◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.357-2016.11.10
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP&税務]法人税等会計基準の公開草案
2.[最新J-GAAP]リスク分担型企業年金の会計処理等
3.[NEWS]福島廃炉費用分割計上容認案
4.[開示]企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正案
5.[編集後記]

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1.[最新J-GAAP&税務]法人税等会計基準の公開草案
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ASBJは、「法人税等、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」を近く公
表します。10月25日開催の第42回税効果会計専門委員会で明らかにされま
した。

タビスランド記事
http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/2a03c8904e6f853f492564990021bb43/4a4015fa9ac233d34925805a0015392b?OpenDocument

“日本公認会計士協会(JICPA)の監査・保証実務委員会実務指針第63
号「諸税金に関する会計処理及び表示に関する監査上の取扱い」等をASBJ
に移管するための措置。基本的に監査保証実務指針63号等の内容を踏襲した
うえで表現の見直しや考え方を整理、実質的な内容の変更は意図していない。”

とのことですので、実質的には変更はないようです。

これについて委員会で出た意見のまとめをみました。あまり気になる部分はあ
りませんでしたが、強いていえば、

“事業税(付加価値割及び資本割)の更正等の開示について、当該追徴又は還
 付が臨時に発生したもので、かつ、その金額が巨額である場合、特別損益と
 して表示することができないのかを確認したい。”

“~「原則として」という表現を用いるなど、実態に応じた表示区分を判断で
 きるよう幅をもった表現とすることがよいと考える。”

つまり「原則として」販管費で、特別損益で処理することもありうるという表
記になりそうです。

個人的には均等割は所得に比例していないので販管費とすべきではないかと思
いますが。そんな議論は出ていないようですね。。

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2.[最新J-GAAP]リスク分担型企業年金の会計処理等
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金融庁は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改
正する内閣府令(案)」を公表しています。

http://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20161107-1.html

“企業会計基準委員会(ASBJ)において、企業会計基準公開草案第58号「退
職給付に関する会計基準(案)」、企業会計基準適用指針公開草案第56号
「退職給付制度間の移行等に関する会計処理(案)」及び実務対応報告公開草
案第47号「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い
(案)」を公表(コメント募集期間:平成28年6月2日~8月2日)したこと
を受け、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等について所要の
改正を行うものです。”

適用日についても、

“上記の公開草案の結果を踏まえ公表される企業会計基準「退職給付に関する
 会計基準」等の適用日と同日から施行予定。”

ということになります。

財規等の変更は注記が拡充されるということですが、そもそも会計処理がどう
だったか。

リスク分担型企業年金の会計処理について、おさらいしておきましょう。

■範囲
確定給付企業年金法に基づいて実施される年金制度のうち、給付の額の算定に
関して、一定の調整率が規約に定められる企業年金制度の会計処理及び開示に
適用されます。

調整率とは、積立金の額、掛金額の予想額の現価、通常予測給付額の現価及び
財政悪化リスク相当額に応じて定まる数値をいいます。

このリスク分担型企業年金とは、平成27年6月30日に閣議決定された「『日
本再興戦略』改訂 2015」に基づき実施する施策として、平成28年度に導入
されるものです。例えば、会社は多めの掛金を拠出する代わりに、将来の追加
的な掛金拠出義務から解放されるのに対し、従業員は運用による給付減額リス
クを負う代わりに、給付増額が期待できるというような形のものがあるようで
す。

リスク分担型企業年金の概要については、
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/exposure_draft/taikyu2016/taikyu2016_01.pdf
の【参考資料】をご参照ください。

■会計処理
(会計上の退職給付制度の分類)
(1)リスク分担型企業年金のうち、リスク分担型企業年金のうち、企業の拠出
  義務が、給付に充当する各期の掛金として、制度の導入時の規約に定めら
  れた標準掛金相当額、特別掛金相当額及びリスク対応掛金相当額の拠出に
  限定され、企業が当該掛金相当額の他に拠出義務を実質的に負っていない
  ものは、確定拠出制度に分類します。

(2)上記(1)以外のリスク分担型企業年金は、確定給付制度に分類します。

(分類の再判定)
 退職給付会計基準第 4 項に定める確定拠出制度に分類されるリスク分担型
 企業年金は、制度の導入後、新たな労使合意に基づく規約の改訂の都度、会
 計上の退職給付制度の分類の(1)及び(2)(上記参照)に従い、会計上の退職
 給付制度の分類を再判定します。当該分類の再判定にあたっては、会計上の
 退職給付制度の分類の(1)の「制度の導入時の規約」を「直近の規約の改訂
 時おける改訂後の規約」と読み替えます。

(会計処理)
 確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金については、規約に基づき
 あらかじめ定められた各期の掛金の金額(移行時に未払金等を計上した特別
 掛金相当額を除く。)を、各期において費用として処理します。

(退職給付制度間の移行に関する取扱い)
 確定給付制度に分類される退職給付制度から確定拠出制度に分類されるリス
 ク分担型企業年金に移行する場合、退職給付制度の終了に該当します。
 この場合、次の会計処理を行います。

