◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.333-2016.04.18
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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ありましたら、こちらにどうぞ。紺野に直接届きます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]消費税の軽減税率制度に関するQ&A
2.[最新J-GAAP]減価償却に関する税制改正への対応
3.[NEWS]EU、大企業に国別報告義務付け
4.[NEWS]東芝関係リンク集
5.[編集後記]

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1.[税務]消費税の軽減税率制度に関するQ&A
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本当に上がるのかどうか不透明な要素も出てきたと思いますが、今のところ、
平成29年4月から、消費税率は10%にあがり、その際には軽減税率が導入され
ることになっています。

その軽減税率につき、国税庁は「消費税の軽減税率に関するQ&A(制度概要
編)」、及び「消費税の軽減税率に関するQ&A(個別事例編)」を公表していま
す。

https://www.nta.go.jp/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/02.htm

いくつかご紹介します。

軽減税率の適用があるかどうか。

・肉用牛
 →適用対象外。その販売時点において、人の飲用又は食用に供されるもの
ではないため。家畜の枝肉は適用対象。

・食用の生きた魚
 →適用対象。生きた魚でも熱帯魚などの観賞用の魚は適用外。

・家畜の飼料、ペットフード
 →適用対象外。

・水、氷
 →ミネラルウォーターなど飲料水や食用氷は適用対象。水道水や保冷用の
氷は適用対象外。

・みりん
 →酒税法に規定する酒類に該当すれば適用対象外。これに該当しないみり
ん風調味料は適用対象。

・ノンアルコールビール、甘酒
 →酒税法に規定する酒類に該当しない飲料は適用対象。

・飲食料品を販売する際に使用される容器
 →通常必要なものとして使用されるときは、飲食料品の譲渡に該当するの
で適用対象。

・いちご狩りなどの入園料
 →適用対象外。収穫した果物の販売対価は適用対象。

・自販機の飲料
 →適用対象。

・飲食料品に係る販売奨励金
 →対象課税資産に基づいて判断。「飲食料品の譲渡」であれば、軽減税率
の適用対象。

・そばの出前、宅配ピザの配達
 →適用対象。

・有料老人ホームの飲食料品の提供
→同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額が一食につき
640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食
料品の提供は適用対象。
  ただし、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供をあらかじめ書面
により明らかにしている場合には、その対象飲食料品の提供の対価の額に
よりその累計額を計算する。

  ※これ、すごいです。例として挙げられているものを紹介しますが、有料
老人ホームが、
  朝食500円
  昼食550円
  間食500円
  夕食640円
と提供する場合、

あらかじめ書面により、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供
を明らかにしていない場合、

  朝食(軽減) 500円≦640円 (累計500円)
 昼食(軽減) 550円≦640円 (累計1,050円)
  間食(軽減) 500円≦640円 (累計1,550円)
  夕食(標準) 640円≦640円 (累計2,190円(内、軽減税率対象1,550円))

一方、累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を朝食、昼食、夕食と
していた場合、

 朝食(軽減) 500円≦640円 (累計500円)
 昼食(軽減) 550円≦640円 (累計1,050円)
 間食(標準) 500円≦640円 (累計1,550円)
 夕食(軽減) 640円≦640円 (累計2,190円(内、軽減税率対象1,690円))

こんなこと、よく考えますね。

ここでは、この位にしておきます。またご紹介します。

ちなみに、安倍総理は、消費税増税については「リーマンショックや「大震
災」のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施する。」と言ってい
ます。

「大震災」。

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2.[最新J-GAAP]減価償却に関する税制改正への対応
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ASBJでは、4月12日、減価償却に関する税制改正への対応を審議しています。
次回の委員会において実務対応報告の公開草案の公表承認に関する審議を行う
予定とのことです。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/minutes/20160412/20160412_334g.pdf

実務対応報告が出ます。

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3.[NEWS]EU、大企業に国別報告義務付け
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多国籍企業の報告がまた増えるようです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H7U_S6A410C1FF2000/

「欧州連合(EU)の欧州委員会は12日、大企業の税逃れを防ぐ新制度を欧
州議会や加盟国に提案した。EU域内の多国籍企業に、利益を稼いだ国で税
金をしっかり納めているか域内の国別に報告するよう義務づけるのが柱。加
盟国の税ルールの違いを巧みに利用した税逃れを政府が効率的に監視できる
「網の目」を張りめぐらす。」

「新制度は多国籍企業に狙いを定め、収益や納税額といった多国籍企業内のお
金の流れをEU加盟国の税務当局が把握しやすいようにする。世界全体の売
上高が7億5000万ユーロ(約930億円)超の企業が対象で、域内で6000社を
超える見通しだ。

多国籍企業が報告を求められるのは、課税額や実際の納税額、売上高、利益、
従業員数など。企業が活動しているEUの加盟国ごとに情報を仕分けしたう
えで、それぞれの加盟国に報告する。利益を稼いだ国で適切に納税している
かを把握しやすくする狙いだ。

