◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.282-2015.04.17
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させていた
だきます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]国際税務入門10
2.[IFRS]IFRS適用レポート
3.[最新J-GAAP]経団連のひな型
4.[税務]マイナンバー対応方法
5.[最新J-GAAP]金融商品に関する実務指針の改正
6.[編集後記]

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1.[税務]国際税務入門10
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 国際税務担当飯田の記事です。

3/26のメルマガでは給与所得の取扱いについて述べましたが、役員報酬につ
いては一般の給与所得者と取り扱いが異なります。

 我が国の所得税法では、非居住者による人的役務提供の対価に対して、原則
としてその人的役務の提供地国に課税権を認めています。これに対して、役員
については役務提供地に限らず、内国法人の役員としての勤務で国外において
行うものでも国内源泉所得とされています。

 ただし、内国法人の役員として国外勤務を行う場合であっても、その役員と
しての勤務を行う者が、同時にその内国法人の使用人として常時勤務を行う場
合の、その役員としての勤務は国内勤務とみなされません。

 一方、租税条約上の取り扱いを見てみると、OECDモデル租税条約第16条
では、取締役会の構成員である役員として得る報酬については、その報酬を支
払った法人の居住地国において課税できるとしていますので、国内法と同様の
取り扱いとなっています。我が国が締結した租税条約も、そのほとんどが
OECDモデル条約に準拠していますが、対オーストリア、ニュージーランドと
の租税条約では役員報酬に関しての規定がありません。このような場合には、
給与所得の規定が適用されることになります。

 なお、OECDモデル租税条約では役員についての定義がされていないため、
それぞれの国の法律に従うことになりますが、対ドイツ、デンマーク、ノルウ
ェーとの租税条約では、その議定書や交換公文において、役員の範囲を規定し
ているものがあります。

 退職手当等については、OECDモデル租税条約には規定がありません。我が
国が締結した租税条約においても同様ですので、役員に対して退職金等を支払
う場合には、役員報酬と同様、法人の所在地国において課税されることになり
ます。

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2.[IFRS]IFRS適用レポート
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金融庁では、平成27年4月15日、IFRS適用レポートを公表しています。

これは、IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り越えた
のか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、等について、
実態調査・ヒアリングを行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とす
るためのレポートです。

http://www.fsa.go.jp/news/26/sonota/20150415-1.html

まとめのなかで、今後、IFRS導入を検討している企業に関連して、大きく以
下の四点をポイントとして挙げています。

(1)IFRS導入の最大のメリットとして、「経営管理への寄与(経営管理の高
度化)」を挙げている企業が多いこと

(2)IFRS導入のコストは、各企業の規模・導入目的によってまちまちであり、
多様性があること

(3)会計人材の裾野の拡大

(4)IFRSへの移行プロセスにあたり、他社との連携や他社事例の分析を活用す
ること

個人的に目をひかれたのは、
「システムを中心としたコスト面については、IFRS導入を契機としてシステム
の全面改修等を行えばコストは相対的に大きくなるが、長期的視点で経営管理
の高度化を図ることが、長期的なコストの削減につながると考える企業もある。
他方、IFRSを用いた連結ベースでの開示に限定した相対的に低コストのシステ
ムの導入をメリットとする企業もあり、その選択肢は様々である。」

という点です。IFRS対応のみであれば、ちょっとした組み替えなどで対応で
きる場合もあり、その場合は低コストで対応できる場合もある、一方、これを
契機にグローバル経営管理体制を整えるといった場合には、おおがかりな改修
を伴い、コストも増すということなんでしょうね。

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3.[最新J-GAAP]経団連のひな型
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経団連は、従来から公表している「会社法施行規則及び会社計算規則による株
式会社の各種書類のひな型」の改訂版を2015年4月10日に公表しています。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2015/035.html

この中で、やはりお伝えしなければいけないのは、社外取締役を置くことが相
当でない理由ですね。事業報告の記載事項及び参考書類の記載事項として以下
の内容が記載されています。

事業報告
『この「社外取締役を置くことが相当でない理由」については、当該事業報告
作成会社の当該事業年度における事情に応じて記載しなければならず、かつ、
社外監査役が二人以上あることのみをもって当該理由とすることはできない
(会社法施行規則第124条第3項前段及び後段)。
したがって、たとえば、「社外監査役が○人おり、社外者による監査・監督と
して十分に機能している」といった記載をするだけでは、社外取締役を置くこ
とが「必要でない」理由の記載にすぎず、社外取締役を置くことが「相当でな
い」理由の記載とは認められないと解される。
なお、事業報告における「社外取締役を置くことが相当でない理由」の記載の
要否は、事業年度末日の状況で判断されるため、事業年度の末日において社外
取締役を置いていない場合には、当該事業年度に係る定時株主総会において社
外取締役の選任議案を上程するときであっても記載が必要となるが、社外取締
役の選任を促進するという制度趣旨に鑑み、この場合における「相当でない理
由」の説明は、比較的簡潔なもので良いとされている。』

