◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.262-2014.11.27
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
の会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[IFRS]IFRSの任意適用積み上げに関する取組み
2.[法務]会社法施行規則及び会社計算規則改正案
3.[法務]払込みの仮装に関する見直し
4.[税務]軽減税率の導入
5.[NEWS]コーポレートガバナンスコード
6.[税務]問題173
7.[編集後記]

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1.[IFRS]IFRSの任意適用積み上げに関する取組み
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金融庁IFRS対応方針協議会では、
平成25年11月8日に、IFRSの任意適用の積上げに関する各団体の取組みを公
表しています。

また、平成26年9月19日に開催された第3回IFRS対応方針協議会で、平成
25年11月8日以後のIFRSの任意適用の積み上げに向けた各団体の取組につい
て報告がなされ議論がなされています。

http://www.fsa.go.jp/inter/etc/20141121-1.html

ご参考ください。

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2.[法務]会社法施行規則及び会社計算規則改正案
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法務省は、平成26年11月25日、会社法施行令及び会社計算規則改正案を公
表しています。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080119&Mode=0

(会社法施行規則の改正案)
(1) 監査等委員会設置会社に係る規定の整備
(2) 株主総会参考書類及び創立総会参考書類に係る規律の改正
 「社外取締役を置いていない一定の株式会社等が、取締役の選任議案を株主
総会に提出する場合に、社外取締役となる見込みである者を候補者とする取
締役の選任議案を当該株主総会に提出しないときは、株主総会参考書類に、
社外取締役を億ことが相当でない理由を記載しなければならない。」
(3) 事業報告及びその附属明細書に係る規律の改正
 「事業年度の末日において社外取締役を置いていない一定の株式会社は,社外
取締役を置くことが相当でない理由を当該事業年度に係る事業報告の内容と
しなければならない」
「内部統制システムの運用状況の概要、当該株式会社とその親会社等との間の
一定の利益相反取引が当該株式会社の利益を害さないかどうかについての取
締役の反破断及びその理由等を事業報告の内容に追加する。」
(4) 子会社等及び親会社等に係る規定の新設
(5) 支配株主の異動を伴う募集株式の発行等に係る規定の整備
(6) 出資の履行の仮装に係る規定の新設
(7) 多重代表訴訟等に係る規定の整備
(8) 内部統制システムの整備に係る規定の改正
(9) 特別支配株主の株式等売渡請求に係る規定の整備
(10) 全部取得条項付種類株式の取得及び株式の併合に係る規定の整備
(11) 定義規定の改正
(12) ウェブ開示事項の拡大
(13) 組織再編における事前開示事項及び事後開示事項の規定の改正
(14) その他の改正

(会社計算規則の改正案)
(1) 出資の履行の仮装に係る義務が履行された場合に関する規定の整備等
(2) 監査等委員会設置会社に係る規定の整備
(3) ウェブ開示事項の拡大
(4) 企業結合会計基準等の改正に伴う規定の整備
ア 計算書類及び連結計算書類における表示に係る整備
企業結合に関する会計基準等において,連結貸借対照表の表示科目の名称
変更がされたこと,連結損益計算書の当期純利益に非支配株主に帰属する
部分も含めることとされたこと等を踏まえ,会社計算規則の規定を整備す
る。
イ 株主資本等変動計算書における暫定的な会計処理の確定に係る整備
(5) その他の改正

ですね。

施行時期、経過措置にご注意ください。

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3.[法務]払込みの仮装に関する見直し
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上記のうち、出資の履行の仮装に係る部分についてですが、改正会社法におい
ては、
「募集株式の引受人は、次のア又はイに掲げる場合には、株式会社に対し、当
該ア又はイに定める行為をしなければならないものとする。
ア 募集株式の払込金額の払込を仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の
全額の支払
イ 現物出資財産の給付を仮装した場合 当該現物出資財産の給付(株式会社が
当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した
場合にあっては,当該金銭の全額の支払)」

とされています。また、
「この場合には,出資の履行を仮装することに関与した取締役(委員会設置会
社にあっては,執行役を含む。)として法務省令で定める者は,株式会社に
対し,上記アの払込金額又は同イの金銭の全額に相当する金額を支払う義務
を負うものとする。ただし,その者(当該出資の履行を仮装したものを除
く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は,
この限りでないものとする。」

