◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.317-2015.12.21
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。
**********************************************************************
移転価格文書の作成、更新はお済ですか?
・移転価格文書の作成、どうすればいいかわからない。
・一度作成してあるけど、その後、更新していない。
など、移転価格に関するご相談は税理士法人エキスパーツリンクにどうぞ!
http://expertslink-tax.jp/manager/transfer-price/
**********************************************************************
**********************************************************************
エキスパーツリンク、公認会計士紺野良一にご意見、ご要望、ご相談など
ありましたら、こちらにどうぞ。紺野に直接届きます。
http://clap.mag2.com/hesouwraga
**********************************************************************

◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[NEWS]新日本監査法人存亡の危機?
2.[税務]日本税理士会連合会会長、軽減税率に遺憾の意
3.[税務]新聞は軽減税率
4.[税務]税制改正大綱確定版
5.[税務]BEPS文書化
6.[編集後記]

===================================
1.[NEWS]新日本監査法人存亡の危機?
===================================
私が言ってるんじゃないですよ。

まず、平成27年12月15日、金融庁の「公認会計士・監査審査会」が公認会計
士法に基づく行政処分を行うよう金融庁長官に勧告しています。

新日本有限責任監査法人に対する検査結果に基づく勧告について
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/sonota/houdou/kankoku/shinnihonyuugen.pdf

新日本でさえ、このような書かれ方をしてしまう、では一体誰が監査できる
の?と思ってしまいます。直接存じ上げてはいませんが、東芝のような日本
有数の企業に関わっていた会計士の方々は、本当に優秀な会計士であるはず
です。それでも結果はこうなってしまうのであれば、これを非難できるのは、
全くの門外漢の方か、私のように、監査法人を出てしまった会計士かもしれ
ません。しかし、私はこれを強く非難できる自信はありません。中央青山出
身ですし。

東芝の監査には新人も多く関わっていたでしょう。会計士試験合格して、た
またま同社の監査に配属されて、ちょっとおかしいと思ったとしても、前か
らそうだと言われた場合、新人は、そんなもんかなと思ってしまうでしょう。

この審査をしているのは、公認会計士・監査審査会です。ちょっと確認して
みました。メンバーはこちらです。
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/shinsakai/soshiki/member.pdf
今の肩書だけから判断してはいけないのですが、監査をやっている方は少な
いようです。

何度も他の中小監査法人が勧告を受ける度にひどい書かれ方をしているのを
見てきましたが、ちょっとひどい言い方なのでは?と思うこともありました。
それでも、中小では実際そのようなこともあるのかもしれないな、と思い直
していました。

今回の件はやはり監査の問題であると思いますので、新日本さんとしては、
それなりのけじめをつけなければならないのは、残念ながら、そうなのでし
ょうけれども、ちょっとこの勧告文はどうにかならないかなと、思いますね。

こちらの記事にも、そのような趣旨のことが書かれています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46958

「むしろ、この種の勧告のスタイルとして定着してしまった感があるが、内
容が抽象的で、具体性を欠いている点に違和感を覚えている。この程度の立
証振りで生殺与奪を左右する行政処分を科されたのでは、監査法人として納
得できる道理がない。特に、一連の東芝問題にまったく関与してない職員だ
けでなく、社会的にももっと丁寧な説明が必要だ。」

この記事は以下のように指摘しています。

「勧告を受けて、金融庁は来週(12月22日)にも、業務改善命令だけでな
く、業務停止や課徴金支払いを含む厳しい処分を下す公算が高まっている。
その一方で、経済界ではクライアントの「新日本離れ」が取り沙汰されてお
り、またしても日本を大手監査法人が消滅しかねない事態に陥っている。」

「消滅しかねない」?

東芝が残って新日が消滅するんですか?そんなばかな。やった方が悪いに決ま
っています。過重な責任に感じます。もっと監査人に強力な権限を与えるか、
経営者に罪の意識をもたせるために粉飾の罰則をもっともっと重くするか、ど
うにかしなければ、会計士なんて誰もなりたがりませんよ。

===================================
2.[税務]日本税理士会連合会会長、軽減税率に遺憾の意
===================================
平成27年12月16日、与党税制改正大綱の公表を受け、日本税理士会連合会会
長がコメントを出しています。
http://www.nichizeiren.or.jp/taxpayer/info.html#151216

