◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.265-2014.12.19
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]本社移転の税優遇
2.[税務]外形標準の非課税
3.[NEWS]コーポレートガバナンス・コード
4.[税務]美術品の税務にも注意
5.[IFRS]問題176
6.[編集後記]

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1.[税務]本社移転の税優遇
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地方創生の一環ですね。

「企業が本社機能を地方に移転する際、社屋などへの投資額の最大7%を法
人税額から差し引けるようにする。」(社屋拡張など設備投資)

「管理部門など本社機能の移転に伴う社員の転勤などで地方拠点の雇用が増え
た場合も、1人あたり最大140万円を税額控除できる。」(社員転勤など雇用増)

という施策が検討されています。

日経有料記事
http://www.nikkei.com/money/features/69.aspx?g=DGXLASFS17H6A_17122014MM8000

どれほど効果があるのかはちょっと不明ですが、国ができることはこういうこ
とになるのでしょう。

都道府県が企業誘致をテコ入れする対象地域を決め、市町村とともにどんな業
種を誘致するかの計画をつくり、この計画を国が審査します。

この減税の対象となるには、2017年度末までに都道府県から承認を得る必要
があります。

具体的には、

「本社機能の地方移転の場合」
(設備投資)
・設備投資額の25%を前倒し償却(特別償却)する。
・投資額の最大7%の税額控除を受ける。
・控除の上限は法人税額の2割。

(雇用)
・法人全体の雇用者数が前年より5人以上かつ10%以上増えるという条件を
満たす必要がある。大企業などが10%増の条件を満たせない場合は、50万
円の控除を20万円に減額する。減税の上限は投資減税と雇用減税を合せて
法人税額の3割までとする。
・1人あたり50万円を1年限りで法人税から控除できる。
・地方拠点で増やした社員1人あたり年30万円の控除を最長3年間受けられ
る。

「地方にある既存の本社可能の拡張の場合」
(設備投資)
・15%の特別償却か最大4%の税額控除
・控除の上限は法人税額の2割。

(雇用)
・法人全体の雇用者数が前年より5人以上かつ10%以上増えるという条件を満
たす必要がある。大企業などが10%増の条件を満たせない場合は、50万円
の控除を20万円に減額する。減税の上限は投資減税と雇用減税を合せて法
人税額の3割までとする。
・1人あたり50万円を1年限りで法人税から控除できる。

地方創生といっても、本社移転ということになると大都市近郊ということに
なるのではないでしょうか。更なる”地方”に、「全国津々浦々まで」届ける
にはまた一工夫必要なように思います。

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2.[税務]外形標準の非課税
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より複雑になりそうです。

「2015年度からの法人税改革で、企業が12年度比で3%以上の賃上げをした場
合、賃上げ分は非課税とする」

所得拡大税制では、給与が増えれば、法人税は減るわけですが、外形標準課税
は課税標準が給与など人件費を含みますので、給与が増えれば、外形標準課税
が増えるということになります。これではアベノミクスで増えた企業の内部留
保を従業員に還元しにくくなってしまいます。このため、より多くの賃上げを
した場合は、外形標準課税を和らげるということにするようです。

賃上げ率が2%なら課税されて、3%なら課税されないというわけです。微妙で
複雑ですね。

一方、資本割も見直されるようです。現行制度では自社株買いにより課税が減
るわけですが、これが15年度からは自社株買いをしても課税対象を一定額以
上に保つ制度が導入されるようです。

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3.[NEWS]コーポレートガバナンス・コード
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金融庁が開催してきた「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識
者会議」は12月12日、「日本版コーポレートガバナンス・コード」の基本形
をまとめて、15年6月1日からの適用を決定しています。

http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20141212.html

このコーポレートガバナンス・コードは、強制的なものではないが、企業はコ
ードの受け入れを表明し、コードの原則に沿ったガバナンスを行うか、コード
を受け入れない場合には、その説明を行うことが求められます。いわゆる「コ
ンプライ・オア・エクスプレイン」と言われるものです。

