◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.30-2010.05.25
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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本メルマガでは、より皆様のお役に立てる情報を配信したいと考えております
ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
かのご回答差し上げます。
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会社といえども対応は困難です。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[J-SOX]内部統制報告制度の見直し
2.[IFRS]減損(第2回)
3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
4.[編集後記]

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1.[J-SOX]内部統制報告制度の見直し
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早いもので、J-SOXも導入三年目を迎えました。金融庁の企業会計審議会では内
部統制報告制度の見直しが行われています。

この見直しの内容は、以下の四つに分けられています。
(1)中堅・中小上場企業に対する簡素化・明確化
(2)制度導入2年目以降可能となる簡素化・明確化
(3)その他の明確化
(4)「重要な欠陥」の用語の見直し

(1)中堅・中小上場企業の場合に、内部統制の記録として利用できる社内作成
文書としては、メモや引き継ぎ書等で足り、よりフォーマルな文書は不要であ
ることを例示

(2)内部統制の評価対象範囲について、前年度の評価の状況が良好であった場
合、評価対象範囲のさらなる絞り込みを可能とする。

(3)重要な欠陥の判断指標の事例の追加(税前の5%だけではなくする)

(4)「重要な欠陥」の用語は企業自体に「欠陥」があるとの誤解を招く恐れが
ある。

とされています。僕もいずれも賛成であります。ただ、実効ある内部統制が構
築できているのであれば、です。
ここ数年間、内部統制評価実務に係わってきた感覚からすると、どうもムラが
あるように思います。それこそリスク・アプローチが必要なはずですが、僕の
知っている範囲では、リスク・アプローチが逆になっているのではないか、つ
まり、リスクの大きいところは後回しにして、リスクの小さいところは完璧に
しているのではないか、とさえ感じられました。ちょっと、言い過ぎかな。皆
さんはいかがでしょうか。
今回の見直しは、すでに十分に有効な内部統制が構築されている場合は、大歓
迎なのではないでしょうか、一方で、十分ではない場合に、自己反省の機会を
低減させなければよいのですが。
いずれにしても、最近、粉飾、不正がとても多く目につきます。この制度がす
べての関係者にとって有益なものとなるよう継続的な見直し作業が必要と思い
ます。

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2.[IFRS]減損(第2回)
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IFRSでは、減損テストが必要となる時期及び条件について、以下のように定め
ています。

(1)耐用年数を確定できない無形資産、未使用の無形資産及びのれん

これらはいずれも規則的な償却が行われていません。のれんも償却されないの
は、このメルマガでは書いたかな?ただ、かなり報道されていますのでご存じ
と思います。

これらについては、毎期減損テストを実施する必要があります。いつ?1年を
通じていつでもよいのですが、毎年同じ時期に実施する必要があります。

(2)上記以外のすべての種類の資産

減損の兆候が存在するかを各報告期間の期末日において判断します。減損の兆
候が存在する場合は、減損テストを実施することになります。

この兆候には、「外部の兆候」、「内部の兆候」、「子会社・被共同支配企業
又は関連会社からの配当」が挙げられています。

「外部の兆候」、「内部の兆候」は現在のJ-GAAPとあまり変わらないのですが、
前回書いたように、「企業の純資産の帳簿価額が、その企業の株式の時価総額
を超過している」というものがあります。

また、三つ目の「子会社・被共同支配企業又は関連会社からの配当」には違和
感を覚える方もいらっしゃるのではないかと思います。

子会社・被共同支配企業又は関連会社から配当を受け取った場合、企業は減損
の兆候が存在するかどうかを検討しなければならないものとされています。こ
の減損の兆候は以下で判定されます。

・個別財務諸表における投資の帳簿価額>連結財務諸表における、関連するの
れんを含む被投資企業の純資産の帳簿価額

・受取配当額>配当が決議された期における子会社、被共同支配企業又は関連
 会社の包括利益合計

後者はちょっと想像つかないのですが、前者はありえますよね。このような場
合は減損の兆候となります。

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3.[最新J-GAAP&IFRS]収益認識
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【インターネットにおけるコンテンツの配信】
インターネットを介して音楽や画像などのいわゆるコンテンツを配信する業務
を行っている企業は、定額課金と従量課金の二つの方法により配信している。
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【J-GAAP】
○従量課金の場合
 データを配信した都度、配信したデータ量に応じて収益を認識する。

