◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.277-2015.03.13
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させていた
だきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]国際税務入門5
2.[最新J-GAAP&税務]平成27年度税制改正に伴う税効果会計の適用
3.[税務]マイナンバー制度への対応準備のお願い
4.[編集後記]

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1.[税務]国際税務入門5
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外国子会社からの資金回収・・・利子

利子について、OECDモデル租税条約では配当と同様、源泉地国での税率に制
限が設けられており、その税率は10%となっています。この際、源泉地国の
判定については債務者主義が採られています。

海外子会社からの利子については、配当と同様、支払時に現地国において源泉
税が課されることになります。したがって、源泉税率が低い国からの支払利息
であれば、それだけ効率的な回収になるといえます。なお、シンガポールやマ
レーシアなど、配当に対して源泉徴収をしない国もありますが、利子の場合、
これらの国であっても源泉徴収の対象となる点に注意が必要です。

 ただし、利子に課される源泉税は、受領者である親会社で直接外国税額控除
の対象となります。この結果、税負担としてのインパクトは親会社の法人税の
計算段階で軽減されることになります。そのため、当該利子に対する源泉税が、
親会社で控除できるかどうかが資金回収の効率性の観点から重要となります。
親会社が損失を計上している場合や、繰越欠損金等の使用により法人税が生じ
ないような状況では、結果的に利子に対する源泉税を控除することができず、
結果的に資金回収に伴うコストとなってしまいます。

また、海外の子会社から利子を回収するにあたり、貸付金の設定金利が独立企
業間での利率でない場合には、移転価格税制の適用を受けることになります。
例えば、親子間のローンにおいて、市場金利より低い金利で貸し付けている場
合には、日本側で移転価格課税が行われます。これは、本来日本の親会社が得
るべき金利収入が少なくなっているということで、その分の増額更正が行われ
るからです。
逆に、市場金利より高い利率で貸し付けている場合には、子会社の所在する国
側で移転価格課税が行われることになります。

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2.[最新J-GAAP&税務]平成27年度税制改正に伴う税効果会計の適用
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企業会計基準委員会は、平成27年3月6日に開催された第307回企業会計基
準委員会の議事概要を平成27年3月9日に公表し、実務の参考となる法定実
効税率の算定例を示す「議事」を「別紙」として公表しています。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/minutes/20150306/20150306_13.pdf

これによると、

今回の改正で、税効果会計に影響する部分は、

法人税率の改正、のみならず、
事業税率の改正、及び
地方法人特別税率の改正

があります。

ここで、考慮しなければならないのは、

「平成27年度税制改正に係る改正法により、地方税法及び地方法人特別税等
に関する暫定措置法(以下合わせて「地方税法等」という。)が改正されると、
事業税における標準税率3と制限税率4が改正される。当該改正に伴い、地方
団体(都を含む。以下同じ。)は、改正条例に制限税率を超えない範囲で標
準税率又は超過課税による税率(以下「超過税率」という。)を定めること
になる。」

ということです。

これにつき、改正の進捗に応じて、3月決算の場合、以下のようなパターンが
考えられます。

A.平成27年度税制改正に係る改正法が平成27年3月31日までに公布される場合
(1)各地方自治体の改正条例が平成27年3月31日までに公布される場合
 改正後の税率を用いて法定実効税率を算定する。
 税率の変更により繰延税金資産及び繰延税金負債の金額が修正されたときは、
 その旨及び修正額を注記する。

(2) 各地方自治体の改正条例が平成27年3月31日までに公布されない場合
 改正後の税率を用いて法定実効税率を算定する。事業税率は、地方税法等改正
 後の事業税率(標準税率)を算定の基礎とする。
 注記については、上記と同様と思われる(筆者)。