 本来納めるべき税金の額と実際の納税額に差がある場合は、企業側に説明を
求める。税務当局にとっては企業内の不審なお金の流れを従来より見つけや
すくなり、税逃れを防げると欧州委はみている。

 報告した情報は一本化したうえでウェブサイトで最低5年間、公開すること
も求める。税務当局だけでなく、民間団体も監視できる利点がある。」

これはEUの企業だけではありませんので、EU加盟国に子会社又は支店を有する
日本企業も遵守する必要があります。EU加盟国での事業について、法人所得税
に関する情報を国別に報告・開示しなければならなくなりますのでご注意くだ
さい。

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4.[NEWS]東芝関係リンク集
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まずは、例の医療事業売却益。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016040800830&g=soc

計上するようですね。5,900億円の売却益がでるようです。以前ご紹介したよ
うに独占禁止法上の届出が必要ない会社に東芝メディカルの議決権を一時的に
持たせることにより、審査を待たずに売却益を計上するという手法ということ
でしたが、記事によると、

「東芝はメディカル社の普通株のごく一部を新設したSPCに売却し、残りを
メディカル社に自己株として譲渡。独占禁止法に関する内外当局の承認を条
件に、全ての普通株を取得する権利を6655億円でキヤノンに売却した。
 SPCへの売却なら当局への届け出が不要なため、東芝は3月中に取引を終
えた。今後、監査法人が決算監査を行い、売却益計上を最終判断する。」

なんか、また「チャレンジ」しちゃってる感じがします。必至ですね。「権利
を売却」ということですと、ちょっと聞いたことのない形のように思います。
結局「内外当局の承認を条件」ということであれば、本当に計上できるのかど
うか。

一方で、原発事業ののれん関わる損失が発生する確率は「五分五分」だそうで
す。

次はこちら
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/104184218_5.html

分かりやすい文章ですね。監査人は何やっていたのだという批判です。外部監
査だけでなく、内部統制も機能していません。

地下鉄電車用電気品の納入という米国子会社が請け負った工事進行基準適用の
案件の経緯をたどっています。

受注からおかしいのです。

「内部統制ルールに従うならば、受注政策会議に諮ったうえでCP(カンパニー
 の社長)決裁とするべきところ、受政会議を省略してCPが決裁しています。」。

この時点で内部統制監査上、重要な運用上の不備なのではないでしょうか。

監査も十分とはいえません。

「調査報告書全文には、「会計監査人は、I案件について、監査手続として、
 2013年度末及び2014年度末に受注損失引当金計上の適切性について、SIS社経
 理部の経理部員より説明を受けている。SIS社は、資料に基づきSP受注アップ
 やCD施策を説明したが、そのような施策には実現可能性の高くないものが織
 り込まれていた。しかし、会計監査人は施策の中に実現可能性が高くないも
 のが織り込まれていることに気が付かなかったため、結果として会計監査人に
 よる統制が機能しなかった」と書かれています。」

結果的に、東芝としては、2013年度に39億円、2014年度に25億円のロスを計上
していますが、第三者委員会は、その認識が遅く、期ずれを生じていたとして、
本来は、2011年度に57億円、2012年度に8億円の損失計上をすべきだったと指摘
しているものです。

全然遅いわけです。

その間会社側はろくに見積もりをしていないと言われても仕方ない状況であっ
たようですね。わかるような気がします。なんと言いますか、大企業って実は
誰も責任とらないのですが、全体の雰囲気はきちんとしているのです。その雰
囲気に何となく監査人も乗せられてしまうのです。結果、監査人も痛い目にあ
うわけです。

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5.[編集後記]
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亡くなられた方の遺族の方々にはご冥福をお祈りいたします。
被害にあわれた方々、避難されている方々、繰り返す揺れに不安な思いをされ
ている方々、皆さん大変なご苦労かと思います。どうか早く地震がおさまるこ
とを祈っています。
またしても地震が起きました。私の母方の田舎が熊本で、親戚が多く住んでい
ます。幸い、皆無事なようですが、地震の回数の多さを想うといたたまれなく
なります。
不気味なのは中央構造線に沿った震源が移動していることです。慶長大地震が
これに近い動きをしていたようで驚きました。慶長大地震は、1596年から
1615年に起きたもので、慶弔伊予地震、慶長豊後地震(大分地震)、慶長伏見
地震、慶長地震(南海トラフ巨大地震の一つとされるが諸説あり)、会津地震、
慶長三陸地震、慶長19年10月25日の地震と連続しておきたそうです。いずれ
も巨大なもので、甚大な被害をもたらしたようです。特に慶長地震は津波を伴
ったもので死者1~2万人を数えたそうです。最初の二つは今回の地震の震源
の移動と同じです。恐ろしいことですが、中央構造線に沿って、注意が必要
ですね。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

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個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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