◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.267-2015.01.01
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]税制改正大綱
2.[編集後記]

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1.[税務]税制改正大綱
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自民、公明両党は、2015年度税制改正大綱を決定しました。
https://www.jimin.jp/news/policy/126806.html

概要理解しましょう。普通法人に関するものをまとめたつもりです。

(1)デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置
より広く負担を分かちあい、「稼ぐ力」のある企業や企業所得の計上に前向き
な企業の税負担を軽減する。
所得拡大促進税制の要件を緩和、法人事業税の外形標準課税においても、新た
に所得拡大促進税制を導入し、企業の賃上げを後押しする。

(第1段階)
平成27年税制改正において、
a.欠損金繰越控除の見直し
・平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する繰越控除
をする事業年度又は連結事業年度について、その繰越控除前の所得の金額
又は連結所得の金額の100分の65相当額とする。
・平成29年4月1日以後に開始する繰越控除をする事業年度又は連結事業
年度について、その繰越控除前の所得の金額又は連結所得の金額の100分
の65相当額とする。
 ※中小法人等については、現行の控除限度額を存置する。

b.受取配当等益金不算入の見直し
・現行
  完全子法人等(株式等保有割合100%)→不算入割合100分の100
  関係法人株式等(株式等保有割合25%以上)→不算入割合100分の100
  上記以外の株式等→不算入割合100分の50

・改正案
  完全子法人等(株式等保有割合100%)→不算入割合100分の100
  関係法人株式等(株式等保有割合3分の1超)→不算入割合100分の100
  その他の株式等→不算入割合100分の50
  非支配目的株式等(株式等保有割合5%以下)→不算入割合100分の20

c.法人事業税の外形標準課税の拡大
 ・現行
   付加価値割→0.48%
   資本割→0.2%
   所得割(年400万円以下の所得)→2.2%
   所得割(年400万円超800万円以下の所得)→3.2%
   所得割(年800万円超の所得)→4.3%

 ・改正(平成27年度)
   付加価値割→0.72%
   資本割→0.3%
   所得割(年400万円以下の所得)→1.6%
   所得割(年400万円超800万円以下の所得)→2.3%
   所得割(年800万円超の所得)→3.1%

 ・改正(平成28年度)
   付加価値割→0.96%
   資本割→0.4%
   所得割(年400万円以下の所得)→0.9%
   所得割(年400万円超800万円以下の所得)→1.4%
   所得割(年800万円超の所得)→1.9%

※わかりにくいかもしれませんが、付加価値割と所得割が増加して、所得割
が減少しています。
※付加価値割にも所得拡大促進税制が導入されます。
※この税率改正による負担変動の軽減措置も導入されます。長いのですが以
下のようになります。
 
 平成27年度
付加価値30億円以下の法人について、
「当該事業年度の事業税額が、それぞれの課税標準に平成27年3月31
日現在の税率を乗じて得た額を超える額の2分の1を乗じた額を控除する」

付加価値30億円超40億円未満の法人について、
「当該事業年度の事業税額が、それぞれの課税標準に平成27年3月31日
現在の税率を乗じて得た額を超える額の2分の1から0の間の割合を乗
じた額を控除する」

  平成28年度
付加価値30億円以下の法人について、
「当該事業年度の事業税額が、それぞれの課税標準に平成28年3月31日
現在の税率を乗じて得た額を超える額の2分の1を乗じた額を控除する」

付加価値30億円超40億円未満の法人について、
「当該事業年度の事業税額が、それぞれの課税標準に平成28年3月31日
現在の税率を乗じて得た額を超える額の2分の1から0の間の割合を乗
じた額を控除する」

d.試験研究費
控除税額の上限を当期の法人税額の30%(原則20%)に引き上げる措置は
適用期限の到来をもって廃止されますが、新たに以下の措置によって、税額
の上限の総枠が当期の法人税額の30%とされます。

・特別試験研究費の額に係る税額控除制度についての見直し。
・試験研究費の総額に係る税額控除制度及び中小企業技術基盤強化税制の控
除税額の上限を当期の法人税額の25%とする。

(注)これらの制度の対象となる試験研究費の額には、特別試験研究費の額に
係る税額控除制度の対象とした特別試験研究費の額を含まない。

試験研究費の総額に係る控除としては、当期の法人税額の25%が上限なので
すが、特別試験研究費を加えて30%までが総枠として与えられるというわけ
です。

※一方で、繰越税額控除限度超過額及び繰越中小企業者等税額控除限度超過
額に係る税額控除制度は廃止されます。

e.税率
  法人税の税率は23.9%になります。法人の平成27年4月1日以後に開始する
事業年度について適用されます。

中小法人の軽減税率の特例(所得の金額のうち年800 万円以下の部分に
対する税率:19%→15%)の適用期限は、2年延長されます。
また、中小法人の軽減税率(19%)は、引き続き、中小法人課税全体の見直
しの中で検討することとされました。

