◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.296-2015.07.27
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]新規ビジネスと移転価格
2.[監査]なぜ「粉飾」と呼ばないの?
3.[IFRS]「顧客との契約から生じる収益」適用は一年延期
4.[NEWS]コーポレート・ガバナンス・システムの在り方
5.[NEWS]発信力というより信用力だろう
6.[編集後記]

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1.[税務]新規ビジネスと移転価格
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 国際税務担当飯田の記事です。

当社は新しいビジネスを海外で立ち上げることになりましたが、当面は親会社
のサポートが必要であり、現地国における広告宣伝費を親会社で負担しようと
考えています。
この場合、移転価格上の問題は発生するでしょうか。

移転価格税制の基本的な考え方は、そのような経営上の戦略が独立企業として
合理的な行動であるかどうかです。つまり、同業他社も同様の戦略を採るので
あれば、移転価格税制上も認められることになります。
 
通常、海外市場に新規参入する際には、自社製品の認知度は低いと考えられま
す。現地国での認知度を高めるため、広告宣伝費の大部分を親会社が負担する
ことは経営戦略のうちの一つであり、経済合理性のある行動であると言えます。
子会社設立当初、同業他社も同じように広告宣伝費の負担をして、利益が計上
される段階で親会社が超過利益部分を享受するということであれば、移転価格
税制上の問題もないと考えらえます。

ただし、恣意的な所得移転と思われないために、新しいビジネスから親会社が
果たす機能、リスクに応じたリターンが見込まれる利益計画を親会社、子会社
ともに事前に決定されていることが必要です。負担する金額及び期間について
も同様です。

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2.[監査]なぜ「粉飾」と呼ばないの?
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東芝の粉飾問題ですが、こんな記事があるんですね。
http://thepage.jp/detail/20150725-00000003-wordleaf?page=1

これによると、現在では、

朝日 不正決算
毎日 不正会計
産経 利益水増し問題
読売 不適切会計
日経 不適切会計

としているようです。

表現の使用基準については、

『産経新聞社広報部「弊紙のその時点での編集判断です」

読売新聞グループ本社広報部「記事作成の経緯に関するご質問には従来お答え
していませんが、記事中の用語や表記は、事実関係に照らし、その都度適切な
ものを使用しています」

日本経済新聞社広報室「お問い合わせの件を含め、記事表現をめぐる判断につ
いては公表していません」』

ということのようです。

そもそも、なぜ、「粉飾決算」という用語を使わないのか。

毎日は、「粉飾決算」の用語使用について、「強制調査(捜査)の見通しが強
まったと判断できた段階で切り替えを検討する」(社長室広報担当)」とのこ
とですが、その他はどう考えているのかわかりません。

やはり東芝ほどの名門企業が「粉飾」をするはずがないという思い込みがあっ
たので調査、捜査の経緯を見守って、慎重な表現をしているということなので
しょうか。

マスコミだけではありません。第三者委員会ですら「不適切」という表現で一
貫しているようですしね。第三者委員会が「不適切」で通しているのなら、マ
スコミもそうするでしょうね。ただ、記事にもあるように「意図的でない」も
のも含むニュアンスの「不適切」を使用し続けるのはよくないと思います。

記事にもありますが、「粉飾疑惑」。これが適当だった気がしますがいかがで
しょうか。今はもう疑惑ではないですから、「粉飾」でいいはずですが。

いずれにしても「不適切」というと、あのビル・クリントンの「不適切な関
係」をイメージしてしまいますね。違法ではないが、大統領として適切ではな
い、というような。

これは違法です。もっと厳しく糾弾されなければいけないものと思います。

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3.[IFRS]「顧客との契約から生じる収益」適用は一年延期
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IASBは2015年7月22日、IFRS15「顧客との契約から生じる収益」の適用を一
年延期して発効日を2018年1月1日とすることを確認しています。

http://www.ifrs.org/Alerts/PressRelease/Pages/IASB-confirms-one-year-deferral-of-effective-date-of-revenue-Standard.aspx

この収益の基準は、IASBとFASBが共同で発行しており、2017年1月1日が発
効日とされていました。いずれも発効日を一年遅らせることを確認しています。
早期適用は可能です。

