得ないとい
うことですね。

(2)は税率を引き下げて課税ベースを拡大することで「広く薄く」課税する方
向へ持っていくということです。

税率下がっても課税ベースが拡大されたら意味ないのでは?と考えるのが普通
かと思いますが、政府税調の考えは、「税率を引き下げることで、法人課税を
“広く薄く”負担を求める構造にすることにより、利益を上げている企業の再
投資余力を増大させるとともに、収益力改善に向けた企業の取組みを後押しす
るという成長志向の構造に変革していく」ということです。

このことが、「新しい産業や新規開業が行われやすい環境を作ることになる」
というのです。企業の新陳代謝をうながすということですが、そうなんでしょ
うか?

この流れで、

「租税特別措置租税特別措置は、一度創設されると長期にわたって存続すると
いう問題点があるため、その必要性や効果を常にゼロベースで検証していく必
要がある。」ときます。新陳代謝を阻害しないようにということですね。

また、やや唐突感がありながら、「地方法人課税の見直しは法人税改革の重要
な柱である」ときて、外形標準の見直しに言及されています。

具体的な改革事項は多岐に及びます。

a.租税特別措置
b.欠損金の繰越控除制度
c.受取配当等の益金不算入制度
d.減価償却制度
e.地方税の損金算入
f.中小法人課税
g.公益法人課税
h.地方法人課税

うち、主だったところを書いておきます。

a.租税特別措置の見直しは、
基準1:期限の定めのある政策税制は、原則、期限到来時に廃止する。
基準2:期限の定めのない政策税制は、期限を設定するとともに、対象の重点化
などの見直しを行う。
基準3:利用実態が特定の企業に集中している政策税制や、適用者数が極端に少
ない税制は、廃止を含めた抜本的な見直しを行う。

既得権を奪われる企業は大変です。

d.減価償却制度は、
定率法を廃止し、定額法に一本化すべきである。

本当にそうなんですね。

f.中小法人課税は、
中小法人の範囲について、資本金基準が妥当であるか見直すべき。
軽減税率について、所得金額のうち800万円以下の金額に適用される法人税に
よる19%への軽減税率は厳しく見直す必要がある。

「厳しく」見直すんですね。

h.地方法人課税は、
法人事業税における付加価値割の拡大、対象法人の拡大を行うべきである。そ
の際は、創業会社や中小法人への配慮などを検討すべきである。
法人住民税均等割の増額について、新たな指標の作成や区分の再検討を含めて
検討すべきである。

今の国会情勢からみて、これらはいずれ成立するものと思われます。かなり影
響は出ると思いますので、検討に早期に着手すべきと思います。

===================================
3.[税務]国境を越えたネット役務提供の消費税課税の制度案了承
===================================
同じく6月27日の政府税制調査会で、財務省が示した国境を越えた役務の提
供に対する消費税課税の制度案を了承しています。

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2014/26zen10kai.html

このなかでは、
(1)内外判定基準の見直し
(2)課税方式の見直し
がなされています。

(1)は国外事業者(国内に住所又は居所を有しない個人事業者、国内に本店又
は主たる事務所を有しない法人をいう。以下同じ。)が行う役務の提供のうち
国内外に亘る役務の提供など、その役務の提供が行われた場所が明らかでない
もの(国際運輸・国際通信等の一定の取引を除く。以下「国内外に亘る役務の
提供等」という。)については、現行「役務の提供を行う者の事務所等の所在
地」となっている内外判定基準を、「役務の提供を受ける者の住所・居所又は
本店
・主たる事務所の所在地」に変更する。

ということです。国内向けに提供されているものは課税対象ということですね。

(2)では事業者向け取引(B to B)については「リバースチャージ方式」、消費
者向け取引(B to C)については「国外事業者申告納税方式」ということになり
ます。

詳細はまた今度記載しますが、国外事業者に申告納税させるというのが上手く
いくんですかね。

===================================
4.[税務]問題154
===================================
[問154]
国の租税収入のうち、最も多いのはどれでしょう?

a.所得税
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.消費税
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.法人税
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[答]
[前回の解答]
前回の正答はb。

===================================
5.[編集後記]
===================================
今日の記事は今後の大きな改正につながるものですので、是非2.3.は目を
通してください。
台風スゴイみたいですね。「第2室戸」「伊勢湾」台風並みとのこと。
「第2室戸」は、1961年(昭和36年)9月16日、室戸岬に上陸し、大阪湾岸
に大きな被害を出したそうで、死者194 名、行方不明者8 名、負傷者4,972
名、住家全壊: 15,238 棟、住家半壊: 46,663 棟、床上浸水: 123,103 棟、
床下浸水: 261,017 棟と恐ろしいかぎりです。
「伊勢湾」も、1959年(昭和34年)9月26日に潮岬に上陸し、紀伊半島から
東海地方を中心とし、ほぼ全国にわたって甚大な被害を及ぼした台風です。
犠牲者5,098人(死者4,697人・行方不明者401人)、全壊家屋36,135棟・半壊
家屋113,052棟、流失家屋4,703棟、床上浸水157,858棟、船舶被害13,759隻と
のこと。
これらの時代とは事情が大きく異なるのでしょうけれども、心配です。うちの
娘は、今日から軽井沢に移動教室だそうで、台風がこちらに到達する前ですか
ら、大丈夫そうですが、逆にそれだけスピードが遅いということなんでしょう
から、沖縄や九州では被害が最小限で済むよう祈るばかりです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
 →決算・開示サポート、内部統制、会計に強い税理士をお求めならこちら
*E-mail: <info@expertslink.jp>
 転送はご自由に!
*解除はこちらから
 →http://expertslink-tax.jp/mailmagazine/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~