また、このコーポレートガバナンス・コードは、IFRSのように、「プリンシプ
ルベース・アプローチ」(原則主義)が採用されています。すなわち、「一見、
抽象的で大掴みな原則(プリンシプル)について、関係者がその趣旨・精神を
確認し、互いに共有した上で、各自、自らの活動が、形式的な文言・記載では
なく、その趣旨・精神に照らして真に適切か否かを判断する」ということです。

日本人こういうの苦手ですよね。

さて、肝心の中身ですが、主には以下のようなものです。

(1)上場企業は複数の独立社外取締役を設置する
(2)少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上
場企業は、そのための取り組み方針を開示する
(3)政策投資株式については経済合理性が説明できるような議決権行使の適切な
基準を示す

などです。

参考とした記事はこちら
http://toyokeizai.net/articles/-/55750

社外取締役の争奪戦が始まるのかもしれませんね。どこまで意味があるのか。
新たな天下りの温床となるとの指摘も聞かれます。

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4.[税務]美術品の税務にも注意
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週刊税務通信No.3339を参考に記載します。

従来から美術品も一部は減価償却資産になっていたのですが、この範囲が以下
のようになります。

*********************************************************************
改正(案)法基通7-1-1
「時の経過によりその価値の減少しない資産」は減価償却資産に該当しない
こととされているが、次に掲げる美術品等は「時の経過によりその価値の
減少しない資産」と取り扱う。

(1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有
し、代替性のないもの
(2)(1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの(時の経過
によりその価値が減少することが明らかなものを除く。)

(経過的取扱い)
平成27年1月1日以後に開始する事業年度において法人の有する美術品等につ
いて適用する。
*********************************************************************

要は、取得価額が100万円未満のものは、償却できるようになるわけです。

該当のものがないかどうか確認してみてください。

ところで、償却できる、ということは償却資産税の対象となるわけです。

上述のように、平成27年1月1日以後に開始する事業年度において、取得価額
が100万円未満の美術品等が償却資産に化けるわけですが、

償却資産税の賦課期日は、1月1日です。

このため、12月決算の会社さんの場合、来年、平成27年1月1日開始事業年度
から、これらは償却資産になるわけですので、平成27年1月1日を賦課期日と
する償却資産税において、これらの美術品等が課税客体に入る、ということに
なるようです。

2月や3月決算においては、平成27年2月1日開始事業年度、あるいは3月1
日開始事業年度から、これらの美術品等が償却資産になるわけですので、平
成27年1月1日を賦課期日とする償却資産税においては、これらの美術品等は
課税客体に入らず、平成28年1月1日を賦課期日とする償却資産税において、
これらの美術品等が課税客体になるということのようです。

御注意ください。

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5.[IFRS]問題176
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[問176]
有形固定資産のIFRSにおける取扱に関して、誤りはどれ?

a.再評価モデルとは、有形固定資産項目を、再評価実施日における公正価値か
ら、その後の減価償却累計額及びその後の減損損失累計額を控除した評価額
で計上する方法である。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.企業は、各報告期間の期末日において過年度に認識された減損が存在しない
か、又は減少している可能性を示す兆候があるかどうかを評価し、兆候が存
在する場合には当該資産の回収可能価額を再計算しなければならない。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.減価償却方法は定額法でなければならない。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[答]
[前回の解答]
前回の正答はb。

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6.[編集後記]
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今回も遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。
毎年、12月はにわかにバタバタが始まります。まさに「師走」ならぬ、「士
走」ですね。これから来年3月位までは毎年あっと言う間に過ぎてしまうわけ
ですが、今年は出だしから、風邪ひいてしまいまして、、、。11月末にひいた
風邪がやっと治ったかなと思ったら、今度は息子からだと思うのですが、別の
風邪をもらってしまいました。のどや鼻の風邪で熱は微熱で済んだのですが、
長く続くとしんどいですね。まわりにも体調崩している方が多いように思いま
す。皆様もくれぐれも体調管理されてご自愛ください。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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