◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.228-2014.03.26
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]平成26年度税制改正関連法成立
2.[税務]税理士法改正の意義?
3.[最新J-GAAP&税務]100%グループ内の子会社株式の移転に係る税効果
4.[税務]問題139
5.[編集後記]

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1.[税務]平成26年度税制改正関連法成立
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平成26年度税制改正に関する法案「所得税法等の一部を改正する法律案」及
び「地方法人税法案」が平成26年3月20日(木)に国会で可決・成立しま
した。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/trend/sy012t.htm

概要は以下のとおりです。
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(1)法律案の概要
個人所得課税
○ 給与所得控除の上限の引下げ:給与所得控除の上限額が適用される給
与収入1,500万円(控除額245万円)を、平成28年より1,200万円
(控除額230万円)に、平成29年より1,000万円(控除額220万円)に
引下げ

法人課税
○ 生産性向上設備投資促進税制の創設:生産性の向上につながる設備へ
の投資に対して即時償却又は5%税額控除ができる措置を創設(所得
税についても同様)

○ 中小企業投資促進税制の拡充:生産性の向上につながる設備への投資
に対して即時償却又は7%税額控除(資本金3,000万円以下の企業は
10%)(所得税についても同様)

○ 所得拡大促進税制の拡充:1給与等支給増加割合の要件の見直し(基
準年度と比較して、現行5%以上増加→平成25・26年度:2%、平成
27年度:3%、平成28・29年度:5%)2平均給与等要件の見直し
(全従業員の平均給与→継続従業員の平均給与)(所得税についても同
様)

○ 復興特別法人税の廃止:復興特別法人税の課税期間を1年前倒しして
終了

○ 交際費課税の緩和:飲食のための支出の50%の損金算入

消費課税
○ 自動車重量税のグリーン化:エコカー減税の拡充及び経年車に対する
課税の見直し

国際課税
○ 国際課税原則の総合主義から帰属主義への変更

納税環境整備
○ 換価の猶予制度の見直し:納税者の申請に基づく換価の猶予の創設等

期限切れ租税特別措置の延長等
○ 特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税
率の軽減措置の延長(2年)

○ 旅行者等が入国の際に携帯等して輸入するウイスキー等又は紙巻たば
こに係る酒税又はたばこ税の税率の特例措置の延長等(1年)

(2)施行日
平成26年4月1日
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このメルマガの読者にとっては概ねアタマに入っていることですよね。とう
とう成立したか、という感じです。

さて、問題の「復興特別法人税の課税期間を1年前倒しして終了」ですが、
税効果の税率に影響しますからね。注意が必要です。

税効果の実効税率は公布日基準でしたね。

「税率変更に係る改正税法が公布された日を含む年度の法人税等調整額に加
減して処理する」ことになります(個別財務諸表における税効果会計に関する
実務指針19)。

今回の法案成立で、「施行日」は平成26年4月1日となりました。

「公布」と「施行」?
こちらに詳しく載っています。
http://www.clb.go.jp/law/process.html

「公布」は、成立した法律を一般に周知させる目的で、国民が知ることので
きる状態に置くことをいい、法律が現実に発効し、作用するためには、それ
が公布されることが必要です。
なお、法律の効力が一般的、現実的に発動し、作用することになることを
「施行」といい、公布された法律がいつから施行されるかについては、通常、
その法律の附則で定められています。

ということのようですので、4月1日が「施行」なら3月31日以前に「公布」
されるんでしょうね。

ですから、繰延税金資産取崩の可能性、かなり高いですよ。関連企業の方々、
ご確認くださいませ。

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2.[税務]税理士法改正の意義?
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この関連の記事はこれで最後にしますね。

税理士業界が、例の公認会計士に税理士資格を付与する際に、何等かの「能力
担保措置」が必要だと主張していた件ですけど、

基本的に以下のような対応になったはずです。
「税理士制度の信頼性向上に資するとともに、監査の信頼性確保にも配慮する
観点から、税理士法を改正し、税理士の資格について、現行第3条第1項
及び第2項とは別に、公認会計士は、公認会計士法第16条に規定する実務補
習団体等が実施する研修のうち、財務省令で定める税法に関する研修を受講す
ることとする旨の規定を設けることとする。」