法人実効税率引き下げ→趣旨に賛意
外形標準の中小企業への配慮→評価できる
(今後の検討課題である)中小企業の範囲の見直し等→今後とも注視していく
消費税の軽減税率→深く遺憾の意

ということで、軽減税率には深く遺憾の意を表されています。税理士会が税
制改正大綱に不満を公式に表明するのは極めて異例のことだそうです。

まあ、どたばたで決まってしまって混乱が待っていそうな感じがいたします
ですね。

===================================
3.[税務]新聞は軽減税率
===================================
どさくさですね。
http://www.j-cast.com/2015/12/16253401.html?p=all
新聞協会はこういった主張でした。
http://www.pressnet.or.jp/keigen/qa/

新聞に限りませんけど、8%と10%ではあまり変わりないですよね。そりゃ少し
でも安いほうがいいですけど、ヨーロッパのような大胆な軽減をしないとあり
がたみもないですね。

===================================
4.[税務]税制改正大綱確定版
===================================
自民党、公明党から税制改正大綱確定版が公表されていますね。
https://www.jimin.jp/news/policy/131061.html

「軽減税率の対象となる課税資産の譲渡等(以下「軽減対象課税資産の譲渡
等」(仮称)という。)は次のとおりとし、軽減税率は 6.24%(地方消費
税と合わせて8%)とする。」

6.24%なんですね。現状は、消費税率6.3%、地方消費税率1.7%です。

適用期日が、平成29年4月1日ですから、6.3%のままの分と、6.24%の分と必
要になるように思います。実務上どうなるのか、注視していきたいと思いま
す。

===================================
5.[税務]BEPS文書化
===================================
平成28年度税制改正により、いよいよBEPS行動13「移転価格文書化」への対
応が図られます。具体的には上記税制改正大綱の【付記】移転価格税制に係る
文書化をご参照いただくことになります。

https://www.jimin.jp/news/policy/131061.html

ここでは、軽めに、一定の項目だけ、ご紹介します。ですから番号とんでます。
詳細は上記税制改正大綱にあたってください。番号振りがこのメルマガの大項
目の番号と同じものも出てきてしまって、ちょっと見にくくなってしまいます
が、この税制改正大綱の【付記】の番号をそのまま記載します。

行動13「移転価格の文書化」では、多国籍企業グループに対し、

国別報告書
マスターファイル
ローカルファイル

という3種類の文書を共通様式に従い税務当局に提供(又は作成・保存)するよ
う求めています。

*********************************************************************
【付記二】移転価格税制に係る文書化
(国 税)
一 国別報告事項
1 概要
多国籍企業グループに係る国別報告事項の提供義務者である法人は、当該
多国籍企業グループに係る国別報告事項を、最終親事業体の会計年度終了
の日の翌日から1年を経過する日までに、電子情報処理組織を使用する方
法(e-Tax)により、税務署長に提供しなければならないこととする。

7 国別報告事項の提供義務の免除
直前会計年度の連結総収入金額が 1,000 億円未満の多国籍企業グループ
 については、国別報告事項の提供義務を免除する。

8 使用言語
 英語とする。

9 提供義務の担保策
 国別報告事項を期限内に税務署長に提供しない場合の罰則を設ける。

10 適用時期
 上記の改正は、平成 28 年4月1日以後に開始する最終親事業体の会計
 年度に係る国別報告事項について適用する。

二 事業概況報告事項(マスターファイル)
1 概要
 多国籍企業グループに係る事業概況報告事項の提供義務者である法人は、
 当該多国籍企業グループに係る事業概況報告事項を、最終親事業体の会計
 年度終了の日の翌日から1年を経過する日までに、電子情報処理組織を使
 用する方法(e- Tax)により、税務署長に提供しなければならないことと
 する。

7 事業概況報告事項の提供義務の免除
 直前会計年度の連結総収入金額が 1,000 億円未満の多国籍企業グループ
 については、事業概況報告事項の提供義務を免除する。

8 使用言語
日本語又は英語とする。

9 提供義務の担保策
 事業概況報告事項を期限内に税務署長に提供しない場合の罰則を設ける。

10 適用時期
 上記の改正は、平成 28 年4月1日以後に開始する最終親事業体の会計
 年度に係る事業概況報告事項について適用する。

三 独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファ
  イル)
1 概要
 国外関連取引を行った法人は、当該国外関連取引に係る独立企業間価格を
 算定するために必要と認められる書類(電磁的記録を含む。以下「ローカ
 ルファイル」という。)を確定申告書の提出期限までに作成しなければな
 らないこととする。