B. 平成27年度税制改正に係る改正法が平成27年4月1日以後に公布される場合
 税率の変更の内容及びその影響を注記する。

ということになるようです。

改めて、改正後の法定実効税率を書いておきます。

(法人税率
 *(1+都道府県民税法人税割税率+市町村民税法人税割税率+地方法人税率)
   +法人事業税率+法人事業税標準税率*地方法人特別税率)
/(1+法人事業税率+法人事業税標準税率*地方法人特別税率)

で、そうはいっても、上記Aの(2)やBの場合、具体的な事業税率がわからなけれ
ば計算のしようがないのでは?と思いますよね。この場合の算定の方法がこの
「別紙」には記載されています。

「決算日現在の地方団体の条例に基づく超過税率が標準税率を超える差分を考
慮して、法定実効税率の算定に用いる超過税率を算定することになる」
とのことです。

「具体的には、例えば、平成27年度税制改正に係る地方税等改正後の標準税率
に、条例改正前の超過税率が地方税等改正前の標準税率を超える差分を加える
方法(ただし、地方税法等改正後の標準税率に1.2を乗じた率を上限とする。)が
考えられる。」とのことです。

例えば東京都の超過税率は標準税率より0.36%大きいので、この分を改正後も加
えてやる、ということですね。

(現行)
法人税率        25.5%
住民税率        16.3%
地方法人税率       4.4%
法人事業税率(超過税率)  4.66%
法人事業税率(標準税率)  4.3%
地方法人特別税率   67.4%

(25.5%*(1+16.3%+4.4%)+4.66%+4.3%*67.4%)/(1+4.66%+4.3%*67.4%)≒35.64%
ですが、

(平成27年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度)
法人税率        23.9%
住民税率        16.3%
地方法人税率       4.4%
法人事業税率(超過税率)  3.46%(=3.1%+0.36%)
法人事業税率(標準税率)  3.1%
地方法人特別税率   93.5%

(23.9%*(1+16.3%+4.4%)+3.46%+3.1%*93.5%)/(1+3.46%+3.1%*93.5%)≒33.10%

(平成28年4月1日から平成29年3月31日までに開始する事業年度)
法人税率        23.9%
住民税率        16.3%
地方法人税率       4.4%
法人事業税率(超過税率)  2.26%(=1.9%+0.36%)
法人事業税率(標準税率)  1.9%
地方法人特別税率   152.6%

(23.9%*(1+16.3%+4.4%)+2.26%+1.9%*152.6%)/(1+2.26%+1.9%*152.6%)≒32.34%

ということになります。複雑ですね。

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3.[税務]マイナンバー制度への対応準備のお願い
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日本経済団体連合会から、「マイナンバー制度への対応準備のお願い」とする
文書が出ているようです。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/021.html

「企業においては、給与所得の源泉徴収票の作成、社会保険料の支払・事務手
続きなどでマイナンバーの取扱いが必要となり、対象業務の洗い出しや対処方
針の決定等、マイナンバー制度への円滑な対応に向けた準備を行う必要があり
ます。」

「各社におかれましては、政府の事業者向けマイナンバー広報資料(参考1.)
や特定個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライ
ン(事業者編)」(参考2.)を参照の上、実務上の対応準備を進めていただ
きますよう、お願いいたします。」

ということのようです。本年10月から、マイナンバー(個人番号)の通知が始ま
りますから、理解をすすめておく必要があります。御注意ください。

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4.[編集後記]
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これを書いている最中も、くしゃみが止まらず、今日何度目か分かりませんが、
鼻をかみながらパソコンに向かっています。私は慢性的に蕁麻疹があるので、
常に薬を飲んでいるのですが、この薬が花粉症にも効くということで、確かに
鼻は本当にひどい人よりは抑えられているのかもしれませんが、それなりに出
ますし、目には全く薬は関係ないような気がします。涙がよく出ますし、かゆ
くてたまらないときがあります。今はもう花粉症じゃない人の方が少ない位で
すから、皆さん同じような状態ですよね。あと数週間は続くようですので、耐
えるしかないですね。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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