◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.355-2016.10.20
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]ビットコイン、通貨と同じ位置づけに
2.[税務]企業の納税、全てネットで
3.[税務]タイムスタンプ
4.[監査]非営利法人への公認会計士監査の導入に当たって
5.[NEWS]有償新株予約権と株式報酬費用
6.[編集後記]

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1.[税務]ビットコイン、通貨と同じ位置づけに
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仮装通貨ビットコイン。

Wikipediaからざっと紹介します。
・サトシ・ナカモトという日本人名の人物が投稿した論文に基づいている。
・Peer to peerネットワークにより運営される。Peer to peerとは、複数
 の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつで、対等の者(Peer、
 ピア)同士が通信をすることを特徴とする通信方式、通信モデル、あるいは、
 通信技術の一分野を指す。
・ビットコインの所有権移転はトランザクションと呼ばれ、仲介者なしでユー
 ザ間で直接に行われる。
・ビットコインはトランザクション処理作業に対する報酬という形で新規に発
 行される。
・ユーザ達が計算能力を提供することでトランザクションは検証され、公開元
 帳に記録される。このトランザクションの検証・記録作業はマイニング(採
 掘)と呼ばれ、マイナー(採掘者)はトランザクション手数料と新規発行ビッ
 トコインを報酬として受け取る。

仕組みはいまいちよくわからないのですが、商品・サービスや他の通貨と交換
可能ということですから、決済手段として機能しますし、取引所が存在します
ので、価格が変動するという特徴があります。

これを購入した場合の会計上、税務上の取扱いですが、

○会計上は現金ではない。

○税務上は購入時に消費税が課税される。

という取扱いになっていました。

このうち、税務上の取扱いにつき、

日経有料記事
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS11H3I_R11C16A0MM8000/

「財務省と金融庁はビットコインなどの仮想通貨(総合2面きょうのことば)
を買うときにかかる消費税を2017年春をメドになくす調整に入った。仮想通貨
をモノやサービスでなく「支払い手段」と明確に位置づける。事業者の納税事
務がなくなるほか、利用者は消費税分の価格が下がって買いやすくなる。仮想
通貨が「お金」としての存在感を増すのは確実だ。」

とのことです。

会計上の取扱いも明確にすべきでしょう。

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2.[税務]企業の納税、全てネットで
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日経有料記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H6I_S6A011C1MM0000/

「総務省は企業が支払う税金をすべてインターネットを通じて納められるよう
にする。現在、国税はネット納税できるが、地方税では9割以上の自治体が対
応していない。2019年度にも全自治体が使える共用システムを構築、利用を促
し、企業の納税を効率化する。」

9割以上の自治体が対応していない、そうだったかな、と思い、見てみまし
たが、eltaxのサイトに「地方公共団体ごとのサービス状況」というページが
ありますね。こちらによると、確かに対応していないところが多いようです。
各県をクリックすると、各自治体の対応状況がわかります。

http://www.eltax.jp/www/contents/1399944370341/index.html

「日本の納税の効率化は海外に比べ遅れている。世界銀行などの調査によると、
日本企業の納税にかかる時間は年330時間。経済協力開発機構の加盟国平均の
1.9倍だ。世界で「電子申告・納税の導入が納税の時間、回数の減少に大きく
影響している」(米大手会計事務所)なか、国際競争力を高めるために改善を
求める声が出ている。」

これはいまどき当たり前ですよね。早期に導入して欲しいものです。

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3.[税務]タイムスタンプ
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タイムスタンプはご存知でしょうか。

平成28年度税制改正に伴い、今年9月30日以後の承認申請分から、スマート
フォンやデジタルカメラを含めたスキャナにより国税関係書類のスキャナ保存
が可能となっています。

スキャナ保存にあたっては、リンクのような要件を満たす必要があります。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/dennshichobo/jirei/ans3/02.htm#a13

スキャナを書類の受領者等が読み取る場合、受領等後、受領者等が署名の上、
特に速やか(3日以内)にタイムスタンプを付す必要があります。

このタイムスタンプとは、要は、はがきに押印される日付のスタンプの電子版
というイメージでいいと思います。私なり勝手な説明ですが。

具体的には、色々な説明があり、どれもわかりにくいのですが、まずは、付け
方からイメージしたほうがよいように思います。付け方は二種類あるそうです。

・タイムスタンプを埋め込んだPDFとして出力
・通常のPDFと(タイムスタンプトークン)ファイルを別々に出力

これらは専用のソフトウェアやクラウドサービスを通じて、ベンダーのシステ
ム又はタイムスタンプ局にネットワーク上で接続することにより、コンピュー
タ間でやり取りが行われるようです。