 (1)リスク分担型企業年金への移行の時点で、移行した部分に係る退職給付
   債務と、その減少分相当額に係るリスク分担型企業年金に移行した資産
の額との差額を、損益として認識します。移行した部分に係る退職給付
債務は、移行前の計算基礎に基づいて数理計算した退職給付債務と、移
行後の計算基礎に基づいて数理計算した退職給付債務との差額として算
定します。

(2)移行した部分に係る未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異は、
損益として認識します。移行した部分に係る金額は、移行した時点にお
ける退職給付債務の比率その他合理的な方法により算定します。

(3)上記(1)及び(2)で認識される損益の算定において、確定給付制度に分類
される退職給付制度から確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年
金への移行の時点で規約に定める各期の掛金に特別掛金相当額が含まれ
る場合、当該特別掛金相当額の総額を未払金等として計上します。

(4)上記(1)から(3)で認識される損益は、原則として、特別損益に純額で表
示します。

導入を検討されている会社様はご参考ください。

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3.[NEWS]福島廃炉費用分割計上容認案
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東京電力福島第1原子力発電所の廃炉費用の確保や計上方法について、経済産
業省が検討している枠組みの全容が判明したということです。

“東京電力ホールディングス(HD)が費用の一括計上で債務超過に陥らない
よう、会計ルールを改正し、分割して計上することを認める。”

“費用の確保策は、東電が国の管理下で資金を積み立てる制度の創設のほか、
電力小売りに参入した新電力を含めた電力会社が送電線を利用する際の利用
料「託送料金」に上乗せする案も検討する。”

また出ましたね。分割計上。

“経産省が示した枠組みでは、電力会社の会計ルールを定めた「電気事業会計
規則」を改正し、福島第1原発の廃炉費用を期間を定めて分割計上できるよ
うにする方針。期間は今後協議する。ただ、確実に費用を確保できる裏付け
がなければ安易に分割計上は認められないため、積立金制度創設などを検討
する。”

“積立金制度は、東電HDがコスト削減など経営努力で捻出した資金を国の
「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に積み立て、機構が必要に応じて支出
する仕組み。機構が廃炉の工程を管理するなど関与を強め、資金を安定的に
確保する。”

積立金制度の創設は構わないですが、引当金は計上しましょうよ。会計をいじ
ったからって何がかわるというのですか。

企業会計原則注解18には、
「将来の特定の費用又は損失であって、その発生事由が当期以前の事象に起因
し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる
場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰
入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するも
のとする。」

とあります。色々難しい問題はあるのでしょうけれども、私自身は、原発に反
対してこなかった責任は、日本国民が負わなければならないのではないかと思
っています。公害も今回の事故も、経済発展を追い求め、際限なく欲望を追及
してきたツケなのではないでしょうか。特に電力に関しては私も原発で作られ
た電力を何の疑問ももたずにのんきに消費してきたわけですから。もちろん東
京電力の経営努力は必要ですが、それで追いつかない分は国が巨額の立替、あ
るいは融資をするなりしないと。

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4.[開示]企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正案
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金融庁は、平成28年11月8日、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改
正案を公表しています。
http://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20161108-2.html

具体的には、現在、決算短信の記載内容とされている「経営方針」について、
決算短信ではなく有価証券報告書の記載内容に「経営方針」を加えるための改
正が行われようとしています。

「対処すべき課題」が「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」となるよう
ですね。

「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
a 最近日現在において連結会社(連結財務諸表を作成していない場合には提
出会社。以下(32)において同じ。)が経営方針・経営戦略等を定めてい
る場合には、当該経営方針・経営戦略等の内容を記載すること。また、経
営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等がある場合には、
その内容について記載すること。
b 最近日現在における連結会社の経営環境並びに事業上及び財務上の対処す
べき課題について、その内容、対処方針等を具体的に記載すること。 な
お、基本方針を定めている会社については、会社法施行規則(平成18年
法務省令第12 号)第118条第3号に掲げる事項を記載すること。
c 将来に関する事項を記載する場合には、当該事項は届出書提出日現在にお
いて判断したものである旨を記載すること。」

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5.[編集後記]
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ジャカルタ行ってきました。やはり実際に行ってみると、大きく印象に残りま
すし、現地の人の話をうかがうのは勉強になります。
実は大規模なデモがありました。デモには10万人が参加しイスラム教を侮辱
したとして州知事の刑事訴追が求められたそうです。催涙ガスが使用され、約
160人が手当を受けたそうです。現地では車が黒焦げになっていたという話も
聞きました。
外務省から注意情報も出ていたのですが、私たちはデモが行われた地域には近
寄りませんでしたので、デモ自体を目にすることもありませんでした。私たち
が到着したまさにその日にデモが行われていましたので、道路が随分とすいて
いたんですよね。ジャカルタといえば大渋滞が有名ですが、最初二日は比較的
道がすいていて、現地の駐在員曰く、「こんなの珍しいです。」との話をうか
がいました。ある意味ラッキーだったのかもしれません。
デモの翌日も比較的道路状況は平穏でしたが、さらに翌日になると、いつもの
ジャカルタの様相を取り戻して、いやあ、すごいすごい。バイクにこども二人
含めて四人乗っているなどというのも頻繁にみましたし、車は交差点でごちゃ
ごちゃになっていますし、どこからこんなにバイクがわいてくるのか。そして
よく事故にならないなと感心しました。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

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個人会計士による会社法監査
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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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