◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.306-2015.11.05
      
   ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

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こんにちは、エキスパーツリンクの紺野です。日本の会計基準は、今、IFRS
で揺れ動いています。一方で税制も改正されており、上場会社及び上場準備会
社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく変化していきます。これ
らのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理担当者の皆さん向けに、
出来る限り分かりやすくお伝えします。何らかの「気づき」をご提供すること
が出来れば幸いです。仕事の合間に軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は私どもの私見にもとづきます。このメールマガジン
の情報をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等
にご確認ください。もちろん、エキスパーツリンクでもまずは無料で検討させ
ていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[税務]ロイヤルティの適正な料率とは?
2.[税務]低所得若者支援のゼロ税率や税額控除
3.[最新J-GAAP]酒税とガソリン税と収益表示
4.[税務]源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載は必要ありません!
5.[NEWS]決算書類、様式見直しへ
6.[NEWS]中小企業の会計に関する指針の改正に関する公開草案
7.[編集後記]

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1.[税務]ロイヤルティの適正な料率とは?
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我が社では海外の製造子会社から、子会社の売上の3%をロイヤルティとし
て収受しています。料率は業界の平均値を採用しており、今まで一度も変更
をしたことはありません。料率の見直しをする必要はあるでしょうか。
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一定の料率をロイヤルティとして徴収している場合であっても、海外子会社
の収益が毎期増加しているような場合は、ロイヤルティを毎期見直す必要が
あります。

現在適用しているロイヤルティの料率を変更しないことについての合理的な
説明は、独立企業間価格の算定方法の一つであるCUP法と同等の方法
(CUT法)が適用できる比較対象取引があり、当該比較対象取引のロイヤル
ティ料率が3%であり、かつ契約期間中の料率が同率であるときのみです。

無形資産はそのユニークさゆえに価値があり、価値があるゆえに第三者に供
与する機会はほとんどないと思いますので、一般的には比較対象取引を探し
出すことには困難が伴います。実務的にはTNMMでロイヤルティの移転価格を
算定することが多いと思います(海外子会社の営業利益率-比較対象企業の
営業利益率の差を超過収益分として徴収する方法です)。

ロイヤルティの算定方法としてTNMMを採用する場合、ロイヤルティは海外
子会社に供与された無形資産が生み出す利益に応じて算定する方法があるた
め、毎期ロイヤルティの見直しが必要です。したがって、海外子会社の利益
が増減している原因が無形資産にある場合(例えば、親会社の技術を使って
製造された製品に対する需要が、競合他社の同種の製品に比べて高い場合)
には、ロイヤルティ料率を増減させる必要があります。

これとは逆に、利益の増減要因が無形資産と関係ない場合には、ロイヤルテ
ィ料率を毎期見直す必要はありません。

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2.[税務]低所得若者支援のゼロ税率や税額控除
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有料記事ですが。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H9Q_R01C15A0EE8000/

政府税調が、低所得の若者の支援のために新たな減税策の検討を始めたよう
です。

ゼロ税率(その名のとおり、税率がゼロですから税金がかかりません)
や、
税額控除(一定額を納税額から差し引くものです)

を検討しているとのことです。

ただ、そこはやはり「税収中立」。誰かの負担が増します。
政府税調の会長中里実東大教授は、

「高齢者の中にも豊かな人がいる。年齢だけで輪切りにはしない」

と述べているそうです。

つまり、若者の負担を高齢者に求めるということですね。

そうせざるを得ない面もあると思います。豊かな高齢者の負担を増やし、つら
い若者に希望を持ってもらうような仕組みを構築しましょう。

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3.[最新J-GAAP]酒税とガソリン税と収益表示
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今ASBJで検討されている収益認識のうち、売上税について、おさらいします。
日本ではガソリン税や酒税が対象になると思われます。

まずは、ガソリン税と酒税について、ちょっと確認しておきましょう。

(ガソリン税)
正式には「揮発油税及び地方揮発油税」といいます。1リットルあたり53.8円
だそうです。

納税義務者は、揮発油の製造者、及び揮発油の保税地域からの引取者です。た
だ、当然消費者に転嫁されていますので、消費者が負担していることになりま
す。消費者が負担しているのは税金そのものではなくて販売価格の一部となり
ますので、さらに消費税がかかってくるという二重課税みたいな構造になって
いることが問題になっていますね。

(酒税)
こちらはご存じのとおり、種類・品目別に、担税力に応じて細かく設定されて
います。

納税義務者は、酒類の製造者、及び酒類の保税地域からの引取者です。こちら
も、ガソリン税と同じ構図です。当然消費者に転嫁されていますので、消費者
が負担していることになります。こちらも同様に二重課税みたいな構造になっ
ていることが問題とされています。

(現行J-GAAP)
いわゆる売上税については、消費税を除いて定めは設けられていません。一般
的には総額主義の原則に基づいて収益に含めて会計処理していると思われます。

(IFRS)
売上税が第三者のために回収されると判断される場合は、売上税は取引価格に
含まれず、その結果、収益に計上されません。FASBも基本的には同じですが、
この第三者のために回収されるかどうかという判断が困難であることから、一
部便法を認めています。

