◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.341-2016.06.20
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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ありましたら、こちらにどうぞ。紺野に直接届きます。
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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い
2.[税務]法人番号利活用
3.[税務]日本が先導、国際的課税逃れとの戦い
4.[NEWS]会計監査に使用していたパソコン
5.[最新J-GAAP]FASF税効果新指針に対応する注記例
6.[編集後記]

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1.[税務]減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い
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出ました。

皆様ご承知のとおり、平成28年度税制改正において、平成28年4月1日以後
に取得する建物附属設備及び構築物の法人税法上の減価償却方法について、定
率法が廃止されて定額法のみとなる見直しが行われました。

これを受けて、ASBJでは、当該税制改正に合わせ、平成28年4月1日以後に
取得する建物附属設備及び構築物に係る減価償却方法を定額法に変更する場合
に、当該減価償却方法の変更が正当な理由に基づく会計方針の変更に該当する
か否か審議し、「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実
務上の取扱い」としてとりまとめ、平成28年6月17日に公表しています。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/depreciation/

まずはエッセンスをまとめたいと思います。いつも通り端折って書きますので、
詳細は原文にあたってください。

従来から税法基準で減価償却費を計上しており、建物附属設備、構築物又はそ
の両方につき、定率法を採用している場合で、

(適用)

○「平成28年4月1日以後に取得する当該すべての資産に係る減価償却方法を
定額法に変更」する場合
→法令等の改正に準じたものとし、「会計基準等の改正に伴う会計方針の
変更」として取り扱われます。
→次の事項を注記します。
・会計方針の変更の内容として、法人税法の改正に伴い、本実務対応報
告を適用し、平成 28 年 4 月 1 日以後に取得する建物附属設備、構
築物又はその両方に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更して
いる旨
・会計方針の変更による当期への影響額

○「上記以外の減価償却方法の変更」を行う場合
→自発的に行う会計方針の変更として取り扱われます。正当な理由に基づく
と認められる必要があります。
※例えば、以下のようなものが考えられます。
・これを機に従来から保有する建物附属設備及び構築物についても定率
法から定額法に変更する。
・その他の定率法適用固定資産についても定率法から定額法に変更する。

(適用時期)
公表日(平成28年6月17日)以後最初に終了する事業年度のみに適用します。

注意が必要なのは、「なお、当該注記事項は、建物附属設備又は構築物を本実
務対応報告の適用初年度に取得したかどうかにかかわらず、平成28年度税制
改正に合わせて減価償却方法を定額法に変更する場合に、会計基準等の改正に
伴う会計方針の変更として取り扱うことを意図しているため、建物附属設備又
は構築物を取得していない場合も記載することとなる。」とされていることで
す。

事業構造的にこれらの取得があり得ないような場合は記載の必要はないと思わ
れますが、ときどき発生するが、今期はたまたまないというような場合は、記
載しておくべきということになりますね。

ご留意ください。

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2.[税務]法人番号利活用
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国税庁から日本公認会計士協会に法人番号の利活用に関するお知らせがあった
ようで、資料が掲載されています。

http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/jicpa_pr/news/20160616era.html

法人番号の概要
法人番号の調べ方のご紹介-国税庁法人番号公表サイト-
法人等の基本3情報のデータ提供について
法人番号の活用方法のご紹介
国際的に利用可能な企業コードとしての法人番号
行政機関における活用例
などです。

国税庁法人番号公表サイトはこちら
http://www.houjin-bangou.nta.go.jp

法人等の基本3情報については、ダウンロードなどの方法で全権データを月次
で入手することができます。

また、法人番号を利用して、売掛金管理を効率的に行うことが紹介されていま
す。「具体的には、法人番号付きで売掛金(売上台帳)の管理を行うと、法人
番号をキーに、取引先ごとの集計が容易になります。また、支店・出張所との
取引であっても、本店と同一の法人番号であることから、取引先ごとの集計を
確実に行うことができます。」ということです。

ところで、「法人番号」は13桁なのですが、これは、12桁の番号の前に検査
用数字(チェックデジット)を1桁加えたものです。この検査用数字を除いた12
桁の番号は、法務局が管理する「会社法人等番号」と同じ番号だそうです。

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3.[税務]日本が先導、国際的課税逃れとの戦い
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2011年6月からOECD租税委員会の議長を務める財務省の浅川雅嗣財務官が、
課税逃れ対策のいまとこれからを語った記事です。

http://diamond.jp/articles/-/92954

BEPSとは二重課税ではなく、二重非課税であることを述べて、自動的情報交
換がこれを暴いてくれる。日本が先導的にかかわっていくことを述べています。

「BEPSで問題になったのは、二重課税ではなく、「二重“非”課税」です。
結局、源泉地国でも居住地国でも課税されない。具体的には、多国籍企業
がいろいろなテクニックを使って低税率国に利益を移転させ、税源を移出
させている。つまり、BEPSは利益を上げている国で、正当に税金が納めら
れるべきであるという、税の本質に関わる問題なのです。」

この自動的情報交換については、以下のような「宣言」がなされています。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000038869.pdf