(第2段階)
平成28年税制改正において、
a.税率
  法人税の税率引き下げ幅の更なる上乗せを図るものとされています。さらに
その後の年度の税制改正においても、引き続き、法人実効税率を20%台まで
引き下げることを目指して改革を継続するとのことです。このため、以下を
はじめ、幅広く検討を行うものとされました。

・大法人の事業税の外形標準課税の更なる拡大
・生産性向上設備投資促進税制、所得拡大促進税制、研究開発税制は取扱に
ついて検討を行う。
・減価償却については定額法への一本化について検討を行う。
・法人事業税の損金不算入化について検討を行う。
・租税特別措置については、毎年度、期限が到来するものを中心に、廃止を
含めてゼロベースで見直しを行う。

b.中小法人の見直し
資本金1億円以下を中小法人として一律に扱い、同一の制度を適用している
ことの妥当性について、検討を行うこととされました。

(2)地方創生・国家戦略特区
a.東京圏への人口集中の是正・各地域での住みよい環境の確保
・地方拠点強化税制の創設
  企業が、その本社機能等を東京圏から地方に移転したり、地方においてそ
の本社機能等を拡充する取組みを支援するため、本社等の建物に係る投資
減税を創設するとともに、雇用の増加に対する税額控除制度(雇用促進税
制)の特例を設けることとされました。

・ふるさと納税
個人住民税の特例控除額の上限の引き上げを行う
  確定申告が不要な給与所得者等がふるさと納税を簡素な手続で行える「ふ
るさと納税ワンストップ特例制度」を創設する。
  地方公共団体に対し、返礼品等の送付について、寄附金控除の趣旨を踏ま
えた良識ある対応を要請する。

・外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
 商店街やショッピングモール内などにおける免税手続きを、「免税手続きカ
ウンター」でまとめて行えるようにするなど、外国人旅行者向け消費税免税
制度を拡充する。

b.国家戦略特区
  特定中核事業の追加等を行い、引き続き検討する。

(3)社会保障・税一体改革
a.消費税率10%への引上げ時期
平成29年4月とされています。「景気判断条項」はつきません。

b.消費税の軽減税率制度
  税率10%時に導入されます。対象品目、区分経理、安定財源等について早急
に具体的な検討を進めるものとされています。

(4)国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和に向けた取り組み
・BEPSプロジェクトや非居住者に係る金融口座情報の自動的交換の取組は、
我が国においても取り組んでいく。
・国外事業者が国境を越えて行う電子商取引を消費税の課税対象とする。
・国際的な二重非課税を防止する観点から、外国子会社の所在地国において
損金に算入される配当を外国子会社配当益金不算入制度の適用対象から除
外する。
・出国時における株式等に係る未実現のキャピタルゲインに対する譲渡所得
課税の特例を創設する。
・非居住者の金融口座情報を租税条約等に基づき各国税務当局と自動的に交
換するため、金融機関に対し非居住者の口座情報の報告を求める制度を整
備する。

とされています。一つ一つ重要なので、いずれ詳しく書いていきたいと思いま
す。

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2.[編集後記]
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新年明けましておめでとうございます!
年末はどのように過ごされましたか?私は、二日間ですが、町内会に呼ばれ、
夜警をやりました。町内会への参加は、夏のお祭り以来でしたが、相変わら
ず、皆さんご高齢なのにお元気で驚かされます。夜警は五人くらいずつ、二班
に分かれて、45分位なのですが、拍子木たたいて、「火の~用心!」と声かけ
してまわります。皆さん慣れたもんで、目に入るものをなんでも関係づけて言
ったりします。「きれいなおうちも、火の~用心!」みたいな感じですね。私
は二日とも拍子木もちましたが、初日の最初のうちはなんか低い音になってし
まってかっこつかなかったのですが、だんだんなれて高くて響くいい音を出せ
るようになりました。結構手がしびれるんですね。あれ。二日目はお子さん二
人参加していて、可愛らしい声で「ひのよう~じん!」やってくれてました。
ただ、今回はそのようなことはありませんでしたが、最近は「うるさい!」と
言って怒られるケースもあるようです。それでも木造家屋が密集しているわけ
ですから、確かに火事は怖いですので、本当に火には用心していただきたいも
のです。

本年は本号をもちまして新年のご挨拶とさせていただきます。本年も引き続き、
ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
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