このタイムスタンプは、一般財団法人日本データ通信協会が認定したものに限
られ、その費用は、一回当たり0.8円~8円のようです。

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4.[監査]非営利法人への公認会計士監査の導入に当たって
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日本公認会計士協会から、会長声明「非営利法人への公認会計士監査の導入に
当たって」を平成28年10月13日付けで公表されています。

http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/jicpa_pr/news/20161013v7u.html

内容は、「平成29年4月1日に開始する会計年度から一定規模を超える社会福
祉法人に公認会計士監査が導入されることになり、」
また、
「一定規模以上の医療法人にも、公認会計士監査が導入されることとなって」
いるため、

「会員各位におかれましては、公認会計士の役割に対する社会的な期待を改め
て自覚し、監査及び会計の専門的知識に加えて、実務を通じて蓄積した知見を
十分に活かし、公認会計士監査を実施し、監査を通じて監査対象法人の経営力
の強化に資することができるよう、自ら研鑽に努めていただくようお願いしま
す。」

「なお、監査の実施に当たっては、適切な監査時間や報酬を確保することで監
査の品質を確保するとともに、監査対象法人の関係者が、監査時間も含めた監
査に関する事項を理解し、効果的な連携をもたらすような関係を構築するため
にも、適宜十分なコミュニケーションを図り、監査対象法人の特性に合わせ、
効率的・効果的な監査を行うことなどにも留意いただくようお願いいたしま
す。」

とのことですね。

新たなフィールドが増すことはいいことだと思います。私も研鑽を積みたいと
思います。

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5.[NEWS]有償新株予約権と株式報酬費用
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権利確定条件付きで、新株予約権を有償で発行した場合、実務上は発行時に払
い込まれた金額を新株予約権として計上し、権利行使された場合に払い込まれ
た金額を資本金や資本剰余金に計上することが通例になっています。

これにつき、トーマツさんが、「資本取引でなく報酬として決算に費用計上せ
よ」と言い出しているという記事です。

新株予約権でトーマツ「暴走」
https://facta.co.jp/article/201611012.html

そもそも、権利確定条件付き有償新株予約権について、既存の会計基準では、
企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む
複合金融商品に関する会計処理」(「複合金融商品適用指針」)、及び企業会
計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」(「ストック・オ
プション会計基準」)のいずれの適用対象となるのかについて、必ずしも明ら
かではありません。

ASBJでも検討はしているのです。

複合金融商品適用指針とストック・オプション会計基準のそれぞれで会計処理
を行った場合にどのようになるのかはこちらがいいですかね。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/minutes/20151204/20151204_23.pdf

業績条件を充足することが明らかになったときに、複合金融商品会計基準に従
った場合は仕訳なしですが、ストック・オプション会計基準に従った場合は株
式報酬費用が生じています。

これについて、どうなるかはまだわかりませんが、ASBJでは、ストック・オ
プション会計基準に従った場合は、経過的な取扱いが必要になるとして、以
下三つの案が検討されています。

【案1】当期の財務諸表と併せて表示される過去の財務諸表(「比較情報」)
    に遡及適用による影響を反映する。
【案2】適用初年度の期首において、それまでに発行した権利確定条件付き有
償新株予約権について新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年
度の期首時点における累積的影響額を、適用初年度の期首の剰余金等
に加減する。
【案3】適用日以降に発行した権利確定条件付き有償新株予約権から新たな会
計方針を将来に向かって適用する。

上記の記事ではこれらの議論が生煮えのままであるにも関わらず、トーマツは
強行しようとしているという伝え方をしています。

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6.[編集後記]
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随分とご無沙汰してしまいまして、大変失礼いたしました。ちょっと古めの
話題も含まれているような状態になってしまいました。9~10月は何かと出張
や、厄介な出来事が多く、公私ともに疲れがたまり、ややバテ気味です。これ
から復活していきますので、ご容赦ください。

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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