日本でも、平成29年1月1日以後は、以下のような取扱いが始まります。

○平成29年1月1日以後、新たに日本の金融機関等に口座開設等をする場合

新規に口座開設等をする場合、金融機関等へ氏名・住所(名称・所在地)、
居住地国(例えば、日本)等を記載した届出書(新規届出書)の提出が必要
となります。

※居住地国が外国の場合にあっては当該居住地国における納税者番号の記載
が必要となります。

○平成28年12月31日以前に既に日本の金融機関等に口座開設等をしている場合

既に口座開設等をしている場合でも、確認のため金融機関から氏名・住所
(名称・所在地)、居住地国(例えば、日本)等を記載した届出書(任意届
出書)の提出を求められる場合があります。

※居住地国が外国の場合にあっては当該居住地国における納税者番号の記載
が必要となります。

(注)居住地国に異動があった場合には、届出書(異動届出書)の提出が必要
となります。

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4.[NEWS]会計監査に使用していたパソコン
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新日本有限責任監査法人は、平成28年6月13日付で、会計監査に使用してい
たパソコンの盗難について、公表しています。

http://www.shinnihon.or.jp/about-us/news-releases/2016/2016-06-13.html

「このたび、弊法人において、一般財団法人大阪府タウン管理財団様から監査
遂行上、必要な範囲でお預かりした情報の一部が記録されている弊法人のパ
ソコンが車上荒らしにあい、盗まれる事故が発生いたしました。このような
事態を招き、関係者の皆様にご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び
申しあげます。」

「当該パソコンに記録されている情報には、一般財団法人大阪府タウン管理財
団様の会計関係データ24,019件が含まれております。うち個人のデータを含
むものは23,584件でした。個人のデータは「氏名」のみで住所や電話番号な
どの情報は含まれておりません。」

「盗難事件は、去る6月4日(土)に発生しました。速やかに所轄する警察署へ
届出ましたが、現時点では、盗難されたパソコンは発見されておりません。
なお、当該パソコンは、パスワードの設定やハードディスク全体の暗号化な
ど厳重なセキュリティ対策が講じられているため、パソコンから情報が取り
出されて外部に漏えいする可能性は極めて低いと判断しております。」
個人情報が含まれるような重要なデータは預かったらすぐに返還するようにし
なければ、このような事故につながる可能性は否定できません。なんでパソコ
ンが車にあるのか。

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5.[最新J-GAAP]FASF税効果新指針に対応する注記例
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平成29年3月期第1四半期決算においては「繰延税金資産の回収可能性に関す
る適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)の強制適用がなされます。

FASFは平成29年3月期第1四半期決算における留意事項として、以下の注記
例を示しています。

(会計方針の変更)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 」(企業会計基準適用指針第
26号 平成28年3月28日。以下「回収可能性適用指針」という。)を当第
1四半期連結会計期間から適用し,繰延税金資産の回収可能性に関する会計
処理の方法の一部を見直している。
 回収可能性適用指針の適用については,回収可能性適用指針第49項(4)に
 定める経過的な取扱いに従っており,当第1四半期連結会計期間の期首時点
 において回収可能性適用指針第49項(3)1(○のなかに1)から3(○のなかに
3)に該当する定めを適用した
 場合の繰延税金資産及び繰延税金負債の額と,前連結会計年度末の繰延税金
 資産及び繰延税金負債の額との差額を,当第1四半期連結会計期間の期首の
 利益剰余金及びその他の包括利益累計額に加算している。
 この結果,当第1四半期連結会計期間の期首において,繰延税金資産(投資
 その他の資産)がXXX百万円,利益剰余金がXXX百万円増加し,○○○○が
XXX百万円増加している。

繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針では、会社分類2~4において設け
られた新たな取扱いを適用することにより、基本的に繰延税金資産を多く計上
することができます。この変更は、会計方針の変更に該当し、上記のような注
記が必要になります。

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6.[編集後記]
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アップバンクの元役員の不正はご存知でしょうか。アップバンクは昨年12月
に東証マザーズに上場したスマホ関連グッズの販売などを行う会社ですが、こ
の上場直後に東京国税局の税務調査で、元役員の横領が発覚しています。会社
の調査報告書によると、この不正は、元役員が財務と経理を担当していた13年
3月~15年8月、架空の広告費約1億4900万円を協力者に不正送金し、手数料
を除く約1億2600万円を自分の会社などに戻させていたとされています。調査
報告書では、巧妙な隠ぺいをしたため、発見は困難であったとされています。
ところが、毎日新聞の取材により、「表計算ソフトの金額や送金先を改ざんし
ただけの稚拙な手口で、調べればわかる」「上場時に会社や監査法人、証券会
社が調べればわかったはずだ」と話しています。

http://mainichi.jp/articles/20160612/k00/00m/040/079000c

一般的には、広告費は金額が大きいものは証憑との突合せがなされていると思
われますが、相手先と組まれた場合には、証憑との突合せでも真の実在性は判
明せず、このように不正が発見できない可能性は否定できないと思います。国
税のように、調査に時間をかけ、反面を行うことができればいいのですが、短
い時間で監査を行う必要がある場合、発見は難しいかもしれません。ただ、元
役員がいう「稚拙」な手口がどの程度「稚拙」なのか、今後も追いたいと思い
ます。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA)inactive 紺野良一
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