また、IASBは今月末に企業の当該基準への準拠をサポートする解説を発行
する予定のようです。これは理解を助けるものとして必要ですね。

ハンス・フーガ―ホースト議長は、以下のようにコメントしています。
「この延期は、企業に、この基準を履行するにあたって、IASBが近く提示す
る解説を概観するための、より多くの時間を与えてくれるものになるでしょう。
また、IASBとFASBが発効日を揃えることにもなります。」

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4.[NEWS]コーポレート・ガバナンス・システムの在り方
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経済産業省は2015年7月24日、コーポレート・ガバナンス・システムの実践
~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~という報告書をHPに掲載して
います。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/corporate_gov_sys/report_001.html

「これまでに経験したことのない不確実性の下で、これまでに類をみない生産
性の向上が求められる中において、資本市場からの期待に応えられるよう、企
業における経営者・従業員を含めた人材を如何にインセンティブ付けしていく
かが大きな課題になっている。」

ということで、以下のような形でまとめられています。

(基本的な考え方)
(1) 中長期的な企業価値向上のためのインセンティブ創出
報酬、保険や補償条件等の役員就任条件を適切に活用する等です。

(2) 取締役会の監督機能の活用
  意思決定機能だけではなく、監督機能を果たすことが求められます。

(3) 監督機能を担う人材の流動性の確保と社外取締役の役割・機能の活用

(4) 具体的な取組と制度の双方を踏まえた検討の必要性

(具体的な施策)
(1) 企業における実務(プラクティス)の整理
 ・新しいボードプラクティス
  具体例が取りまとめられています。
 ・報酬設計や会社役員責任保険の活用に関する実務上の工夫
  インセンティブ報酬や、会社役員賠償責任保険(D&O保険)を活用するべき。

(2) 関連する法令解釈の明確化等
 ・取締役会の上程事項
 ・社外取締役の役割・機能等
 ・役員就任条件

役員にもっと大胆なインセンティブが導入されるようになるのでしょうか。

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5.[NEWS]発信力というより信用力だろう
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麻生大臣の言葉ですが、その通りですね。
http://jp.reuters.com/article/2015/07/24/idJPL3N1041GJ20150724

東芝の久保氏が部会辞任しましたね。

金融庁の会計部会はIFRSの任意適用拡大と日本として望ましい国際会計基準
のあり方について発信することを目指しています。

東芝の監査委員会委員長だった久保氏はこの金融庁の会計部会の臨時委員でし
たが、21日に東芝の取締役と監査委員長を辞任して、同日、金融庁会計部会の
臨時委員も辞任する意向を伝えたとのことです。

これを受けて麻生財務・金融担当大臣曰く、

「(懸念すべきなのは)発信力というより信用力だろう」と述べたとのことです。

確かに日本市場の会計は一体どうしてこうもダメなんでしょうね。粉飾が断続
的に続いているイメージがありますね。治安もよく、低い犯罪率を誇る国のは
ずなのに、どうして粉飾はなくならないのでしょう。海外でも東芝
Accounting Scandalとして報道されているみたいですしね。

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6.[編集後記]
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週末は地元で夏祭りでした。
今年も昨年と同様、祭りの準備に駆り出されました。朝一番で神社に集合して、
倉庫から神輿を出して、飾りつけます。それぞれの町会の荷物をそれぞれの御
幸所まで運びます。神社で神主さんのお祓いが終わったら社務所で軽食。その
後は皆さんそれぞれの町会の御幸所の開設の準備をします。わたしも御幸所開
設の準備を手伝ったのですが。道路の上にかかっているちょうちんありますよ
ね。あれをとりつける仕事をしました。あるお方の住居の二階バルコニー部分
に棒を立てて提灯の電線をくくりつけ、もう片方は電柱に梯子をかけて登って
電柱のうえのほうにくくりつけ、という作業を二回ほど。他の先輩方は大変ご
高齢なので、わたしがやらないといけないと思いまして。少しずつ、覚えてい
かないといけませんよね。月曜は朝5:30に集合して御幸所の撤収です。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

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個人会計士による会社法監査
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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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