ガソリン税や、酒税を製造販売する企業は、揮発油や酒類を基本的に製造場か
ら移出又は保税地域から引き取った時点で揮発油税や酒税の納税義務を負い、
その後の販売活動によりこれらの税金を回収することが予定されています。

で、これらは売上高及び売上原価に両建てで計上されていることが多いわけで
すけど、新しい基準ができたらどうなるのか。

これについては、要は、「第三者のために回収される」と判断されるかどうか
なんですけど、消費者が負担しているのはガソリン税や酒税そのものではない
というわけですから、製造業者や販売業者は、消費者からこれらを預かってい
るわけではないという理解になるかもしれません。この場合、現行の総額表示
のままでよいかもしれません。

しかし、両者とも実質的には、消費者が負担したものを製造業者等が納付して
いるにすぎませんので、実質的には、製造業者や販売業者にとっては「第三者
のために回収される」という感覚が現状に近いように思います。この場合、純
額表示ということになります。

まだ結論が出たわけではありませんが、純額表示の可能性が高そうですよね。

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4.[税務]源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載は必要ありません!
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先週受けた研修でこの件ふれていました。

「本人に交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載は必要あり
ません!」
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/mynumber_gensen.pdf

要するに本人控えですね。

税務署に提出する源泉徴収票などには個人番号の記載が必要ですが。

これ、改正されたんですね。この改正前は個人番号が必要とされていました。

この理由は、
「本人交付が義務付けられている源泉徴収票などに個人番号を記載すること
により、その交付の際に個人情報の漏えい又は滅失等の防止のための措置を
講ずる必要が生じ、従来よりもコストを要することになることや、郵便事故
等による情報流出のリスクが高まるといった声に配慮して行われたものです。」
とのことです。

個人に個人番号書いたもの渡す必要ないですよね。

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5.[NEWS]決算書類、様式見直しへ
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以前から議論はされてきましたが、

金融庁は上場企業の決算書類の様式を改めるため、今秋から有識者による議論
を始めるとのことです。

有料記事ですが
http://www.nikkei.com/paper/article/?n_cid=kobetsu&ng=DGKKZO92457250V01C15A0NN7000

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6.[NEWS]中小企業の会計に関する指針の改正に関する公開草案
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日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準
委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針
作成検討委員会」は、「中小企業の会計に関する指針」について、主として明
確化の観点から見直しを行い、中小会計指針の改正に関する公開草案公表して
います。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/press_release/domestic/sme25/

改正点だけご紹介しておきます。

(1)重要性の原則
重要性の原則が中小会計指針のすべての項目に適用され、各論に特段の記載が
なくとも、重要性の乏しい項目に関しては簡便な会計処理の方法によることが
できることを明確化することを提案するものです。

(2)固定資産の減損損失
固定資産の減損を行わなければならない場合について、会社計算規則第5条
第3項第2号の記載に合わせて、「予測することができない減損が生じたとき
及び減損損失を認識すべきとき」(下線部分を追加記載)と明確化することを
提案するものです。
なお、中小会計指針では、第 36 項第2段落以降で減損損失を認識すべき場合
を例示していますが、今回の改正により、固定資産の減損に係る会計基準が適
用される場合を限定している現行の取扱いについての変更を意図したものでは
ありません。

(3)税効果会計(一時差異に重要性がない場合の取扱い)
一時差異に重要性がない場合の取扱いについて、「要点」の記載と整合性を図
るため、「一時差異に重要性がない場合には繰延税金資産及び繰延税金負債を
計上しないことができる」とするよう表現を変更することを提案するものです。

(4)誤謬の訂正に関する注記
中小会計指針を適用している会社が、企業会計基準第 24 号「会計上の変更及
び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づく会計処理を行わない場合には、個別
注記表における誤謬の訂正に関する注記は必要ないことを明確化することを提
案するものです。

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7.[編集後記]
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気になっていることを書きます。

日本の貧困。子供や高齢者の貧困は本当に厳しい状況にあるようです。特に子
供たちについてですが、

「約3.6日に1人が虐待によって命を落としています。」
「子どもの6人に1人が貧困という厳しい環境で育っています。」

こんな話を聞くと、他の遠い国のような感覚に襲われますが、いえいえ、日本
の話です。十分に食事がとれていない子供も一定数いるようですし、さらには
教育ですよね。ろくに勉強できずに生きている子供も多いようです。

「消えた子どもたち」という話はご存知でしょうか。日本全国に去年の時点で
約2900人。学校も行政も居場所をつかめていない子供がいるようです。

また、「無戸籍」。なんて信じられませんが、日本に少なくとも500人以上い
るようです。学校に一度も通ったことがない、無戸籍のまま30年以上生きてき
たという人もいるそうです。

なぜ、子供たちがこんなにつらい思いをしなければならないのか。国際貢献の
前に国内問題に目を向けなくてはいけないのかもしれません。

公認会計士紺野良一事務所のHPを作りましたので、是非ご覧ください。

トップページ
http://kaishaho-kansa.com/
個人会計士による会社法監査
http://kaishaho-kansa.com/audit/personal/

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士・税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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