◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.46-2010.09.14
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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等のご要望がありましたら、是非教えてください。また、「上場会社経理ネッ
トワーク」に関する皆様のご要望等ございましたら、是非お教えください。
必ず何らかのご回答差し上げます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[IFRS]IFRSの本質
2.[最新J-GAAP&税務]税効果実務指針の改正
3.[最新J-GAAP]「連結財務諸表に関する会計基準(案)」の公表
4.[編集後記]

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1.[IFRS]IFRSの本質
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この話、このメルマガでちゃんと書いていないかもしれないので、改めて書い
ておきます。後述しますが、先日のパネルディスカッションでお話させていた
だいた内容です。基本的には、以前ご紹介している「導入前に知っておくべき
IFRSと包括利益」(日本実業出版社 高田橋範充)からの引用です。
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○「IFRSは利益を必要としない体系!」

IFRSは資産・負債アプローチといわれていますが、2時点のBSを比較すること
によって利益を算出する体系というわけではありません。

どういうことでしょう?

つまり、本来、IFRSは利益を計算したいのではなく、企業の経済的便益を表現
する資産価値を開示したいのです。

フレームワークには利益概念がありません。資産、負債、収益、費用は定めて
いますが、資本概念は未解決の問題として整理されていますので、利益は明確
に定義されていません。

え、じゃあ、包括利益って?

IFRS=包括利益という考え方は適切とはいえないのです。包括利益はアメリカ的
なIFRSのとらえ方であり、IFRSが次第にアメリカの反論を受けて変質していっ
ていることのあらわれと考えたほうがよいようです。
───────────────────────────────────
○「IFRSのフレームワークでは複式簿記をイメージしていない!」
IFRSは、投資家の経済的意思決定目的を主にしてつくられた体系であり、基本
的にファイナンスの思考に基づいて形作られています。このため、基本的に
「公正価値」で評価することを指向しています。

ということは必ずしも複式簿記は必要ではないのです。

つまり、実地調査をして、一つ一つを公正価値で評価すれば資産は確定するの
ですから、必ずしも複式簿記はいらないのです。
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とはいっても、現実には、包括利益の算出はするわけですし、複式簿記がなけ
れば実務的にまわるわけありませんから、現行実務を完全に否定するわけでは
ありませんが、それぐらい革命的な因子を含んでいるということをちょっとイ
メージしておくといいのではないでしょうか?是非この本、読んでみてくださ
い。

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2.[最新J-GAAP&税務]税効果実務指針の改正(その2)
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前回の続きです。考えてみます。

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○完全支配関係にある国内会社間の資産の移転による譲渡損益の繰延

親会社が保有する簿価1億円の土地を時価1.5億円で100%子会社に譲渡するとし
ます。まずは回収可能性の問題はないものとし、実効税率は40%とします。仕
訳は会計上のものです。

———————————————————————
[親会社]
現金預金 1.5億円 / 土地  1億円
           土地売却益 0.5億円

ですが、この土地売却益は税務上、繰り延べられます。

従って、将来加算一時差異になるため

法人税等調整額 0.2億円 / 繰延税金負債 0.2億円

というわけですね。
———————————————————————
[子会社]
これは単純に
土地 1.5億円 / 現金預金 1.5億円
です。
———————————————————————
損が出る場合は逆に繰延税金資産となります。これは分かりやすいですね。

───────────────────────────────────
○完全支配関係にある国内会社間の寄附金受領支出法人の株主における子会
社株式の税務上の簿価修正

次は、100%子会社が2社(A社、B社)あって、親会社の保有する子会社株式勘
定の帳簿価額は両社とも1億円であるとします。100%子会社A社から100%子会
社B社に対する貸付0.5億円があり、この貸付を全額免除したとします。この
免除が寄附金に該当する場合、どうなるでしょう。

———————————————————————
[A社]
貸倒損失 0.5億円 / 貸付金 0.5億円

この貸倒損失が税務上、寄附金にあたるわけです。
———————————————————————
[B社]
借入金 0.5億円 / 債務免除益 0.5億円

この場合、A社では、全額損金不算入になり、B社では全額益金不算入になり
ます。
———————————————————————
話はこれで終わりではなく、親会社での帳簿価額の修正が行われます。

親会社の税務上(会計上ではありません)、以下の修正が行われます。
———————————————————————
A社については、
利益積立金 0.5億円 / 子会社株式(A社)

B社については、
子会社株式(B社) 0.5億円 / 利益積立金 0.5億円
———————————————————————
これが一時差異にあたるというわけです。

仕訳例が示されていないのでやや不安ですが、

A社については
法人税等調整額 0.2億円 / 繰延税金負債 0.2億円

B社については
繰延税金資産 0.2億円 / 法人税等調整額 0.2億円

ということだと思います。
───────────────────────────────────
連結上はどうなるか、次回考えたいと思います。

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3.[最新J-GAAP] 「連結財務諸表に関する会計基準(案)」の公表
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平成22年9月3日に、企業会計基準委員会では、特別目的会社の取り扱い等につ
き改正する「連結財務諸表に関する会計基準(案)」を公表しました。

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今回、長くなってしまっているので、ご紹介にとどめます。

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4.[編集後記]
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去る2010年9月8日にディスクロージャー実務士会主催のパネルディスカッショ
ン「IFRS導入準備と課題」にパネラーとして参加してきました。

台風の日でしたので、参加者が減ってしまったのですが、全体としてそれなり
にまとまった、良いディスカッションになったように思います。僕のパートは
「ポジション・ペーパーとは」、「社内教育」、「IFRSの本質」についてでし
た。特に「IFRSの本質」についてはこれからのJ-GAAP、IFRS開示実務を担うデ
ィスクロージャー実務士の皆様には、知っておいてもらいたい内容でしたので、
お話する機会をもててよかったと思っています。この号の1番目に書いた内容
です。

ディスカッション後の名刺交換も皆さん結構積極的に行っていただきまして、
なかなか有意義でありました。

その後のパネラー達の反省会や、参加者の方とのメールのやりとり等で話題に
出ていたのですが、上場会社の決算・開示実務に従事する経理の方々の横のつ
ながりの場が欲しい、ネットワークをつくりたい、という声が多く聞かれまし
た。

「監査法人にこんなこといわれたんだけど」「他の会社はどうしているんだろ
う」等々、ちょっと聞いてみたいということありませんか?

もちろん、会社の内情を話すわけにはいかないでしょうけれども、軽く、ね。

僕も実務士会に入会していますので、何らかのお役にたてるよう、頑張ってい
きたいと思います。皆さまもこういったご要望がありましたら是非お聞かせく
ださいませ!

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ので、普段の決算・経理・税務実務全般について、ご質問、ご相談等ございま
したら、どんな小さなことでも結構ですので、是非教えてください。必ず何ら
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 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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