参考書類
『取締役が取締役選任議案を株主総会に提出する場合において、~(省略)~取
締役に就任したとすれば社外取締役となる見込みである者を候補者とする取締
役の選任議案を当該株主総会に提出しないときには、「社外取締役を置くこと
が相当でない理由」を株主総会参考書類に記載しなければならない(会社法施
行規則第74条の2第1項)。
~(省略)~
この「社外取締役を置くことが相当でない理由」については、当該株式会社の
その時点(株主総会参考書類の作成時点)における事情に応じて記載しなけれ
ばならず、社外監査役が2人以上あることのみをもって当該理由とすることは
できない。』

ご参考ください。

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4.[税務]マイナンバー対応方法
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マイナンバー。

このメルマガでも何度かお伝えしていますが、「要は何すればいいの?」の疑
問に明確に答えてくれる情報になかなかたどりつけないという状況ではないで
しょうか?これはマイナンバーに限らないのですが、概念的な話や制度の概要
ばかりではなく(もちろんある程度は必要ですが、これらが行き過ぎると誤解が
広がります。IFRSなんかもそうでしたよね。)、要は何すればいいか、事業者の
対応すべき項目を明示して、その理由を説明してくれるような解説が欲しいと
ころです。

この意味で、
民間事業者は、「個人番号関係事務実施者」となり、必要な対応を迫られます。

制度的なところは、こちらの
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/
で、「事業者のみなさまへ」の「事業者向けマイナンバー広報資料」と「特定
個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」がいいようです。

で、肝心のWhat to doですが、こちらが参考になるようです。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2015/021.html

主な準備事項として、以下のようにまとめられています。

(対象業務の洗い出し)
(1) マイナンバーの記載が必要な書類の確認
(2) マイナンバー収集対象者の洗い出し

(対処方針の検討)
(1) 組織体制の整備
(2) 社内規程の見直し
(3) 担当部門・担当者の明確化等
(4) 身元(実在)確認・番号確認方法に係る検討、明確化等
(5) 物理的安全管理措置の検討(区域管理、漏えい防止等)
(6) 収集スケジュールの策定

(マイナンバー収集対象者への周知)
(1) 収集までのスケジュールの提示(収集開始時期等の確定)
(2) 教育・研修
(3) 利用目的の確定・提示

(関連システムの改修 (自社にてシステム構築を行っている場合))
(1) 人事給与システム
(2) 健康保険組合システム

(委託先・再委託先の監督等)
(1) 委託先の選定
(2) 必要かつ適切な監督を行うための契約の締結(取り扱い状況を把握する方
法を含む)

(その他(法人番号について))

詳細は原本にあたってください。

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5.[最新J-GAAP]金融商品に関する実務指針の改正
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日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、会計制度委員会第14号「金融商品
会計に関する実務指針」及び「金融商品会計に関するQ&A」の改正を平成27年
4月16日づけで公表しています。

こちらご覧ください。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/14_34.html

(改正内容)

(1) 金融商品会計実務指針

「異なる商品間でのヘッジ」が認められるか否かに関して、他に適当なヘッ
ジ手段がない場合には、事前の有効性の予測を前提として、ヘッジ対象と異
なる類型のデリバティブ取引をヘッジ手段とすることができることについて、
企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基
準」という。)及び金融商品会計実務指針の取扱いは明確であるとの結論と
なりました。

この取扱いを周知するために金融商品会計実務指針第143項に一文を追加した
上で、結論の背景に第314-2項を新設することとしました。

(2) 金融商品会計Q&A

「ロールオーバーを伴う取引に関するヘッジ会計の適格性」に関して、金融商
品会計基準及び金融商品会計実務指針において取扱いが明確なケースについて
は、金融商品会計Q&AにQを新設し、周知すべきであるとの結論となりまし
た。

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6.[編集後記]
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4のマイナンバーはいずれ対応が必要になりますので、目を通してください。

マイナンバー、私も含めて十分な理解は進んでいないと思います。制度の仕組
についてなんとなくとっつきはじめた、という程度ではないでしょうか。マイ
ナンバーで、まず、疑問が出てくるのは、確定申告をしていない人がどれくら
いバレて怒られるのか、副業が会社にばれることがあるのか、保険料の不払い
がどれくらいばれるのか、などなど、不正がどれくらい摘発されるのか、です
よね。これについては、制度がきちんと機能すれば、全部ばれるんじゃないか
と思っています。
おかしなことをしている人はすぐに適正にしないといけないですよね。さて、
それで、ばれました、といった後にどういう制裁を受けるのか、たとえば、年
金払っていません、という方がばれたからといって、今既にそういう方いっぱ
いいるわけですから、どういう扱いになるのか、そういうあたりも含めてこれ
からしっかりお伝えしたいと思っています。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
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