○定額課金の場合
 契約上履行すべき義務は、一定期間にわたりコンテンツをダウンロード可能
 な状態に保つこと(及び顧客の求めに応じて顧客にダウンロードさせること)
 と考えられる。

・一定期間に配信するデータ総量を合理的に見積もることができる場合
 現時点までに配信したデータ量が一定期間に配信するデータ総量に占める割
 合に応じて収益を認識することができる。

・一定期間に配信するデータ総量を合理的に見積もることができない場合
 時間の経過とともに契約上の義務を履行していると考え、一定期間にわたり
 定額で認識することもできる。

【IFRS】
基本的に同じような感じなのですが、
○従量課金の場合
 データを配信した都度、配信したデータ量に応じて収益を認識する(J-GAAP
 と同じ)。

○定額課金の場合
・一定期間に配信するデータ総量を信頼性をもって見積もることができる場合
 現時点までに配信したデータ量が一定期間に配信するデータ総量に占める割
 合に応じて収益を認識することになる。

・一定期間に配信するデータ総量を信頼性をもって見積もることができない場
 合
 定額による収益の認識が適当となるケースもありうる。
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似たようにみえるかもしれませんが、IFRSでは、定額課金の場合で、データ総
量を信頼性をもって見積もることができる場合には、進捗度合により収益を認
識しなければならなくなります。これはJ-GAAPでも認められますから、J-GAAP
でもそのように処理しておけばいいんですよね。でもシステム等、対応が大変
なのではないでしょうか?

次は
出版物及びそれに類似するものの購読契約等です。
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通常号と増大号から構成されている定期購読契約について、増大号の販売価値
は通常号よりも高いと考えられる。しかし、定期購読契約における年間購読料
は増大号についても通常号と同一の単価を基礎に算定している。
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このような場合の収益認識方法はいかに?

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4.[編集後記]
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三月決算の皆様は、3月末適用の金融商品時価等開示、賃貸不動産時価等開示の
新会計基準への対応も概ね目途がついた段階でしょうか、一息ついていられる
のもつかの間、すぐに新年度が始まってしまいますね。新年度は、資産除去債
務、マネジメントアプローチが適用されます。
以前から何度も記載していますが、今後の会計実務は、IFRSそのものというよ
りまずは新J-GAAPへの対応が必要になってきます。これによりIFRSに近づいて
いくのです。つまり、まずは、「アドプション」よりも「コンバージェンス」
への対応が求められています。
その一方で、やはり「アドプション」も視野にいれていかなければなりません。
ただ、僕は最近改めて思うのは「アドプション」されるもので、J-GAAPで認め
られないものはあまり多くはないということです。「複数帳簿」ということが
話題になったりしていますけれども、最初からIFRSで認められる会計処理を行
っていればJ-GAAPでも認められる部分が多いのではないか、つまり、IFRSとJ-
GAAPの「複数帳簿」は必要ないケースが多いのではないか、ということです(税
務はまた別ですけど)。
収益認識然り、有形固定資産然り、無形固定資産然り、連結然り、のれんは、
まだ違いがありますけどね。
ということは、実務的には、なるべく2013年の初度適用までに、すでにこれら
多くの会計処理をIFRSベースにしておけば、大きな組み替えは必要なくなる可
能性が高いように思います。出来る限り差異を早目になくすようにしておくこ
とが会計実務戦略的にはよいのではないでしょうか。
エキスパーツリンクでは、IFRS対応のアドバイザリー、勉強会の開催、GAP分析
等、ご要望に応じた対応をさせていただきます。
例えば、
貴社で行うGAP分析にアドバイザーとして加わったり、
まずはGAPがあると思われる項目に関して勉強会を行ったり、
GAP分析を代行したり、
ご予算に応じて、何らかのお役にたてると思っております。ご相談はお気軽に!

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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