◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.334-2016.04.25
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]移転価格文書はどのように作成するのか~リスク分析
2.[最新J-GAAP]減価償却方法の定額法への変更は会計基準等の改正に伴う会
        計方針の変更
3.[税務]消費税の軽減税率制度に関するQ&A(つづき)
4.[開示]金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告
5.[編集後記]

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1.[税務]移転価格文書はどのように作成するのか~リスク分析
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移転価格文書を作成するに当たって、機能とリスクはあわせて把握する必要が
あります。負担する機能・リスクが多いほど、その会社の利益率は高くなる傾
向にありますので、例えば、研究開発機能を有する親会社の利益率より販売機
能しか持たない子会社の利益率が高い場合、移転価格リスクの可能性は高くな
ります。

記載すべき主なリスクの内容は、研究開発リスク、参入している市場のリスク、
外国為替等の金融リスク、売掛金の回収などの信用リスク、製造物責任リスク
などです。各リスクについての負担関係が明確となるように記載します。

研究開発活動を例にあげると、誰が研究開発費を負担し、誰が研究開発によっ
て生じた無形資産を所有するのか、誰が失敗の責任を取るのかなど、リスクが
顕在化する可能性の程度、リスクへの負担についての責任関係、リスク管理の
ための施策等を確認しておきます。

ただし、研究開発機能はあるものの、開発受託のように成功しても失敗しても
その対価を得られるような場合は、研究開発の機能及びリスクを負担している
というわけではなく、研究開発という役務を提供しているに過ぎません。
 
記載例は以下の通りです。

5-2 リスク分析

A 研究開発リスク
ELグループにおける研究開発はすべてEL社が行い、その費用もEL社がすべ
て負っている。研究開発の成果はすべてEL社に帰属することとされ、また研究
開発の失敗によりELインドネシア社にその負担を求めることはない。

B 市場リスク
EL社は日本国内で、ELインドネシア社はインドネシア国内でそれぞれ販売活
動を行っており、自国内での市場リスクは各社が負っている。EL社がELインド
ネシア社の製品を買い取ることはない。

C 為替リスク
EL社とELインドネシア社との取引は米ドルで行われているため、双方が為
替リスクを負担している。

D 信用リスク
ELグループでは、各社が自社で生じる売掛金の回収リスクを負う。なお、こ
れまでEL社とELインドネシア社間における売掛金の回収について問題が生
じたことはない。

E 製造物責任リスク
ELグループでは、自社製品に瑕疵があった場合、製造物の責任はその製造者が
それぞれ責任を負う。

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2.[最新J-GAAP]減価償却方法の定額法への変更は会計基準等の改正に伴う会
        計方針の変更
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ASBJでは、平成28年税制改正に基づき、平成28年4月1日以降取得の建物附
属設備及び構築物の減価償却方法を定額法に変更する場合、「法令等の改正
に準じたものとし、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱
う」こととする方針を固めました。

平成28年4月22日、実務対応報告の公開草案が公表されています。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/exposure_draft/depreciation/index.shtml

ただし、新実務対応報告の適用時期は「平成28年4月1日以後最初に終了する
事業年度又は四半期会計期間のみ」

とする方向とのことです。

これは、「従来,法人税法に規定する普通償却限度額を正規の減価償却費とし
て処理している企業が税制改正に合わせて会計方針を変更する場合に適用され
るものである」

ためとされています。

「今回の対応は,取り扱う範囲を平成28年度税制改正の建物附属設備及び構
 築物に限定した緊急的なものであり,今回に限られた対応」

とのことです。

なお,当日の審議で事務局は,今回の対応が「今後,当委員会において,抜本
的な解決を図るために減価償却に関する会計基準の開発に着手することの合意
形成に向けた取組みを速やかに行うことを前提」としているものの、その具体
的な日程は示されなかったということです。

後手にまわってしまったということなんでしょうかね。本来、法人税法の改正
により企業の減価償却の方法が影響を受けるべきではないはずです。しかしな
がら、実務上、税法に大きく依存している現状からこうせざるをえないという
ことなのでしょう。

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3.[税務]消費税の軽減税率制度に関するQ&A(つづき)
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引き続き軽減税率の適用の有無をみてみます。