これについて税理士法改正が3月20日に成立したんですけど、日税連の会長コ
メントは、
「~特に、税理士業界にとって永年の課題であった公認会計士への税理士資格
自動付与の廃止が実現したことは、極めて意義深いものがあります。~」
と言っています。
http://www.nichizeiren.or.jp/taxpayer/info.html#140320

うーん。誤解を招く感じがするかなあ。

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3.[最新J-GAAP&税務]100%グループ内の子会社株式の移転に係る税効果
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難しいですが、なるべく判りやすく書いてみたいと思います。会計・監査ジ
ャーナル2014年3月号 No.704からまとめます。

親会社P社
P社の100%子会社A社、B社
A社の100%子会社C社
A社の保有するC社株式の簿価1,000
C社の連結上の簿価1,300
C社株式につき配当受領を事由とする税効果は考慮しない
法定実効税率35%
連結納税制度は適用していない。

○「A社はC社株式をB社に1,500で売却することになった」

といった場合、どうなるでしょうか?

もともと、売却前において、連結上、

連結上の簿価1,300

個別上の簿価1,000

の差異300について、一時差異があるわけですが、これは、いわゆる「子会社
への投資に係る税効果」というもので、

「予測可能な将来、売却の意思決定が明確な場合~(省略)~を除き、認識しな
いこととする。」

ので、売却意思決定がなされる前は税効果を認識しませんが、この度売却の意
思決定がなされましたので、認識するのかなということになるわけです。

ただ、今回の売却はグループ内です。A社がB社に売却するだけで、その売却
益はグループ法人税制により繰り延べられます。

こんな状況でも、税効果を認識するのでしょうか?

認識するんですね。

確かに売却益は繰り延べられるのですが、もともとの一時差異は、

(売却前)
連結上の簿価1,300
個別上の簿価1,000
の差額  300

という状態でしたが、これが、売却すると

(売却後)
連結上の簿価1,300
個別上の簿価1,500
の差額  -200

ということになります。

すなわち、将来加算一時差異300が一旦解消して、新たな将来減算一時差異
200が発生するということになるのです。ちなみにこちらはB社がC社株式を
売却することが明確であれば税効果認識の対象になりますが、ここでは認識
しないものとします。

解消が予定されるものですから、売却意思決定時点で、連結上

法人税等調整額 105 / 繰延税金負債 105
※300*35%=105

という処理が起きるわけです。

○「A社はC社株式をB社に1,500で売却した」
というとどうなるでしょうか?
-個別-
(A社)
現金預金 1,500 / C社株式 1,000
         売却益   500
法人税等調整額 175 / 繰延税金負債 175

(B社)
C社株式 1,500 / 現金預金 1,500

-連結-
売却益 500 / C社株式 500

ここで繰延税金負債175は取り崩されるのかというと、取り崩されないんで
すね。税務上の調整負債は残っていますので。

一方で、売却意思決定時点で計上した繰延税金負債105が売却により解消して
いますので、
繰延税金負債 105 / 法人税等調整額 105

の仕訳が入るのです。

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4.[税務]問題139
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[問139]
消費税。増税が近いですね。

(ア)売買契約を平成26年3月26日に締結し、商品の納入日が4月20日である
場合の適用税率は?
(イ)平成26年3月20日に商品の予約を受け付け、4月20日に商品を顧客に販
売する場合の商品代金に係る適用税率は?
(ウ)インターネットで商品の販売を行う場合において、26年3月31日までに
注文を受け、代金決済したものについて、4月1日以後に商品を引き渡す
場合の適用税率は?

[答]
a.(ア)5% (イ)8% (ウ)5%
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.(ア)8% (イ)5% (ウ)8%
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.(ア)8% (イ)8% (ウ)8%
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はbです。

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5.[編集後記]
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消費税があがります。
定期券、新幹線、飛行機のチケット、ディズニーランドの年間パスポートなど
も3月中に購入すれば、5%ですからね。皆さん購入できる場合は購入してしま
ったほうがいいでしょうね。
うちはそもそもそんなに高額なもの買う必要もないので今のところ、駆け込み
消費すべきものは特に思いあたりません。うさぎのエサをちょっと早めに買っ
た位ですかね。

新住所はこらち
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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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