4 同時文書化義務が免除される国外関連取引
 一の国外関連者との前期(前期がない場合には当期)の取引金額(受払合
 計)が 50 億円未満であり、かつ、当該一の国外関連者との前期(前期が
 ない場合には当期)の無形資産取引金額(受払合計)が3億円未満である
 場合には、当該一の国外関連者との当期の国外関連取引については、ロー
 カルファイルの確定申告書の提出期限までの作成・保存義務(以下「同時
 文書化義務」という。)を免除する。

5 文書化の担保策
 ローカルファイル等の提示又は提出(以下「提出等」という。)がない場
 合の推定課税及び同種の事業を営む者に対する質問検査(以下「同業者調
 査」という。)の要件を明確化する観点から、次の整備を行う。

(1)同時文書化義務のある国外関連取引に係る推定課税等
 次に掲げる場合に該当するときは、推定課税・同業者調査を行うことがで
 きることとする。

 ・同時文書化義務のある国外関連取引について、国税当局の当該職員が、
  ローカルファイルの提出等を求めた場合において、45 日以内の期日で
  当該職員が指定する日までに提出等がなかったとき
 ・同時文書化義務のある国外関連取引について、国税当局の当該職員が、
  ローカルファイルの作成の基礎となる資料及び関連する資料等の独立企
  業間価格を算定するために重要と認められる書類の提出等を求めた場合
  において、60 日以内の期日で当該職員が指定する日までに提出等がな
  かったとき

(2)同時文書化義務のない国外関連取引に係る推定課税等
 同時文書化義務のない国外関連取引について、国税当局の当該職員が、ロ
 ーカルファイルに相当する資料等の独立企業間価格を算定するために重要
 と認められる書類の提出等を求めた場合において、60 日以内の期日で当
 該職員が指定する日までに提出等がなかったときは、推定課税・同業者調
 査を行うことができることとする。

8 適用時期
 上記の改正は、平成 29 年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税及
 び平成 30 年分以後の所得税について適用する。
*********************************************************************

国別報告事項は、「8使用言語 英語とする。」なんてさらっと書いてあり
ますね。3月決算の会社さんでいえば、国別報告事項、マスターファイルは、
平成30年3月までに税務署長に提供、ローカルファイルを、平成30年3月期の
確定申告書の提出期限までに作成しなければならないことになりますね。

===================================
6.[編集後記]高齢者に1人3万円
===================================
1人3万円て何?月3万?と思ったら、それっきりですね。政府は、総額3兆
3213億円にのぼる、2015年度補正予算案を閣議決定しました。そのなかの約
3割にあたる3624億円が計上されているのが、低所得の高齢者に3万円を配る
臨時福祉給付金で、65歳以上で住民税が非課税の約1100万人が対象だそうで
す。来年4月以降に、単身世帯で年収が155万円程度以下の人に加えて、保険
料を払った期間が短いため、年金がもらえない無年金の人にも配られるという
ことです。
批判が多いようですね。ばらまき、選挙対策、子育て給付金廃止なんて高齢者
優遇、などなど。
所得の再分配の考えはよいし、最近は下流老人と呼ばれる貧困層も多いので、
この施策自体は否定はしませんが、3万円ってしょぼいと私は思います。何千
億円かの経済効果はあるんでしょうけど、経済効果というより、本当の貧困
層である下流老人に対する緊急支援策のような意味づけにできなかったんで
しょうか。下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れ
がある高齢者」のことで2015年現在、日本国内に推定600万〜700万人いる
とされています。この方々に対する支援という意味で額ももっとまとまった
金をだすのならいいのですが、このなんか中途半端な額が選挙対策とか言わ
れてしまう原因になっていると思います。また子育て給付金の廃止もちょっ
と解せないですね。代替があるのでしょうか。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
*URL: http://www.expertslink.jp
 →決算・開示サポート、内部統制、会計に強い税理士をお求めならこちら
*E-mail: <info@expertslink.jp>
 転送はご自由に!
*解除はこちらから
 →http://expertslink-tax.jp/mailmagazine/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


税理士法人エキスパーツリンク > ニュース > accounting journalバックナンバー > 【Weekly accounting journal】vol.317~税制改正大綱(確定版)~