◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆vol.84-2011.06.07
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準はIFRSに近づき(コンバージェンス)、さらにその後IFRSが強制適
用(アドプション)されます。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場
準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。
これらのエッセンスを出来る限り、分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[IFRS]コンドースメント~コンバージェンスとエンドースメントが合体
2.[IFRS]IAS第19号「従業員給付」公表前ドラフト
3.[IFRS]IFRS第11号「ジョイント・アレンジメント」
4.[編集後記]

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1.[IFRS]コンドースメント~コンバージェンスとエンドースメントが合体
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今年はアメリカがIFRSを採用するかどうか意思決定をする年です。

SECはこの会議を7月7日に開催するとアナウンスしています。

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一方で、コンドースメントって知ってます?コンドースメント(condorsement)
はコンバージェンス(convergence)と、エンドースメント(endorsement)を合体
させた造語です。

これらの言葉を整理しておきましょう。

<コンバージェンス(convergence)>
コンバージェンスアプローチのもとでは、IFRSを直接採用せずに、自国の会計
基準をIFRSに近づける努力がなされます。このアプローチを採用している国の
一つの例が中国です。日本でもコンバージェンスの努力はなされています。

<エンドースメント(endorsement)>
エンドースメントアプローチのもとでは、個々のIFRSをその国の基準本体に組
み込むのですが、その組み込み方により、IFRSから逸脱する部分を含む可能性
があり、その逸脱の程度は組み込み方により異なります。
ほぼ完全にIFRSを採用し、逸脱はほぼ許さないケースもありますが、IFRSを自
国の言語に翻訳する際に、本来のIFRSとの完全な同等性が失われているケース
もあるようですし、国によってはIFRSを修正したり、追加したりしているケー
ス(いわゆるcarve-out)もあります(EUがそうですね)。

これに対して、SECは米国のIFRS採用のアプローチとしてコンドースメントと
いうアプローチを検討していると発表しました。これはこのアプローチでいき
ますよ、と決定したわけではなく、あくまでも提案の一つということのようで
す。

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<コンドースメント(condorsement)>
コンドースメントもエンドースメントアプローチの一種と位置付けられるもの
のようですが、このアプローチのもとでは、米国の会計基準設定主体は維持さ
れ、5-7年間の移行期間の間に序々にIFRSをUS-GAAPに取り込むことにより移行
プロセスを容易にするものだそうです。この期間が終了したときには、
US-GAAPに従っていることはIFRSに従っていることにもなるということが目標
ということです。
そこで、FASBには、米国の状況に対応するために、以下のような権限があるこ
とが確認されています。
a.IFRSで特定される開示要求に、さらに(FASBの)開示要求を追加する。
b.IFRSにより認められる2つ又はそれ以上の代替的な会計処理のうち、いずれ
が米国発行企業体により採用されるべきであるかを規定する。
c.IFRSが特に取り扱っていない問題について、IFRSと両立可能な要求を設定す
る。とりわけ、FASBは、(IFRSに)準拠するための必要な改訂を行いながら、
U.S. GAAPに既に存在するそのような要求を継続して保持していく決定を行う
ことができる。

コンバージェンスもやって努力するけど、移行には時間をかけて、最終的に米
国の事情に応じて、カーブアウトもするよ、ということかな。いや、カーブア
ウトとまでは言ってないですかね。微妙だな。

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2.[IFRS] IAS第19号「従業員給付」公表前ドラフト
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IASB財団の有料subscriptionによりIAS第19号「従業員給付」のNear final
draftが発行されたようです。

Final の発表も近いということでしょう。

ところで、日本はどうしたのでしょうか。退職給付に関しては、公開草案が出
ています。

http://k.d.combzmail.jp/t/2732/a05vu2w0aio0neix2h

これによると、平成23年4月1日以後開始事業年度の年度末に係る財務諸表から
適用することになっているはずです。もう今年度末ですよね。

退職給付債務から年金資産の額を控除した額の全額(「積立状況を示す額」)
を「退職給付に係る負債」として計上する必要があります。

ご留意を。

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3.[IFRS]IFRS第11号「ジョイント・アレンジメント」
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IFRS第11号「ジョイント・アレンジメント」もみておきましょう。