つまり、仮装払込みによる募集株式の発行等(いわゆる「みせ金」ですね。)に
ついて、

(1)仮装払込みをした引受人に、当該払込期日又は払込期間経過後において、当
該募集株式を発行した株式会社に対し、払込金額として仮装された金額全額
の支払義務を負わせる。
(2)仮装払込みに関与した取締役に、株式会社に対し、同額の支払義務を負わせ
る。

ということです。こういう規定が新設されてるんですね。注意しましょう。

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4.[税務]軽減税率の導入
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ちょっと前の記事になってしまいましたが、軽減税率が導入されそうという話
は書いておいたほうがよいと思います。

「自民・公明の与党税制協議会では、消費税率について「経済再生と財政健全
化を両立するため、消費税率10%への引き上げは2017年4月に行う」
ことを確認。軽減税率制度について「税率10%時に導入する」としたうえで
「2017年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等に
ついて早急に具体的な検討を進める」ことで合意した。具体的な作業は衆院選
後にスタートさせる。」

とのことですよね。軽減税率本当に実施されることになりそうです。

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5.[NEWS]コーポレートガバナンスコード
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新たなコーポレートガバナンスコードが明らかになってきました。
http://mainichi.jp/select/news/20141126k0000m020089000c.html?inb=ra

平成26年11月25日に行われた第7回コーポレートガバナンスコードの策定
に関する有識者会議の資料として以下のものが配布されています。

「【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】
独立社外取締役は企業の持続的な成長と中期価値向上に寄与するように役割・
責務を果たすべきであり、上場会社はそのような資質十分備え独立外取締役
を少なくとも2名以上選任すべきである。
また、業種・規模事特性機関設計会社をとりまく環境等総合的に勘案して、
自主的な判断により少くとも3分の1以上独立社外取締役を選任することが
必要と考える上場会社は、記にかかわらずそのための取組み方針を開示すべ
きである。」
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20141125/01.pdf

とされています。改正会社法よりもさらに一段踏み込んだ内容になっています。
社外取締役ってそんなに重要なんでしょうか。疑問が晴れません。

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6.[税務]問題173
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[問173]
給与の計算期間 7月20日~8月19日
賞与の計算期間 4月1日~9月30日
海外勤務者として出国の日 8月10日
給与支払い日 毎月25日
賞与支払い日 4月1日~9月30日分として12月10日
       10月1日~3月31日分として6月10日
源泉所得税について正しい記述はどれ?

a.8月25日に支払う給与は日割計算により国内源泉所得分を計算して課税す
る必要がある。12月10日に支払う賞与についても同様に日割計算により国
内源泉所得分を計算して課税する必要がある。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?a

b.8月25日に支払う給与については、国内源泉所得部分はないものとしてそ
の全額について課税する必要はない。12月10日に支払う賞与については日
割計算により国内源泉所得分を計算して課税する必要がある。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?b

c.いずれも課税する必要はない。
http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[答]
[前回の解答]
前回の正答はa。

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7.[編集後記]
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去る11月25日(火)の午後、恵比寿セミナールームにて、「中堅企業のための
移転価格税制対策セミナー」を開催しました。10名の実務家の皆様にご参加い
ただき、休憩中や終了後も活発に質問がなされるなど、なかなかの内容だった
のではないかと思っております。今回のセミナーを通して、移転価格税制に基
づく否認を受けた場合の否認額の大きいこと、これに対処するためには文書化
等事前の十分な対処が必要なことは、ご理解いただけたのではないかと思いま
す。また、文書化にあたっては、取引の概要など一部については社内のみでの
対応は可能ですが、やはり、専門家抜きではすすめ難い面が多くあることをご
理解いただけたものと思います。エキスパーツ税理士法人では、大手税理士法
人と同品質の移転価格サービスを低価格でご提供していますので、是非ご相談
ください。
なお、ホームページの方もリニューアルしまして、移転価格関係のページを追
加しました。他法人のものと比較してもかなり充実した内容になっていると思
いますので、是非ご覧ください!

http://expertslink-tax.jp/manager/transfer-price/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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