・屋台のおでん屋やラーメン屋での飲食料品の提供
 →適用対象外

 ただし、
 テーブル、椅子、カウンター等がない場合
 テーブル、椅子、カウンター等はあるが、例えば、公園などの公共のベンチ
 等で特段の使用許可等をとっておらず、顧客が使用することもあるがその他
 の者も自由に使用している場合
 は、軽減税率の適用対象

・イートインスペースのあるコンビニでの弁当等の販売
 トレイや返却が必要な食器に入れて飲食料品を提供する場合などは、適用対
 象外です。

 ただし、持ち帰ることも店内で飲食することも可能な商品については、「顧
 客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率
 の適用対象となるかならないかを判定する」ことになります。
 大半の商品が持ち帰りであることを前提として営業しているコンビニの場合
 は、例えば、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」等
 の提示をして意思確認を行うなど、営業の実態に応じた方法で意思確認を行
 うことで差支えないそうです。

・ファーストフードのテイクアウト
 適用対象。ただ、これも意思確認が必要になります。

・飲食店で残りを持ち帰る場合
 適用対象外。すごい話になってきました。

・公園のベンチでの飲食
 移動販売車で食品を販売しており、これが公園のベンチのそばで、顧客がそ
 の公園のベンチを利用して飲食している場合は、適用対象です。

・旅客列車の食堂車での食事、移動ワゴン販売の飲食料品の販売
 食堂車での食事→適用対象外。
 移動ワゴン等→適用対象

色々と細かいですね。そもそもあがるかどうか微妙なわけですが。

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4.[開示]金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告
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金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」は、平成27年11月
より計5回にわたり、企業の情報開示のあり方等について、検討及び審議を行
っており、この度、「ディスクロージャーワーキング・グループ報告-建設的
な対話の促進に向けて-」を公表しています。

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20160418-1.html

内容は、

○制度開示(決算短信、事業報告等、有価証券報告書)の開示内容の整理・共
 通化・合理化

 開示内容の自由度を高め、例えば、事業報告等と有価証券報告書の開示内容
 の共通化や、欧米に見られるような両者の一体的な書類としての開示などを
 より容易にします。

○非財務情報の開示の充実
 有価証券報告書の経営方針・経営成績等の分析等の記載を充実。任意開示も
 活用し、対話に資する情報の開示を促進します。

 これにより、
(1)決算短信については、
 ・監査・四半期レビューが不要であることの明確化
 ・速報性に着目し記載内容を削減
 ・記載を要請する事項をサマリー情報、業績概要、連結財務諸表等に限定

(2)事業報告等については、
 ・経団連ひな形に即している必要はない旨を明確化し、有価証券報告書との記
  載の共通化や一体化を容易に

(3)有価証券報告書については、
 ・事業報告との共通化(大株主の状況の計算における自己株式の取扱い)
 ・記載の重複排除のための開示内容の合理化(新株予約権等)
 ・経営方針等や経営者による経営成績等の分析等の記載を充実

 などが期待されます。そもそも完全に一体化ということではないようですが、
 かなり効率化することになりそうです。

○より適切な株主総会日程の設定を容易とするための見直し
 開示の日程、手続に係る自由度を高め、株主総会までに十分な期間を置いて情
 報が開示されるなど、対話に資する情報のより適時な開示を促進

 ・株主総会日程の後ろ倒しを容易にする開示の見直し
 ・事業報告等の電子化の推進

○その他
 ・単体IFRSの任意適用の検討
 ・フェア・ディスクロージャー・ルールの導入に向けた検討の実施
 ・投資者のリテラシー向上等に向けた取り組みの充実

などです。

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5.[編集後記]
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子供が高校生になると、やはり大学受験が気になります。色々うかがうと、今
の大学受験制度は難しいのですね。センター利用、一般入試、AO推薦、公募推
薦と、本当に複雑です。私自身推薦でしたから、そもそも知識が不足している
のでしょうけれども。先日、近年の状況をうかがう機会があったのですが、大
学入試改革の結果、かなりおかしな状況になっているように感じました。AO
含む推薦の枠が増加しており、このため、一般入試の倍率がかなり上がってい
るようです。そのわりに、推薦の学生と一般入試の学生の学力差は大きいよう
で、推薦の学生は入学後にドロップアウトしてしまうケースも多いとうかがい
ました。うちの子は推薦なんて無理ですから一般入試なんでしょうけれども、
かなりハードルが高いようで、困りました。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

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