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「ジョイント・アレンジメント」
「ジョイント・アレンジメント」とは、複数の当事者が「共同支配」を有する
契約上の取決めと定義され、

「共同支配」
「共同支配」とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有をいい、関連
する活動の決定に際して支配を共有するすべての当事者の一致した合意を必要
とする場合にのみ存在するとされています。

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「ジョイント・オペレーション」と「ジョイント・ベンチャー」
「ジョイント・アレンジメント」は「ジョイント・オペレーション」と「ジョ
イント・ベンチャー」に区分されます。
「ジョイント・オペレーション」は「共同支配を有する企業が、取決めに係る
資産に対する権利及び負債に対する義務を有している」。
「ジョイント・ベンチャー」は「共同支配を有する企業が取決めに係る純資産
に対する権利を有している」こととなります。

「ジョイント・オペレーション」の例としては、例えば航空機などを共同で製
造、販売及び流通させるために、それぞれの営業、資源及び技術を結号させる
場合があるとされています。それぞれの企業は独自のコストを負担し、契約上
の取り決めに従い、得た収益のうち、自己の持分相当額の配分を受け取る場合
があるようです。

「ジョイント・ベンチャー」はいわゆる合弁企業のうち、共同支配の定義をみ
たすものということになりますね。
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で、
「ジョイント・オペレーション」では、「自らの資産、負債、収益及び費用な
らびに/又は当事者に共通して発生したそれらに対する持分相当額を認識」し、

「ジョイント・ベンチャー」では、「持分法会計」
ということになります。
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IFRS上、従来はこの「ジョイント・ベンチャー」に「比例連結」が認められて
いましたので、大きく変わることになります。

日本企業はもともと持分法のはずですから、「ジョイント・ベンチャー」は特
に変更の必要はないのではないでしょうか。「ジョイント・オペレーション」
についてはこのような処理になっているか確認する必要があるかと思います。

ところで、「ジョイント・オペレーション」の「自らの資産、負債、収益及び
費用ならびに/又は当事者に共通して発生したそれらに対する持分相当額を認識」
という処理と「比例連結」はどう違うのか。

この点については、全ての資産及び負債の一定割合に対する権利及び義務を有
している場合、共同営業にかかる会計処理と比例連結の間に相違はないとのこ
とで、違いが出るのは、特定の資産に対して特定の共同営業者が権利を保持し
ているような場合とのことで、つまりすべての共同営業者がすべての資産及び
負債の一定割合を保持しているのではないような場合ということのようです。

こんな状況はあまりないような気がしますので、

「ジョイント・オペレーション」≒「比例連結」

「ジョイント・ベンチャー」=「持分法」

というイメージを持っておいてもいいのでは?

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4.[編集後記]
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残念ながら、Y監査法人に、品質管理のシステムに重要な瑕疵があるとして、
上場会社監査事務所登録規則に従い、上場会社監査事務所部会への登録申請を
認めないとの決定がなされてしまったようです。これにより、同監査法人は上
場会社の監査は不可能になってしまうはずです。
僕はY監査法人を攻めたいわけではなく、Y監査法人のような小規模監査法人の
運営が困難な現実を憂います。只々、公認会計士のキャリアプランの難しさを
考えてしまいます。大手監査法人でのキャリアアップしかないのかと。公認会
計士は、試験合格後、基本的には大手監査法人への就職を志向します。最近は
この就職自体、非常に困難ですし、その後もずっと大手への勤務の継続を希望
される方も、リストラの可能性すら否定できない状況です。また、公認会計士
としての独立、つまり監査人としての独立は難しいです。監査で独立しても、
相当の体制をとっていかなければ、Y監査法人のように問題を起こしかねませ
ん。特に上場会社監査はハードルが高く、実際に業務を行っている方は大変な
苦労をされています。そもそも僕の勝手な印象ですが、監査法人の新設自体、
当局からは歓迎されていないのではないでしょうか。小規模監査法人は上場会
社監査ではなく、非上場会社の監査で頑張っていくしかないのかもしれません。
Y監査法人も上場会社は出来なくとも、非上場等、まだまだフィールドはあるは
ずですので頑張ってほしいものです。

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